特集 2015年6月14日

「Wi-Fi」という漢字を考えてもらいました~「野良漢字」最終回

いかついのがきました。
「創作漢字」ほどトンチが利いてなくて野暮ったい、イメージの泥沼からそのまま生えてきちゃった蓮の花のような「野良漢字」。

第三回のお題は「Wi-Fi」でした。外国人観光客がみてもひと目で分かるような。逆にわかんないようなやつでも。つまりどっちでもいいんだけど、クリエイティブの情動がほとばしる作品をお送りいただきました。

なんか、イカツイのがいっぱいきました。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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課題部門「Wi-Fi」

燎作 「Wi-Fi」
これ、ぱっと見で意味がわかった人すごいと思います。ぼくはわからなかった。
「y(ワイ)とφ(ファイ)の組み合わせです 」とのことですが、それでも意味がちょっとわからなかったのですが、あー、ってなりません? ぼくはなりました。
TOMO作 「Wi-Fi」
英語だじゃれ! ワイフ、愛。わいふぁい! これ、黙読で何回か復唱してみてください。声に出して言いたくなると思います。ワイフ、アイ。ワイファイ。
どーなつ作「Wi-Fi」
ワ・イ・フ・ァ・イ、Wi-Fi! 作者曰く、下の口はルーターだそうです。なんか、僧侶っぽいですよね。
kenz作「Wi-Fi」
作者曰く「本来の規格である、IEEE 802.11をそのまま漢字にしてみました」たしかにIEEE、802だ。11は多分二と兼ねてるんですよね。しかし、「Wi-Fi」の規格名はじめて知りました。

この漢字は関先生に清書してもらいました。
風格が出た
IとかEとか、アルファベットなんだけど、漢字と相性がいいことがわかる。
ぐでぴよ作「Wi-Fi」
作者曰く「電波が強そうなイメージにしたのですが、ずっと見てると強そうな変な虫にも見えてきてゾッとしてきます」だそうですが、いったん虫って言われると、もう虫にしか見えなくなってきてしまった。

送られきた画像の毛筆体のインパクトも強い。これ、Wi-Fiじゃなくて、ダイオウグソクムシでしょ。ぜったい。
2段目の時点ですでにダイオウグソクムシの片鱗が……
イカツイの、まだまだ続きます。
じみへん作「Wi-Fi」
Wi-FiルーターからiPadに電波が及んでる。及の部分、もともと電波のイガイガだったけど、偶然にも意味がすっぽりハマってなんだかすごい。
電波のイガイガが及に
電波のイガイガが及に
空間を実態の無い(无)電波が至る。Wi-Fi。理屈でせめてきた。しかし、无って字をみると『3×3 EYES』を思い出してしまうのです。おっさんなんです。
ブルーザー横浜作「Wi-Fi」
イカツイのが続いたので、最後はあっさりした野良漢字でシメます。
ルーターと電波。もう、あっさり通り越してなんかかわいい。カワウソ的なかわいさがある。飼いたい。

自由部門

さて、自由部門はこの漢字を紹介したいと思います。
弟子リットル作「オムレツ」
弟子リットル作「オムライス」
オムレツとオムライス。オムでオムレツなんですね。で米が入るとオムライス。
しかし、オムライスのバランスの悪さ。逆にほほえましいな。と思いました。そこに米入れるかー、みたいな。

せっかくなので、こちらも関先生に清書してもらいました。
オムレツ
オムライス
やっぱり、毛筆で書くと、オムレツもオムライスもバランスが整いますね。

素晴らしい。

野良漢字、ひとまず最終回です!

さて、皆様にご愛顧頂きました野良漢字。今回でひとまず最終回です。

他人の考えてること、他人のイメージ、他人の頭のなかは、カオス。としか言いようがない。と改めて実感しました。

ふつう、言葉を喋ったり、文章を書いたり、絵を書いたり、踊ったり、歌ったり、何かしらを表現する場合、じゅうぶん意味が通じる状態にして表に出るものがほとんどです。しかし、この野良漢字では、脳みその中からそのまま出てきちゃいました、みたいな作品がたくさんみられて、たいへん眼福でございました。

しばらくたって、ほとぼりがさめたころにまた復活させたいと思います。よろしくお願いいたします。
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