facebookページやメールなどでセールのお知らせがある
毎週セールがある
1,990円の飛行機とは格安航空会社Jetstar社のキャンペーン(※)のこと。金曜午後からタイムセールのように発売される。
安いなあ。とはいってもとれなかったりするのだろう……と思ってクリックしていくと、あっさりとれてしまった。
平日午後18時30分発の便だったこともあるだろう。ああ、定職についてない者は人生のライバルがすくない。
※現在1,990円はやってなかったので時期によるようだ
居酒屋の突き出しみたいなもののせいで2,840円になる
注文したら2,840円になっていた
席の予約のあと、あずける荷物など別料金がかかるものの選択がある。ここはすべて項目を外していき、そして予約が確定。2,840円。くわっ!
よく見れば税金や手数料がかかっている。飛行機に居酒屋の突き出しみたいな制度があるのだ。
たとえばクレジットカード支払い手数料はJetstar社のカードなら無料だ。だがそのカードは日本からは申し込めないらしい。指をくわえて手数料が引き落とされるさまを見ているしかない。
しかし格安航空会社とは一般的にこういうものらしい。海外では手数料2,000円とるところもあるとか。
この納得のいかなさ、これが世界基準か。
対して長距離バスは2,500円のがとれた
帰りのバスは2,500円だった
帰りは長距離バスに乗り比較することにした。
検索したら名古屋17時30分発の2,500円のものがとれた。夜行バスじゃなくて時間帯も同じくらいでくらべやすい。
飛行機にくらべてなんとあっさりした描写だろうか。これが日本基準、ストレスがなくて書くこともない。
1,990円飛行機(左)
vs
2,500円バス(右)
新宿~名古屋間をくらべよう
左の写真が飛行機、右がバスである。
これから新宿駅→飛行機→名古屋駅までと、名古屋駅→バス→新宿駅
を比べる。方向は逆だが、バスはどこ行きでもやることは同じだ(2時間ごとにSAに寄るくらい)。
バスは発車時間の15分前に到着した。若者が多い。
うしろの兄ちゃんがめちゃめちゃイカツかったが「シートほんのちょっとだけ(※)倒していいですか?」と聞いてみると「どうぞどうぞ」と快い対応をしてくれた。
するとこちらもいいところを見せたくなり、想定の半分くらいだけ倒した。人をみて倒すシートの角度を決める、これが人間の器というものだろう。
ということでその後このバスには人にこびた角度で倒れたシートが一つだけあった。
※ビビっている
バスにはモニターやコンセントがあった。ひざの前にはこぶし2つ分くらいの間隔だが、通路側なので足をのばすスペースはあった。
ちょっといいバスだった
バスはキャンペーン価格で安くなっていたものなのでいい席だった。ひざの前にはこぶし2つ分程度あり、スペースも余裕があるほうだ。
コンセントもモニターも一人に一つずつあり、ゲームや映画やテレビが楽しめる。国際線の飛行機みたいだ。飛行機を超えたバス、ここでまた逆転現象が起きている。
隣の兄ちゃんは乗車してすぐに『グーニーズ』を観ていた。最新の映画にまじってなぜグーニーズがあるのだ。
空港が成田だ
2時間後、やっと空港に入るといきなりのセキュリティチェック。そう、この空港は遠いほうの空港、成田空港なのだ。
成田は新宿から特急で1時間20分くらいで料金は2~3,000円。それだと高いので普通列車で行った。2時間ちょっとで1,300円。
1,990円の飛行機が今4,140円になった。
なるほど、こういうことかというのが少しずつわかりはじめる。電車内のばあちゃんグループが筑波の祭りの話をずっとしていた。ここはもう文化圏がちがう。
成田空港はけっこう歩く
成田空港はかなり広い。こんなに歩くのかと思うほど歩く。搭乗1時間前に着いていてよかった。
だが国際空港を歩くのはけっこうおもしろい。外国人旅行者用パンフレットや海外向け土産などを見て雰囲気だけ味わえる。
外国人旅行者用東京ガイド。国際空港のたのしさみたいなものはある
離陸時に思う安さ
飛行機がちかづいてくると「小さいね」という声がきこえてくる。みんなどこかで安さと折り合いをつけて各々納得しているにちがいない。
信用していないわけではないが、機内では安全のしおりをしっかり読みこんだ。
外国人旅行者が2~3割。成田空港だからそのまま移動できていいのだろう。
こぶし1つ分くらい。狭いが1時間乗らないのでストレスではない
飛行機自体は1時間未満
飛行機の上昇が終わったと思ったらあわただしく機内販売がはじまった。
フライト自体は1時間弱である。このあとすぐに着陸体勢に入るため、温かい飲み物と食べ物は注文できないそうだ。ビールを頼むお客さんがちらほらいる。
ビールといえばバス側のサービスエリアにお酒は売ってないのでこれは飛行機側のメリットだろう。
キャビンクルーのおすすめ、カレーヌードルと味ごのみ……なんだろうこの組み合わせは。だが温かいものは頼めなかった。
家で再現した。これをキャビンアテンダントがすすめているのか。
飛行機自体は1時間未満
機内販売にはセット販売があってキャビンクルーのおすすめセットなるものがある。カップヌードルカレーには……おにぎりがなかったのか、味ごのみである。
この圧倒的な親近感はなんだ。「昼は好きにくっとけ」と500円わたされた中2男子のようなチョイスである。
あまりにも気になったので家でためしてみた。味の濃いカレーヌードルと塩気のつよい味ごのみ……うん、好きなもの二つといった感じでみごとにばらばらだ。
もしかしてこうかな。キャビンクルーなら入れるのかな。
ちがうな
常滑名物の招き猫。成田空港につづき国際空港のセントレア着
東京~名古屋の格安飛行機は国際空港だった
成田を出た飛行機はセントレアへ。そう、こちらも同じく国際空港。名古屋から特急で30分とこれまた遠い。
普通で行く手もあったが、特急料金が350円と安かったのと目の前にきていたので乗ってしまった。(あと疲れていてさすがに早く着きたかった!)
名古屋までは350円プラスして特急乗ってしまおう、1200円、30分弱で着く
飛行機側着。ほとんど電車だった。
1,990円の飛行機は新宿出発から5時間後名古屋駅に着。特急使えばもっと早いだろうが4時間はかかる。
ぶへ~。やっと着いた。そんな思いでいっぱいだった。
バスもようやく新宿駅着。飽きた~(5時間30分後)
バスは30分遅れで新宿着
飛行機から遅れること30分、バスも到着した。新宿駅11時。モニターがあったり休憩所もよって楽しかったが、やはり疲れは感じる。
あたりはこれから夜行バスに乗ろうとする若者が地べたに座って列をなしていた。なんだかすごい光景だ。
脳内BGMが流れる。ニッポンの未来はWowWow、WowWowだという。
全体的にはこういうことだった。1,990円はいったいどこにいったのだろう。
新幹線、飛行機、バスの順
のぞみ 10,070円 2時間10分程度 疲れ★
新宿(0:00)→品川(0:30)→名古屋(2:04)
ぷらっとこだま 8,900円 3時間30分程度
新宿(0:00)→品川(0:30)→名古屋(3:19) 疲れ★★
格安航空会社 5,340円 5時間 疲れ★★★
新宿(0:00)→成田空港(2:00)→セントレア(4:25)→名古屋駅(5:00) ※けっこう歩く
高速ツアーバス 2,500円 5時間30分 疲れ★★★
新宿(0:00)→休憩(2:00)→休憩(4:00)→名古屋駅(5:30) ※動けないストレスがある
全体をまとめるとこんな感じだろう。
1,990円の飛行機は思ったより時間もかかるし高かった。だがちょこちょこ移動して空港をぶらぶらできるのはちょっと楽しい。
一方の長距離バスは動けないストレスがあるのだが、プライベートモニターがいいはたらきをしてわりと飽きずに過ごせた。バスはバスで進化している。
長距離をじっとしている疲れはどちらにもあるので疲れ具合は同じ。両日ともに夜は思いっきり寝た。
もちろん値段をかんがえると圧倒的にバスなんだけど、バスはバスで乗務員がひとりだったりで不安もある。
安いのはもちろんバス会社や飛行機会社が頑張ってるからだ。そしてあんまり頑張ってないのもある。だけど頑張ってない方は頑張ってないからこその安心がある。
それにくらべてこの自分のえらそうさよ。
高い!とか不安だ!とか言ってないで(……今日も乗せさせていただきます)と謙虚な気持ちでいることにしよう。
グラウンドを前にした高校球児のように、今日から飛行機に乗る前には一礼することにします。
名古屋のとんかつ屋のオリジナルTシャツの色、ロゼ。ピンクでいいだろう、ピンクで。