就職先を選ぶ時は何を基準にすべきなのか。2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「就職人気ランキングを頼りにするのはやめたほうがいい。現時点でランキング上位にある会社は、これから衰退していく会社と解釈することができるからだ」という――。
※本稿は、ひろゆき『僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方』(Gakken)の一部を再編集したものです。
「人気就職先」は時代によって変わる
働き方は時代によって変わっていくものです。10年前の常識は、いまの非常識。そのひとつの例として、マイナビの大学生就職企業人気ランキングを、1990年から10年ごとにたどってみることにしましょう。
1990年
1990年といえば、バブル経済最盛期。世界の時価総額ランキングで日本企業が上位を占めていた時代。国全体が浮かれており、就職も楽で、文系では華やかな航空業界や世界を股にかけて仕事ができる商社、資金が潤沢にある金融が人気でした。
理系ではパソコンメーカーとしても勢いがあった総合電機メーカーや自動車メーカーが上位を占めていました。当時はまだ女子学生の割合が低かったので、全体的に男子学生が好みそうな業界・企業が並んでいます。
不況になると選ばれる食品メーカー
2000年
バブルが崩壊して経済が停滞していた2000年は「就職氷河期」の時期で、僕が大学を卒業した時期にあたります。大卒の求人倍率は1990年の2.77倍と比べて3分の1の0.99倍まで激減。就職浪人が続出しました。このとき正社員になりそびれた人のなかには、いまでも非正規雇用で働き続けている人もいます。
女子学生が増えた影響で旅行代理店や化粧品メーカー、教育産業など、ソフトな印象の業界・企業がランキングの上位に入ってくるようになったのも特徴です。
2010年
次は2010年。経済は少しだけ持ち直していましたが、2008年のリーマンショックで台無しに。その影響で2010年は失業率が5%を超え、求人倍率も前年の2.14倍から1.62倍に低下しました。そんななかランキングで飛躍したのが不景気に強い食品メーカーでした。