意外と小さい! ポムリエ本体
こちらが「ポムリエ」本体。amazonで3690円。
届いたポムリエを見て驚いた。想定外に小さい。お菓子の「おっとっと」の箱ぐらいしかない。
はんこが自作できることは嬉しいが、それ以上にこの小さな機械で自作できる過程の方にまず興味がある。
本当にできるのだろうか。
専用はんこシート。1円玉ぐらいの大きさ。
これが付属でついてきた最小のはんこシートだ。ポムリエはこれを製版して、はんこにするらしい。
まずは妥当に飼い猫のはんこでも作ってみよう。
叫んでいる黒猫の姿を……
モノクロ2階調にして専用ドライバで読み込み……
製版!! 「チュイイイィィ……ルイイィィ……」
版ができた!!
製版にかかる時間は約1分ほど。黒猫の部分がモコッと膨らんでいる。レーザーとか紫外線とかを当てるとモコモコする的な仕組みのだろうか。
さて、続きの作業を行おう。
完成! オリジナル黒猫はんこ!
シートを付属の台木に貼り付けて……
付属のインクを染み込ませ……
うおお! できた! わが家の黒猫はんこ、できたニャー!
すごい! わが家の黒猫が、あっという間にはんこになった。所要時間30分程度である。
付属のドライバはいろいろと効果をつけられるのだが、調節しているうちに、偶然にも「困り眉」みたいな絵柄になって本当に超かわいい。
これは面白い。
どんどん追加注文して作成していこう。
追加のはんこキット、大量購入!
はんこ好き男子の血が騒ぐ。作るぜ、マイはんこ!
というわけで鼻息荒く追加のはんこキットを大量に注文した。やばい、これで作り放題だ、何でもはんこにできる、めちゃくちゃ興奮する。
※僕はかなりのはんこ好き男子です。過去記事↓
『
あのハンコはまだあった』
『
QRコードを篆刻する』
大きさはこんな感じ。黒猫はんこの4倍サイズ。
はんこキットは一つ800円ぐらい。
クラフト感あふれる配色も素敵だし、専用キャップもついていて、マイアイテム感をぐっと高めてくれる。
手始めにこんなの作ってみた。
横長のはんこに、文字+オリジナルイラスト。
ふせんに一押しして、仕事の書類回しに!
以前から仕事用に業者へ発注しようと思っていたのだが、ポムリエなら目の前で即座に完成である。ポゥ!
このはんこ一つで書類の依頼が何と感じ良くなることだろうか。これで僕も出世間違いなしだ。
すごい! ポムリエ最高だぜ!
(注:これはカシオさんとのコラボ企画ではありません)
さて本題はこれからだ。
作りたい、「生きている化石」の評価はんこ。
実のところ僕の本業は理科教員であり、出世なぞにはまるで興味が無い。
というわけで自分が最高にかっこいいと思うもののはんこを作ってみたい。それは「生きている化石」だ。
あれですね、シーラカンスやカブトガニです。
何億年も姿を変えずに現生しているなんて、何度思い返しても生物として最高にかっこいい。かっこよすぎる。
今日はその中から厳選して、教員に必須のアイテム「5段階評価はんこ」を作る。
まずは「ヤツメウナギ」(原始魚類)
ヤツメウナギ(無がく類):約5億年前に誕生。
最も原始的な魚類である「無がく類」には何とアゴが無い。物を噛めないのだ。
昔の中国の刑罰で、「歯を全部抜き、ものが食べられなくなって衰弱して死ぬ」というのがあると聞いたが、同じようにこいつらは何も噛むことができない。
だが、かわりに口に「おろしがね」を装備している。
シャッキーン!怖い!
これで他の動物に喰らいつき、血肉を削ぎ取って生きているのだ。キモい!すごい!
こんな個性的な進化をして5億年も生き延びている彼らは充分にすごいが、やはり動物として原始的すぎる。
そこで評価コメントはこうした。
「もっと進化できます。」
さあ、こんな感じでどんどん彼らのすごさを語りつつ、ポムリエならではのスゴ技も紹介していこうかと思う。
ポムリエなら多色はんこを押せる!
シャチハタにもゴム印にもできず、ポムリエだけでできること。それは多色はんこの作成ではないだろうか。
中央の漢字は旧字体の「蛙」。(ちょっと中二病)
ポムリエは印面にインクを染み込ませて押す浸透印なので、インクの乗せ方を工夫すれば、かなり自由に多色はんこを作れるのだ。
各色混ざらないように、注意して乗せる。
というわけでこの先の評価はんこも、文字は黒、絵柄はカラフルの2色印で作っていきたい。
つづいて「シーラカンス」(両生類と魚類の中間)
シーラカンス(肉鰭類):約4億年前に誕生し、深海へ
シーラカンスのことはみんな知っているだろう。「生きている化石」という単語の語源ともなった生物だ。
腕のヒレの中間形態、「肉鰭(にくき)」が最高にカッコいい。ふつうに生物としても大好きだ。
自慢の一品、シーラカンス柄のネクタイ
発見の過程もすごい。
なんせ、化石でしか知られていなかった絶滅種の魚を、漁師がぴちぴちと獲ってきたのである。「ふゎ!化石が生きている!」と思わず口走ったことだろう。
深海で4億年も生き延びた祖先に敬意を表しつつ、こんなコメントをつけたい。
「進化しつつあります。」 深海の色、青で押したい。
さらに「ムカシトカゲ」(原始は虫類)
ムカシトカゲ(喙頭目):約3億年前に誕生し今に至る
ムカシトカゲはめちゃくちゃ原始的なは虫類だ。
どれぐらい原始的かというと、鳥類・恐竜・ヘビ・ワニ・カメ、全ての祖先種の生き残りである。子孫広がり過ぎだ。
しかし今は1属1種のみがニュージーランドの片隅で、世界を見守るように孤高に生き続けている。
お疲れ様、ムカシトカゲ。
そして「カモノハシ」
カモノハシ(単孔類):1億5000万年前で進化を中断。
これは有名なカモノハシ。
爪に毒を持ち、卵を産んで子を育てる。ほ乳類として意味不明だ。神様がうっかりして絶滅させるのを忘れたとしか思えない。発見の報告をしばらく誰も信じなかったというのもわかる。
何度思い返しても珍奇、まさに珍奇な動物だ。
同じく単孔類である、ハリモグラのぬいぐるみ。限定品。
最後は「ゾウ」(巨大哺乳類)
そして生きている化石のフィナーレを飾るのは何か。
それはゾウである。
「何でゾウ?」と思うかもしれない。しかしゾウがまだ生きていることの方が奇跡的なのである。
昔はもっと変な巨大哺乳類がいたらしい。(『新版 絶滅哺乳類図鑑』より)
大きな進化の流れとしては、巨大哺乳類の繁栄期はすでに終わっており、ゾウが2種類のみ生き延びているのはその名残と言える。
あわれ進化の絶頂に達した哺乳類、その姿はいま地球から去りつつあるのだ。夕陽射すアフリカの平原に歩み去るゾウをイメージしながら、最後のはんこを見てほしい。
ありがとう哺乳類、すばらしい進化でした。
ポムリエ、楽しすぎる!
あまりに好きすぎる物で作ったので、何の記事かわからなくなってしまったが、趣旨はポムリエが超楽しいということである。細かい線の描画が少し苦手だが、版づくりに慣れれば、かなり自由にはんこを作れる。
ずっとずっと使って行きたいので、もっとみんな買って、時代の波に流されないようにしてあげてほしい。
せっかく絵を描いたので、ダウンロード用データも用意しました。好きなことに使ってください。(
ダウンロード)