帰省の実感だった
産まれてはじめて見たコンビニはセーブオンだった。
はじめて見た時、「セブンイレブンの海賊版みたいなものなのかな?」という大変失礼な感想を抱いてしまったことは今でも忘れていない。
昔は、テーマカラーが赤と緑だったんですよ
地元にいたころのそれは、当たり前にそこに存在しすぎていたので、「コンビニに寄りたい」と思った時に目の前にあったら利用をする程度だった。
だが、上京してしばらくたった今は帰省の実感を「セーブオン」の姿から感じてしまう。
よく使う駅のすぐ近くにあるので、メンズナックルを買ったりしていた
この微妙な距離感は今後もずっと続くのだろうと、疑いもなく思っていたので特に意識することすらなかった。すでにローソンへの転換は着々とすすんでいたのに、まったく知らなかった。
セーブオンユーザー2強は群馬と新潟
発表を聞いた衝撃から、あわててインターネットでアンケートをとった結果がこちらだ。
全国を均等にとったアンケートではないので、じゃっかんの偏りはあると思うが、「知っている人は知っているが、知らない人は知らない」という事実が、よく現れていると思う。
「セイコーマートなら知ってるんだけどな」って複数の北海道民に言われ、セイコーマートの強さが身にしみたりした
ちなみに、「ない」と答えた群馬と新潟の人は0人、いかにその2つの地域に根っこをはっているのかがよくわかった。
年に数回しか帰省していないわたしの商品知識だけでは足りなすぎると思い、「おすすめの商品」についても教えてもらった。
その意見をかなり参考にさせていただきつつ、悩みに悩んで勝手に選んだ「なくならないで欲しい文化」8つを、順ぐりにお伝えしていきたい。
セーブオン常習者の中には、「セーブオンといったら『安いアイス』だ!」と声を大きくして伝えたい人が沢山いるんじゃないだろうか。
堂々の安さアピール
元々は「39円アイス」だったが、今は「48円アイス」に値上がりしている。店員さんに確認したところ、値上がりをしたのは半年~1年くらい前ではないだろうかとのことなのだが、それでも十分安い。
あっさり風味で食べやすい
一部店舗にだが、「MOCHI CREAM ICE(モチクリームアイス)」というものも置かれている。
これは48円じゃない
これがもう、強いお腹が欲しいと願わずにはいられない種類の多さなのだ。売り場で呆然と立ち止まってしまう。
わたしが行った中で、いちばん尋常じゃなかったのは前橋亀里店
チョコミント味、まぶしいくらいに青い
なんとこれ、餅までもがミント味だった。つまり餅の味も全種類で変えているってことですよね。開発段階を想像すると泣けてきてしまう。
ここ1、2年の話なのだが、一部の店舗では「三代目茂蔵」というお店の商品を扱いはじめている。前橋駅前店・前橋亀里店などが、多数取り揃えている。
茂蔵さん、本社は埼玉県春日部らしい
「食べた人全てが大絶賛」、大絶賛すぎるんじゃないかと思っていたが
納得させられてしまった!
ちなみに茂蔵さん、豆腐だけかと思いきや商品展開の幅がおそろしく広い。ざざざっと写真を1枚にまとめてみますね。
はやる気持ちがおさえきれなかったため、一部食べかけなことをお許し下さい
コンビニに感じる「スーパーよりも割高な印象」をさらっと翻されてしまう安値っぷりもさることながら、どれもだいたいうまい。
雑な感想だが、商品の量が多すぎてしまい、ひとつひとつを言及すると長くなりすぎるので、泣く泣く割愛している次第だ。
ふつうのサイズ感のパスタは100円台で買えてしまう!
値段的には、麺類とおにぎりとパンがフェアな世界がここには存在しているのだ。500円出せば、あきらかに大盛りすぎるパスタも買える。
このでかさ、写真でどこまで伝わるだろうか
この前、ラパウザでお腹が満たしきれずに二皿注文したけど、これだったら一皿ですむわ
たまごサンドも、前のめりな大盤振る舞いっぷりを展開している。
見た瞬間から、大容量にうちのめされる
暴力的なまでに漏れ出しているが、口に入れるとひたすら優しい
ついでに言うと。一部店舗にある「世界で2番目においしい焼きたてメロンパンアイス」のアイスも、大盤振る舞いすぎる……!
アイス、3スクープ入れてた。店員さんが3スクープ目を入れてる時、思わず「えっ」と声を漏らしてしまった ※編集部注:アイスのすくう単位をスクープといいます。
食べてないのに、目だけで「おなかいっぱい」を感じるビジュアル
このお店自体は渋谷にもある全国チェーンなのだが、うちいくつかはセーブオンにぴたっと併設されているのだ。なぜセーブオンに?と思っていたが、大盤振る舞いっぷりが共鳴しあったせいなのだろうか。
さて、まだまだつづきます。
スーパーにあってコンビニにはないものはなんだろうか?と考えた時に「値引きシールだ!」と感じる人も多いのではないだろうか。わたしもその一人だ。
だが、セーブオンはその概念をひょうひょうと突破しようとする。
燦々とかがやいてる
コンビニ界で時折見かける「コラボ」現象は、セーブオンにも起こっている。現在は、牛丼チェーン「すき家」と絶賛コラボ中だ。いつのまにこんなことに。
「おにぎりあたためますか?」って聞かれて、「はい!」って言ったら、ビニールの端にちょっとはさみを入れつつ、ていねいにあっためてくれた
高菜明太マヨが入ったやつもあった。高菜明太マヨ、牛丼の具と合う
辛子明太子おにぎりはしれっと、かねふくの明太子が使われている
また、過去には
「群馬の高校生と一緒におにぎりを開発」、
「ナポリタンを食べ歩いたブロガー監修のナポリタン」、
「高崎キングオブパスタ1位のお店監修のパスタ」など、詳細見たさでたまらなくなるようなコラボを展開している。
まだ時間はある。ローソンになるぎりぎり直前まで、なんらかの新しい風を吹かせてくれないだろうか。
セーブオンにも、セルフサービス式のカフェオレマシーンが置かれているのだが、とにかくまず、機械のディテールが最高な旨をお伝えしたい。
ちなみに、伊勢崎駅前店のは「ミカド珈琲」の豆を利用しているんだそうだ
開けると、機械に人間の手がうつる。筋ばってる!血管も見える!
扉を開けるたびに、いちいち手がしっかり写るので、しばらく開けていたい気持ちになる
味はわりとライトなので、濃いめが苦手な人におすすめかもしれない
ごくごく一部だが、「からあげ 縁 - YUKARI -」というチェーン店が併設されている店舗がある。川越駅すぐ近くの「川越脇田本町店」と、伊勢崎の旧市街にある「伊勢崎緑町店」だ。
ここは川越脇田本町店。お店の中、カフェかと思うくらい広い
ぱっと見でからあげの種類が多すぎることを察知、とても悩む
からあげ弁当を注文したら、好きなからあげを3つ選んでいいと言われた。3つも!揚げたてを望むならば9分待ってくださいとも言われた。ええ、待ちますとも。
この大きさ、どこまで伝わるだろうか
見た目ですでにぷるぷるっとしている
あご、かなり必死に開いています。これはうまい!
こんなコンビニが会社の近くにあったら、店員さんに頼むメニューを暗記されそうな勢いで常連になってしまう。
さいごに、ネット上でにわかに論議されていた、群馬名物「焼きまんじゅう」を売っている店舗についても言いたい。
つい最近、「そんな店舗、行ったことも見たこともなかったぞ!」と、高速でググったばかりだ。
埼玉と群馬の県境にほど近い本庄沼和田店。お店が見えないくらいに広大な駐車場
おお、ほんとうにあった!
じつは6店舗しかあつかっていないらしい
焼きまんじゅうは、伊勢崎市にある老舗「忠治茶屋」の焼きまんじゅうが出張しているかたちだ(「忠治茶屋」さん、乙幡さんの
この記事の3ページ目に載ってます)
焼きまんじゅうをコンビニで買える。ぜんぜん想像してなかった21世紀だ
でも、もしなくなってしまったら……、「セーブオン(そのうちローソン)伊勢崎下蓮店」に行くことをおすすめしときたい。
なぜかというとな、すぐ近くに「忠治茶屋」の本店があるから!
ちなみに伊勢崎下蓮店は、わたしの実家の最寄りのコンビニでもある。最寄りといっても、徒歩では30分以上かかるという、地方の感覚としての「最寄り」だ。
「コンビニ焼きまんじゅう」がなくなったら悲しいけど、なくなった時のために先走ってお伝えしときます……!
クビになった過去はもうどうでもいいけど
高校時代にセーブオンで4ヶ月働いていた。とにかくひとけのない店舗で、4時間で来るお客さんの数はほぼ一桁台。当時、サーティーワンみたいなすくうタイプのアイスが店頭にあったが、すくったのはおそらく1回か2回。腹痛で休んだら、あっさりクビになった。ひとけのない店舗を改革したかった偉い人の逆鱗に触れたらしい。
だから、どちらかといえば理不尽な思い出しかない。なのに今、まるでステマなんじゃないかというくらいに推しの記事を書いている自分がいる。だからもう、そんなには気にしてないのだろう。
でも。わたしをクビにした偉い人よ。もし今も働いていて更に偉い人になってるなら、この文化のいくつかはどうにか残してくれないですかねー、どうにか何卒!とは細々思っている。どうぞよろしくお願いいたします……!
本編に入れそびれちゃったんですが、揚げもちもうまい!