特集 2012年11月13日

地元の人頼りの旅in千葉

ラブ注入
ガイドブックではなく地元の人の情報に頼りながら周る旅、第5弾は千葉をチョイス。

千葉県と言えば親戚の家や成田空港、ディズニー、鋸山、九十九里…いくつか行った事があるけど、そういえば「千葉駅」には降りた事が無い。

東京における東京駅の様に人が多くて栄えているのか?それとも名ばかりで実は閑散としてるのか?前情報が全く無いまま行って参ります。
東京葛飾生まれ。江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。
好きなものは犬と酸っぱいもの全般。そこらへんの人にすぐに話しかけてしまう癖がある。上野・浅草が庭。(動画インタビュー)

前の記事:手書きボウリング場で間違えてきた

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初めての千葉駅

恥ずかしながら、千葉駅がどの辺りにあるのかも知らない状態で向かった。千葉県の中でも東京からそんなに遠くない位置にある気はしているんだ。秋葉原からJR総武線に乗って45分位で着いた。
人が多いぞ。栄えてる系だ!
総武線で降りたホームからの眺めだと一瞬寂れてる系かと思ったが、駅を出てみるとなかなかの人の多さ。私の地元の駅の1000倍くらい栄えていそうだ。疑ってすみませんでした。
駅前の花屋さんに尋ねてみる。
さてさっそく目に止まった花屋さんにお薦めスポットを聞いてみる事に。お花屋さんは優しいに決まっていると踏んだがやっぱりその通り、にこやかに教えてくれた。

お薦めスポットその1:千葉公園

見所が多いのか、ポンポンと3つ候補をあげてくれた。けどそんなにすぐに浮かぶところでは無くて、できれば地元の人しか知らない穴場に行きたいのだと我儘を言ってみたが、なかなかコレというものは無いとの事。

ひとまず挙げてくれた候補の中から、今日は天気がいいから一番いいかもとお薦めしてくれた「千葉公園」に向かう事にした。
聞いたばかりなのにすぐ不安になってカメラ屋さんで方向を確認しつつ向かう
お、なにあれカッコいいぞ!
お花屋さんが教えてくれた方面に向かったのだけど、ちょっと進んだ所で迷ったのでカメラ屋さんに方角を確認して進む。

ここをまっすぐ行けば着くよと言われ向かってみると…なんかカッコいいの見えてきたぞ。
モノレールのレールだ!隣のビルも歪曲しててかっこいい。
おおー、いいもんですね
前回行った鎌倉・江ノ島の旅でもモノレールはあったけど、あっちは山の中を通る感じだったのに対してこちらは整備された綺麗な街並みの中を走っていて、近代的な印象。普段はあまり乗り物に注目しないけど、これは良い光景だなと思った。

そこから程なく、人で賑わう公園を発見。これが千葉公園?お花屋さんの話ではボートにも乗れるのどかな所と言っていたはずだけど…
辿り着いたのは千葉公園ではなく千葉中央公園だった
近くにいた人に聞いた所、ここは中央公園という所で今日は千葉市のイベントなのだと言う。そして千葉公園は全く場所が違うとのことだ。「千葉公園」と「千葉中央公園」…あのカメラ屋さん勘違いしたか…彼のお薦めだった事にしよう。

お薦めスポット2:千葉中央公園

せっかくだから何か食べよう
うん、美味しい。そして凄いまぶしい
天気が良すぎて逆光で撮るか目を細めるかの二択の状況のなか、B級グルメと紹介されていた「縄文おやき」をいただく。中には塩味がきいたアサリや山菜など、縄文時代からあったというものが入っている。まわりはほんのり甘く食感は揚げパン。過去と現在が結びつき、おやつとおかずの間を行ったり来たりする感じの味だった。
駅前にUターン。可愛らしい交番があったけど中に怖そうな若者達がいたので今回は入るのやめておいた。
線路の反対側に渡る。人が減って閑静になった。
駅前に戻りまたカメラ屋さんに確認するかという所で、これだろうという道を発見し線路の反対側へ。先程歩いた道とは違って大きな建物の無い、おとなし目の街並みだ。そこから10分程進めば千葉公園に辿り着く。
公園入口の隣にあった神社。厳島神社は千葉にもありましたか
吸い込まれるように寄り道
それにしても眩しいわー
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今度は間違いなく千葉公園。
最初のお花屋さんへの聞き込みから1時間半後、ようやく千葉公園に到着した。園内に入るとすぐに池が見え、面積も広そうだ。あまり公園に詳しくないが、吉祥寺の井の頭公園てこんな感じだったような、といった公園だ。
落ち着きますなあ
地元らしき人たちがチラホラいるだけでとても静か。時折亀の親子がプカプカ浮いてるのが見えて、ポワーンとした気持ちになる。ああ、昼寝したい。
あ、あそこ生き物が集ってる

鳥や魚がお出迎え

前方にいた子供達が餌をやるフリをして鯉を呼び寄せていた。子供はああいう事やるんだよねー、と見ていたら鯉だけでなくアヒルやらカモやら亀までが大集結してるじゃないか。少し羨ましい目で見ていたらそのままこっちまで来てくれた。
まとまったまま来てくれた。この公園のサービス?

渋い公園散歩

それにしてもこの公園、昔のトンネルや橋脚の一部があったりして渋いぞ。
トンネルに
橋脚
尾瀬みたいな所もあった。ここは夏に来ると世界最古のハスが咲くらしい
千葉市マスコットのちはなちゃんと。可愛いなこの子
奥にはモノレールが見える。千葉市のシンボルかもな
気持ち悪くてつい撮ったハスの池のどアップ
秋らしくない突き刺さるような日差しを受けながら、しばし公園を散策した。まだまだ広いし居心地はいいが、これ以上池の拡大写真を撮ったりしてノンビリしてたら日が暮れてしまう。そろそろ次に行こう。お昼過ぎなので食事処を聞くことにする。
いかにも優しそうな人を発見
いいカメラで公園の景色を撮っていたお兄さんに声をかけてみる。隣にはロードバイクが置かれていて、趣味が良さそうな人だ。聞くとすぐさまお店の名前を出してくれたし、期待が高まる。そこは千葉駅に戻る途中にある喫茶店だった。

お薦めスポット3:喫茶「まとい亭」

あら可愛らしい
喫茶店と言ってもちゃんと食事ができて落ち着くよと言うので向かってみると、意外や可愛らしい感じのお店じゃないか。
女性客多し
こちらの部屋は和テイスト
歩いてきた道には人通りが少なかったのに、ここは若い女性でいっぱい。お店に入ってすぐの所に並ぶ魅力的なケーキ達、それに内装がオシャレだもの。人気なのは分かる。
店員さんお薦めのみそ風味スパゲティと海鮮粥小皿セットを注文。
みそ風味スパゲティは一見みそウドンぽいのかなと思ったけど、食べてみたらカルボナーラのようなクリーム系の味で野菜たっぷりでヘルシー。海鮮粥も海の幸の旨みが出てて期待を裏切らず美味しかった。ああだけど、周りの女性達が食べているケーキも凄く美味しそうだった。
お腹と時間と相談した結果今回は断念

駅に戻る

ウッカリお店の人に次のスポットを聞かずに外に出てしまった。駅前にまた戻って聞いてみよう。
今度は京成線側に来た。
そごうだ。そういえば千葉と言えばそごうのイメージもあった。
あの女性に聞いてみよう
駅前に戻ったものの人が多くて誰に声をかけるものかとしばしウロウロ。少し離れた所で花束(優しい証)を持っている女性がいたので声をかけてみる。

教えてくれたのは「ポートタワー周辺」。少し遠いが歩ける距離だという。実は最初に聞いたお花屋さんもこのポートタワーの名を挙げていた。この辺じゃメジャースポットぽいけど…まあ行った事ないとこだから行ってみよう。

お薦めスポット4:ポートタワー周辺

そしてここから長い道のりが続いた。
お姉さんお薦めの道を通りながら向かう
落花生のキャラクターが目を引く千葉NHK前。
それにしてもどこもかしこも道が広いなあ
休憩
また大きそうな公園がある
歩道も広くて外国みたいだなー
お手洗いを借りに立派な県立美術館へ寄る
休憩
ずっと見えてるのに遠いタワー。やたらと神聖に見える
眩しい。

ポートタワーは太陽の方角にあり、遮るような高い建物が無く広々とした街並みにこれぞシンボルというように神々しく立っていた。それは想像していたよりも遠く、所々休みを入れながら近づき、ようやく辿り着いたのは4時過ぎだった。
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ようやく着いた!あれ、このタワーやたら薄っぺらくない?
横にするとタイルの上を這っているように見える
面白くて何枚も撮った

ペラペラタワー

お姉さんに聞いてから1時間10分かかってようやく辿り着いたポートタワー。真下に行って上を見上げてみたらやたら薄っぺらく見えるじゃないか。こんな建物見るの初めてだと蚊に刺されながらもたくさん写真を撮った。
実際はひし形。鏡張りになっていて空を映していてキレイ
ひとしきりペラペラ写真を撮った後、タワーの横の階段を少し上ってみると海が見えた。今日ずっと照り付けていた太陽が沈む準備を始めている。
おおー海だー
見えますか皆さん
今日はこの太陽の眩しさに何度目を細めただろうか。紫外線が気になる所ではあったが、一日中見守ってくれていた太陽にお別れする時が近づいている。こんな眺めを見ていたら、いつも明りと暖かさをくれて有難う、と感謝を言わずにはいられない。

と思って感謝を言おうとした所で、親子と可愛い犬が向こうからやってきた。お薦めスポットを聞いてみよう。
「夜になるとこの辺は何もないなあ。そごうはどう?」
「ひとまずタワーに上って夕日を見るんだワン」

お薦めスポット5:そごうとタワーからの夕日

冬が近いこの時期、日が沈むのはとても早い。周囲を見ると相変わらず緑が多い一帯で、綺麗な公園はあるけど見所を探すには厳しい時間帯になってきてる。声をかけたお父さんは「そごうはどう?」と捻りだしてくれたがUターンしたくないしデパートでは味気ないな…

ひとまず犬の言うとおりにタワーに上った。
歩いて来た道。知ってたら歩いて来ない距離
この日は千葉市民の日が近かった事で、なんと無料で入る事ができた。高さはそんなでも無いのだけれど千葉駅前のそごうは勿論、遠くにはスカイツリーもみる事ができる。最上階をユックリ一周した所で、いよいよ夕日が落ちかけてきている。ここまで来たからにはベストビューを見逃す訳にはいかないぞ。
顔ハメをして、
疲れてるから甘いもの用意して(ポートタワー名物のクリームあんみつ)
夕日に間に合った!これはいい眺めだ
最上階から一つ下の階が喫茶になっており、なかなかいいポジションに座る事ができた。海に沈んでゆく夕日。そして浮かびあがってきたのは富士山の姿!
久々に見た富士山。千葉からこんなにハッキリ見えるんだなあ
目の前にある工場の夜景の撮り方について熱く語る男性二人
日が落ちる所から夜景まで、空の色が徐々に変わっていく景色を楽しむ事ができた。

このタワーには他にも「恋人の聖地」としてオブジェがあったりお参りする所があった。特に用事は無かったが適当にポーズ(手でハート)を作って撮ったのが一番最初に載せた写真なのだ。後で見返したら鼻をつまんでるみたいだし想像よりも目が死んでいて自分でもビックリした。
けしてバカにしてません

暗くなっちゃった

さてそんな事していたらすっかり暗くなった。とはいってもまだ6時前。他にも見る所があるなら行ってみたい。
タワーのスタッフの方に聞いてみる
スタッフの方に聞いたところ、千葉市の見所はたくさんあるが、公共の所が多くタワー以外はどこも閉まるのが早いとのことだった。すぐ近くに公園があるけど明かりがあんまりないから何も見えないらしいし…さてどうしましょ
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ひとまず駅へ

この辺は何も無いそうなので移動せざるを得ない。ただ、散々歩いたのでそろそろ乗り物に乗りたい。そう言えばまだモノレールに乗っていなかったなと最寄の駅に向かった。
あれに乗ろう
千葉みなとというモノレールの起点となる駅についた。時間と体力的に最後となるだろうスポットを駅員さんに尋ねてみる。
すごく親切に教えてくれた
この時間からだとどこがあるかなあ…と少し悩んだ結果、2つお薦めして貰えた。1つ目はさすが、駅員さんらしいものだった。

お薦めスポット6:千葉モノレールのグッドデザイン賞「アーバンフライヤー号」

これだ!確かにかっこいい
まず教えてくれたのはモノレールのアーバンフライヤー号。もともと千葉モノレールは懸垂型としては世界一の長さ(走行距離)というのが推しらしいが、さらに今年7月に運転を開始したこのアーバンフライヤー号がグッドデザイン賞を取ったというのが最近のホットな話題だとか。

駅員さんが時刻表を見てくれて、ノーマル車両を一本見送ったあとにアーバンフライヤー号に乗り込む事ができた。
内装もかっこいいぞ
スタイリッシュ!
ちなみにこれがノーマル
比べると全然違うわ
暗くて窓からの景色はよく見えなかったが、昼間はあの整備された街並みの上を通るのかと思うと、昼間も乗っておけば良かったかなと思った。

それにしても今日は一日中、至る所でモノレールを見た。今日ここに来るまでピンと来なかった千葉市という街、私の中ではモノレールが一番印象的な街となった。

怖い道のりを行く

ラストスポットはこの暗い道の先
駅員さんに教えてもらったもう1つの最後のスポットは、県庁前駅から徒歩10分の所にある。メイン通りから少しだけ離れるとそこは街灯が少なく、まだ7時というのに誰もいなくなった。
これ行っていいの?
一人じゃ無理
駅員さんによるとここは昼間は観光に来る人がたくさんいるし、春は花見で賑わうそうなのだ。そんな名所ならこの時間でも人がいてライトアップがされているかも知れない、とちょっと期待して来たのだが…どこまで行っても真っ暗で無音で怖かった。
お、お目当てがボンヤリ見えてきた

お薦めスポット7:千葉城

変な人や何かが飛び出てこないかと恐々と歩きながらやって来たのは、小ぶりの千葉城(郷土博物館)だ。
暗くてよく見えないのでアタリで撮影(3枚目)
肉眼よりも、フラッシュをたいて撮った写真の方がよく見えるという暗闇の中でのご対面。もちろん博物館が開いている訳もなく、周りには何があるのかよく見えないので怖い以上のことは特に何も無かった。

けどこの状況、良く言えば城を一人占めしているのだ。私は千葉城の主。千葉を征服した気が、しなくもなくない。
今日は最後までまぶしいわー

千葉のイメージが変わった

千葉市がこんなに広々して綺麗で落ち着く街とは思わなかった。普段下町のゴチャゴチャした所に住んでる私にとってはたくさんの緑に癒された一日だった。

今回周った所は穴場では無かったかもしれないけど、夕日と共に見る事のできた富士山や、真っ暗闇の中だからこそ主になれた千葉城。その時その人に聞いたタイミングによって見る景色や印象がまるで違ったんだろうなと思うと、それもまたこの旅の面白みだなと改めて感じる事ができた。
発車と同時に指をさすと自分が動かした気分になれる事も発見
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