焼きそばソースの素があまってた
以前、といってもかなり前になるのだけど、
ソースラーメンを家で作ったことがあった。その際、焼きそばソースの素が余った。
このての貼付ソースというものは何かのはずみで残ってしまうとなかなか消費出来ないことが多い。
なかなか消費できない「はぐれ添付ソース」
先日、食パンをトーストしたときにトッピングするものがなく、仕方なく冷蔵庫にしまってあった焼きそばの粉をふりかけて食べてみたところ、これがおどろくべきことに、あの国民的駄菓子・うまい棒そっくりの味になったのだ。
いったい何味のうまい棒なのか?
いやしかし待ってほしい。
今、漫然と「うまい棒そっくり」といった。しかし、うまい棒の味は星の数ほどある。
ランチパックかうまい棒というほど味のバリエーションが多い
「焼きそばソースの素トースト」はいったい何味に近かったのか。これは皆様におすすめする前にしっかりと調べなければならないだろう。
あの味をもう一度再現し、何味に近かったのか。やらなくてもいい検証をしてみたい。
再現してみる
まずは焼きそばソースの素トーストを再現しなければならない。
レシピは簡単だ。
食パンをトーストしてマーガリンかバターを塗ったあと、焼きそばソースの素をふりかけるだけである。
1~2分程度でいいんじゃないでしょうか
マーガリンを塗る
焼きそばソースの素を……
ためらいなくかける!
かける量は目分量
ここで気をつけたいのは、一袋まるごとかけてしまうと、塩辛くなってしまうので、控えめに、加減してかけることが重要だ。
匂いは焼きそばソース
匂いは……まごうことなき、焼きそばソースの匂いである。
しかし、ここであることに気づく、ソースの向こう側から微かに太田胃散っぽい匂いが顔をチラチラみせるのだ。
焼きそばソースの素の向こう側に太田胃散が隠れている。なかなか姿をみせないが、精神を集中させるとおぼろげながらそのシルエットが……。
おそらくスパイスの匂いだろう、さもありなんである。
パカッ! と脳が開いた感じ。を表現
適度な甘みと辛さ、そしてスパイシーな風味。味と風味は「うまい棒」と言っても過言ではない。
ただ、食感が本物のうまい棒にくらべると重い。しっかりとした歯ごたえがあるのだ。サクッではなく、シトっとした食感がある。
一体どの味なのか?
うまい棒を買ってきた
一体、どの味のうまい棒に近いのか?
匂いが近そうなものをかぎくらべてみた。まずはやさいサラダ味から見てみたい。
やさいサラダ味
あ、そこそこ近いのでは?
表情で察していただければと思うが、いきなり正解っぽいのが出た。
ただ、ソースの匂いよりコーンの香りがちょっと強い。味もソースというよりもサラダバーのドレッシングといった感じかも知れない。
オニオンサラダ味
アンニュイな雰囲気を表現
んー。なんか違うというか、あまり匂いがしない。食べてみると、玉ねぎの香りが口の中に広がるが、焼きそばソースの素の味では、ない。
ぼくの「焼きそばソースの素をトーストにかけるとうまい棒」というのは幻だったのだろうか……そんななか、いちばんの本命。とんかつソース味にとりかかる。
とんかつソース味
焼きそばソースととんかつソース。同じソースであれば、この味がいちばん近いのではないだろうか?
恐る々々匂いをかいでみる。
これだ! という感情を表現。
これだ! と思わずうまい棒を鼻先に突き当てて深呼吸してしまうぐらいそっくりだ!
あ、そっくりというと語弊があるかもしれない。かなり似ているぐらいにしておこう。でも似てる。 ぼくが「焼きそばソースの素トースト」で感じたうまい棒はこれだった。
今、ここまで読み進めてくださった皆様の「だからなんだ」という気持ち。伝わってます! ビンビン伝わってきております。
筒状のトーストをつくってうまい棒もどきを作る
うまい棒とんかつソース味に近いということがわかった焼きそばソースの素トースト。
できれば形もうまい棒に近づけたい。
試行錯誤を経て食パンを筒状にした
しかし、結果から言うと、食パンとはなかなか筒状にならない。
パンの耳を切ってクルッと回して、ランチパックの端っこみたいにぎゅっと押し付ければ筒状になるんじゃねーの? と思ったけれど、これがなかなか難しい。
まず、驚いたのは食パンに紙のような筋目があるということだ。食パンには耳だけではなく目もあったのだ。
巻く方向と筋目を合わせないと、巻いてるそばからパンがボロボロと裂けていく。
しかたがないので、最初に全体的にパンを押しつぶし、パン生地を圧縮させて強度を上げてからくるりと筒状に巻く。
そして出来たのがこちらだ。
かるくトーストしました
うまそうじゃない
マーガリンを塗り、焼きそばソースの素をかけてみたけれど、獅子丸のちくわみたいなことになってしまっている。
本物の小奇麗さよ
試行錯誤して一生懸命作った食パンのうまい棒は、苦労の割にみずぼらしい。本物のうまい棒とくらべてみたが、本物の本物たる品質の高さを改めて目の当たりにした。
「手作り感」とか「素朴な風合い」とかいうけれど、やはり工業製品のピシっとした美しさはすばらしい。
食べようと持ち上げると、折れた
食べ比べると、味は似ている。似ているけれど、最初にトーストで作った焼きそばソースの素トーストよりも、食パンを押しつぶしている分、食感の重さが増した。腹にたまりそうな食べごたえだ。
10円の駄菓子を再現する必要性があったのか
最後に、撮影を手伝ってくれた妻から「10円の駄菓子を、数百円かけて再現するのはどうか?」 という旨の感想をもらった。
つい、味が似ているということを発見したうれしさの余り、そのあたりの視点が欠落していた。
ちなみに「焼きそばソースの素トースト」を食べた妻の感想は「しょっぱー」のみであった。
なんか悔しいのでクックパッドにレシピ載せました。→「
トーストと焼きそばソースの素でカンタンうまい棒」