誰も見てなきゃ尻尾まで食べちゃう人はきっと多いはず。
あちらを立てればこちらが立たない。諦めるほかないと思われたところで、過去に当サイトで掲載された
こんな記事が目に留まった。
これ読んだ時さ、オイラ閃いちゃったよね。これだ!って。しっかり揚がった尻尾が食べたけりゃ尻尾だけ揚げちゃえばいいわけよ。わかる?
テナガエビを捕まえに行くが数が足りず…
結局スーパーで無頭エビを買い足すことに
というわけで、さっそく尻尾オンリーのエビフライを作ろうと川へテナガエビを採りに行く。が、数日前の雨で増水しており、思うように数が集まらない。仕方ないのでスーパーで海産エビを購入した。まあ、普通エビフライって海のエビで作るし、こっちの方が正しい選択な気もする。
エビの尻尾、各部の名称
エビフライで残されがちな「尻尾」だが、よく見ると複数のパーツで構成されている。「尾節」と、それに付属する「尾肢」からなる「尾扇」が身の詰まった可食部である「腹節」に繋がっているのだ。
末端の尾節にも少々身は入っているが、エビフライを食べる際にはここから先を切り捨てる人が多い(と僕は勝手に思っている)ので、今回はここから後方を「尻尾」とみなして回収、調理する。
生ゴミじゃないぞ。食材だぞ。
エビのおいしい身が詰まっている部分は、カニで言うとお腹に小さく張り付いた「フンドシ」。
ちなみにエビのメイン可食部である腹節はカニで言うところの「フンドシ」である。もちろん、カニのフンドシは基本的に食べられない。
一方でカニの可食部であるツメや脚は、オマールロブスターなどの例外を除くとエビの場合ほとんど重要視されない。そう考えるとちょっと面白い。
バラけないよう串に刺して揚げる。
尻尾だけ揚げると言っても、ひとつひとつバラバラに揚げていたのでは見た目が貧相だし、食べごたえも無い。まとめて串に刺して衣をまぶし、揚げていこう。
エビフライfeat.尻尾
クリスピーな食感を目指し、徹底的に揚げる。普通のエビフライでやったら絶対怒られるが、今回に限ってはこれが正解。
味はもちろん美味。カリッカリに揚がった尻尾はとても香ばしく、軽く塩を振ればビールのアテにもってこい。今後、エビフライを作る時は尻尾と本体とで別々に揚げようかな。
さて、物はついでだ。もう一品、尻尾だけの揚げ物を作ってみよう。かき揚げである。
エビの尻尾だけかき揚げ
かき揚げにはより小さなエビの尻尾を使用した。食感と香りの良さはもちろんだが末端の腹節を一つ残したのが功を奏し、エビの味わいもしっかり感じられる。尻尾の柔らかい小型のエビを使ったので、短い上げ時間でもカリッと仕上がってくれた。
一匹で二度おいしい
口の中いっぱいにエビの尻尾だけを頬張るのはなかなか新感覚な体験だった。
そして、何が嬉しいかと言えば、まだ冷蔵庫にはたっぷり身が詰まったエビの本体が残されていることだ。尾無しのエビフライにするもよし、エビチリにするもよし。
まさに一粒で二度おいしい…なんて言うとさすがにちょっと貧乏くさいだろうか?
でもエビフライって尻尾無い方が食べやすくはあるよね。