武将ヒゲの傾向と対策
まずは対象の傾向を探るのが大事である。そんな時にやっぱり便利なインターネット。武将の名前を入れて画像検索すると武将達の肖像画が表示される。20年前なら間違いなく魔法である。
表示された肖像画を元に髭の傾向を調べてみた。
まずは織田信長。スイっと左右に伸びた口ヒゲと、ツンと下に伸びる顎ヒゲが特徴だ。
以降、顔は全て信長です
全部顔を描くと大変なので以降は信長の顔に各武将のヒゲを書き加えた。
ヒゲの形は肖像画を元にしたが、武将ファンの方は色々言いたいこともあるだろう。もし間違っていても、歴史に正解は無いって事でご容赦願いたい。
太閤さまのヒゲは、口はちょぼちょぼ、顎ヒゲが長いらしい。
古田織部は男爵っぽいヒョロリとした口ヒゲ。不動産とか売ってそうだ。
家康のヒゲは秀吉と似た感じとしたが、やや控えめ。ご隠居っぽい。
信長系の口ヒゲで、もみ上げがズドンと長いのが特徴。DJにこんな人いそう。
加藤清正は信長、秀吉系の口ヒゲと顎ヒゲである。多分。『へうげもの』のアニメを観たら加藤清正の声を具志堅用高が演じてて、すごい棒読みでたまげた。
上杉謙信の髭は現代でもよく見るかも。こんなちょい悪オヤジいるよね。
山小屋の主人みたいな柴田勝家。
武田信玄はなぜか顎の部分がモッサリしているらしい。
聖徳太子っぽい直江兼嗣。
ちなみに聖徳太子の髭はこんな感じだったらしい。
大体パターンがある
戦国武将と言っても人数が多いので全ては調べていないが、口ヒゲと顎ヒゲが5,6パターン。蒲生氏郷と柴田勝家はもみ上げがモッサリしている様だ。
武将ヒゲのパターンは大体こんなもんですかね。
傾向は判った。次はこれらを具現化して、ヒゲだけでも武将に近づきたい。次のページでは如何にして楽にヒゲを作るかを模索します。
不器用な人間への福音。
フエルトで作る
さて、どうやってヒゲを作るかと思い悩むこと3日。髪の毛を切って何かに植毛する?黒猫の毛を刈って作る?毛糸?などなど色々考えたが、手間が掛かりすぎていくつも作るのが大変そうだ。
いくつか作りたいので出来れば簡単にいきたい。といって紙で作るのはいかにもみすぼらしい。そこで、加工が簡単そうなフエルトに目を着けたのにゃ。
型紙を作ってテストしてからフエルトを切る。
いきなりフエルトを切ると絶対に失敗するので、まず型紙を作って自分の顔にセット、具合を見てからチャコペンでフエルトに写して切った。チャコペン使うの何十年ぶりだろう。
このエンピツなんだっけ、ってGoogle検索して「チャコペン」と判明。
出来た。それなりにヒゲっぽい。
こんな感じでいくつも作った訳ですよ。
工作したら外で撮影するに限る。という事で、東京の城に行ってきたでござる。初めて行ったけど、いい所でした。
詳しくは次のページで。
九段下から田安門を通って入城。
江戸城の跡地に行くのだ
武将ヒゲの撮影をするのならば、やっぱり旧江戸城であろう。天守閣は無いがきっと江戸時代気分を味わえるはずである。
武道館とか千鳥が淵には何度も来たことが、城跡っぽいところに行くのは初めてなので楽しみだ。
巨大で精緻な石垣とか沢山あって楽しい。よく内燃機関とかなしでこんなの作ったもんだ。
フエルトで作った武将ヒゲは両面テープでくっつける事にした。どうやって付けるか3分ほど悩んで、他に良い案を思いつかなかったし、おそらくこれが最高のソリューションであろう。
歴史ファンのみなさんすみません、柴田です。
まず安心して欲しい。今回の武将ヒゲで一番酷いのがこれだ。柴田勝家だ。なにせフエルトはシートなので、柴田勝家の立派な武将ヒゲを再現するのは難しかった。
もみ上げから顎先まで続く剛毛の合わせ目も厳しかった。柴田勝家と羽柴秀吉との心の距離のように離れてしまう。
ちょっとでも表情を変えると剥がれてしまう。日差しが僕に汗をかかせ、それが両面テープの粘着力を奪ってしまうのだ。
でもがんばってこんな写真も撮った。
設定としてはこんな感じだろうか。
お市「殿、こっち向いて下さりませー」
勝家「ちょ、お市、やめろよー、撮りすぎだろー」
お市「萌えでございまする、萌えでござりまする!」
どうだ。なにが。
次は誰でしょーか?答えは3秒後。
森で出会った木こりの方でしょうか。
正解は、武田信玄でした!でした!ってクイズか。いつからクイズになったのか。
画像検索で「武田信玄」と入れて調べてみると、特徴は顎辺りのモサモサである。それを黒い綿で表現した作品である。
山梨の人ごめんなさい。
ここが武田信玄。自信のなさが写真を小さくさせる。
以降は安心して欲しい。ここまで酷いのはもう無い。武将ヒゲはサイズに比例して難しくなるのだ。次は最小の武将ヒゲ、古田織部である。
主に「へうげもの」の古田織部のイメージ。
「ちょ、おせんやめろよー」みたいな写真。
ちなみに古田織部は「なんでも鑑定団」でよく出てくる焼き物の織部焼を生み出した人だ。大雑把に言えば、オリーブ色とクリーム色で歪んでて変な絵が描いてある器が織部焼である(付け焼き刃の知識を開陳)。
なぜか筆を渡された。
あー、はいはい、そういう事ね。
筆武将って意味でござるな。ダジャレの上塗りでござる。
次は蒲生氏郷である。滋賀の日野に行くと蒲生氏郷の銅像があったり、氏郷饅頭という美味しい饅頭があったりする。
そんな、日野の英雄蒲生氏郷の武将ヒゲをここに再現。
これはどういう写真かというと、「ガオー氏郷」である。
立派なもみ上げは主に「へうげもの」のイメージだが、
画像検索したら実際にもみ上げが長かったらしい。
日野に建っていた銅像はもみあげが隠れていてよくわからなかった。格好良いからいいか。
リアル筆武将な氏郷公。兜が格好良い。ナマズをモチーフにしてるそうです。あとはバニーちゃんみたいな二股の兜も有名。
あと信長とか
天下人一歩手前で暗殺された織田信長。画像検索すると口ひげの大きさや顎髭の有無についてどれが正解かよくわからなかったが、こんな感じで作ってみた。
これが織田信長の武将ヒゲだ。
ドン。
顎髭はほっそりと、口ひげは威厳を持たせてみた。
ワイは世界の王になるんやー!みたいな信長(のヒゲ)。
ヒゲ以外は民間人なので警官には弱い。
大手門の前で信長(のヒゲ)。この5秒後、右に写ってる外国のオッサンにナイス!って笑われた。
江戸城と言えば徳川家康であろう。家康のヒゲは晩年と若いときとで全然違うが、三方原で武田軍に負けた際に描かせたと言われる
肖像画を元にしてみた。
天守閣があった石垣の前で家康のヒゲを付け歴史に思いを馳せる。
よく出来た石垣に関心する家康(のヒゲ)。
古田織部の武将ヒゲが便利だ
さて、各種武将ヒゲを試してきたが、正直いって大きい武将ヒゲは扱いが面倒くさい。柴田勝家とか武田信玄とか特に大変だ。
一方、古田織部の武将ヒゲは良い。付けててもそんなに違和感がない。
コーヒーを飲む織部(のヒゲ)。
織部ヒゲの良い所は、人間以外のものに付けても良い感じになる点だ。
トロピカーナが古田織部に。
踊るリスが織部(のヒゲ)。
妊婦織部。
やはり緑色に織部は合うね。
ところで、タイトルに「新聞に載らない」って入れたのは、あまりに地味な内容なので苦し紛れである。どう考えても新聞には載らないだろう、これ。ネットではこういうタイトルにすれば読んでもらえるかなと思ってやってみました。
最後に猫をどうぞ。
猫を出しておけばなんとかなるニャ。