特集 2017年2月25日

田んぼをスタバと見なす

スタバに行きたくても行けないので、田んぼをスタバと見なしたいと思う。
多摩在住のイラストライター。諸メディアにおいて、フマジメなイラストや文章を描くことを専門としながらも、昼は某出版社でマジメな雑誌の編集長をしたりするなど、波乱の人生を送った後に、新たなるありのままの世界へ。そんなデイリーポータルZでのありのままの業務内容はコチラを!(動画インタビュー)

前の記事:どんなものでも文春っぽく描くと上品になる

> 個人サイト ヨシダプロホムーページ

みんなに大人気のスタバだが、
僕はスタバを味わうことができない。なぜならコーヒー飲めないから。コーヒーを飲むとなぜか100パーおなかを壊す。だからお店に来ても
屋外で立ち尽くすのみ。店内のスタバ―(スタバの客)からも
怪訝そうに見られる。
どんなに望んでも、僕がスタバを満喫できる日はきっと来ないのだろう。
とほほほ…と残酷な現実に打ちひしがれながら、いつものように犬の散歩をしていた時、ふとあることに気づいた。
!? ココは散歩でよく来る田んぼなのだが、この地にて、なんとスタバを味わえることに気づいたのである!
実は田んぼって、すごくスタバ的なビジョンで満ち溢れていることに気づいたのである! …何を言ってるのかわからないだろうが、つまりスタバの新商品って
例えばこんな感じで、フィーチャーされがちであろう。コーヒー素人から見たらもはやコーヒーなのかどうかすらわからないが、とりあえず美味しそう
で、そんなスタバ的な絵に続いて、一方コチラが田んぼのである
…ほら。ね? っぽいでしょ? ね!…と言われてもピンと来ないと思うので、視覚的にもスタバ感を認知しやすくすべく、今回は「スタバシート」を作りたいと思う。
つまりスタバの告知的なフォーマットにて、この田んぼの原風景を当てはめて、よりスタバ感を味わうためのシートである。
四の五の言わず作ろうと思うが、いつものように100均にて用紙を用意。それがこちら
カーボン紙レインボー!! 商品名違うがいいとして、これなんと、真っ黒な所に
ペンで描いていくと、
下からレインボーの地が現れ、事実上レインボーのラインを描けてしまう100円とは思えない(実際108円)驚異の紙なのであった!
まぁスタバって黒板告知的なのもありがちなので丁度いいだろう。それをイメージして
ペンを進めていくが
まずはNEW!的なアオリはあると思うので、
具現化してみる。
NEWSTAR。ダサい。スタバだからって、こんなダサいスターの使い方そうないだろう。で、商品が表現されるスペースを想定して、
カップも描いていく。
続いて、スタバのカップと言えば、あの髪の長い謎の女性(?)がおなじみなので、それも描いてしまおう。
いったん広告です
と、描き続けているが
SUTABAと描いている時点でもうスタバでない気はする。
でもそれをめざして描いていく、が
あ。
メガネかけてしまった。いっけない。
あとなんか手みたいなものも同様に描いておこう。結局こんな感じに。
誰これ? ただのメガネ女である。だいたいできたが、さらにスタバっぽくしたいので、あのスタバ用語も描いておこう
TALL!!
GRANDE!!とね。こう書いてる時点でもうダメであろう。意味はもちろん不明。そして、空いたスペースには、
スタバっぽいキラキラした模様をいろいろ施し、描き終えたところで、
商品が見えるスペースを切り抜いて、これにて! なんでも、スタバっぽく見える(はずの)「スタバシート」が完成したのであった!どん!
おぉ!スタバ! …この空いた所からのぞかせれば、そのモノのスタバ感を判断できるはずなのである! …たぶん。
ではこのシートを持って、あらためて田んぼをスタバとみなすことができるのか、現場に向かってみたいと思う!
いったん広告です
と、田んぼにやって来たが、ついでに
犬の散歩も敢行する。ていうか散歩で田んぼに来すぎたがゆえに、こんなスタバ妄想に囚われてしまったのである。そこで早速シート片手に、スタバ的なビジョンを捜して、
田んぼ内をうろうろしていたところ、もも
すごく一線置いている。
「………。」

まずい。犬にこんな目で見られるとは。完全に見下されている。でもくじけずに、なんとかスタバを感じていきたい!
ではそんな田んぼで見つけた、妄想スタバ人気フレイバーBEST10!を発表したいと思う!
●第10位
まずはコチラ。田んぼにただ水が張られただけの状態であるが、ココにスタバシートと想像力を駆使することで、スタバ的に感じてみると…
デフォルトコーヒー!!
な商品に昇華するのであった!…まぁ実質ただの泥水なのだが、それすら優雅なコーヒーに思えてしまう、見事なスタバマジックでなのであった。
ではこんな調子でまだまだ見ていこう!
●第9位
今度は、田んぼの土のなかでも明るい赤土部分、さすが関東ローム層だが、ココもスタバ的になると…
レッドブラウンローム!!
と、赤みが食欲を誘う仕上がりに!なったわけだが、ロームの意味はよくわからない。
●第8位
今度は、田んぼに氷が張っている状態だが、ココもスタバ的になると…
アイシングブラウン!!
とコーヒーな茶色の地ながらも、凍りついたアイシングな煌めきが評価できるだろう。
●第7位
今度は、田んぼにてモミ殻が焼かれた末の、灰まみれの残骸なのだが、ココもスタバ的になると…
抹茶アッシュフロート!!
おそらくコケ的な残骸だがその緑っぷりが抹茶感を見事に演出していたのであった!
●第6位
今度は、田んぼに霜が張ったような状態なのだが、ココもスタバ的になると…
シャキシャキフローズン!!
と、ガキのように足で踏みまくるのも躊躇われる存在になるのであった。
●第5位
今度は、田んぼが金色の野になっている光景だが、ココもスタバ的に、
イエローコーンポタージュ!!
と、もはやコーヒーどころか、コーンポタージュとなってしまっているが、ガリガリ君でもこの味あったから許そう。
●第4位
今度は、やや田んぼのそばの畑めいたところだが、ココもスタバ的になると…
抹茶ベジータ!!
と、ただの白菜なのだが、それゆえ緑と白ってことで、華麗に咲き誇るのであった。
●第3位
今度は、田んぼのちょっとした水路に架かりがちな鉄の橋だが、ココもスタバ的になると…
ステインウェハース!!
とザラついた錆びた鉄材すら噛み砕きたくなる絵になるのであった。
●第2位
今度は、田んぼでの、適当に舗装された畦道なのだが、ココもスタバ的になると…
ホワイティストーン!!
と、ついにも石までも味わい深くなってしまうのであった!
と、そんなめくるめく田んぼのなかで、見事1位に輝いた妄想スタバフレーバーは、コチラだった!!
いったん広告です
●第1位

そしてラスト、今回見事チャンピオンに輝いた妄想スタバフレーバーが、コレだ!!
ピーチオブシヴァ!!
と、いきなりよくわからないビジョンになったが、コレなにかつったら、一緒に散歩していた
柴犬なのであった。名前が「もも」だけにピーチってことでね。黒い部分があんみつみたいで美味しそうである。知らないけど。

…と、いずれにせよこのように! 田んぼのみならず、もはや犬までも素敵な商品に変えてしまう、驚異のスタバパワーなのであった!
スタバ恐るべし、ということで、僕もこんな田んぼからいつかスタバに行けるようになれるよう、頑張りたいと思います。
ではまたおやすみなさい…。

はい、以上いかがでしたでしょうか、今週の「しょうがないから午後ティー」。みなさんはぜひスタバに行ってくださいませ。よろしくお願いいたします。
ほぼ火星。
▽デイリーポータルZトップへ
傑作選!シャツ!袋状の便利な布(取っ手付き)買って応援してよう

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ