なんだか、この1年ですっかり人気になったスタンドアップパドル
昨年の大阪で、「なに!? 水上を歩くことができるだと!?」と川好きの注目を一心に集めたこのパドルボードという乗り物だが、海辺の新しいスポーツとしても、この1年でその人気を確固たるものにしているらしい。
大阪の堂島川ではこんな感じだった。水上の奇集団である。
同じ乗り物でも一色海岸ではこんなだ。爽やかな夏の日。
同じ乗り物とは思えない爽やかさである。
日焼けした健康的な男女があの一寸法師スタイルで沖へと繰り出すのを見るにつけ、応援していた無名のインディーズバンドがメジャーデビューしてバスケ部の男子とテニス部の女子がCDの貸し借りなどしているのを教室の隅で見つめた高校時代の思い出がつい蘇るが、スタンドアップパドルに関しては、ワイキキのビーチで生まれた出自が正統なので、にわかファンは私のほうだ。
そんな私はこの夏、「スポーツ用品店」の「サーフィングッズコーナー」にたたずむ自分、というアイデンティティクライシスを乗りこえ「ラッシュガード」や「マリンシューズ」といった基本アイテムをそろえて、来るべき東京での一寸法師デビューに備えていた。
日焼けした健康的な男女があの一寸法師スタイルで沖へと繰り出すのを見るにつけ、応援していた無名のインディーズバンドがメジャーデビューしてバスケ部の男子とテニス部の女子がCDの貸し借りなどしているのを教室の隅で見つめた高校時代の思い出がつい蘇るが、スタンドアップパドルに関しては、ワイキキのビーチで生まれた出自が正統なので、にわかファンは私のほうだ。
そんな私はこの夏、「スポーツ用品店」の「サーフィングッズコーナー」にたたずむ自分、というアイデンティティクライシスを乗りこえ「ラッシュガード」や「マリンシューズ」といった基本アイテムをそろえて、来るべき東京での一寸法師デビューに備えていた。
その一環としての、件の一色海岸でのスタンドアップパドル講習である。
が、講習には海の家でのたのしいバーベキューがついていたりして
夏。海。水着の男女にビーチパラソル。免疫がなさすぎて、うっかり巨大ななにかに飲み込まれそうになるが、いかんいかん。海など私にとっては単なる練習場にすぎない。
すべての目的はそう、川。
都会の真ん中を流れる川を、パドルボードでいきたいのだ、私は。
すべての目的はそう、川。
都会の真ん中を流れる川を、パドルボードでいきたいのだ、私は。
江戸橋ジャンクションを!
岩渕水門を!
横浜ランドマークタワーを!(天気悪!)
川から見たくはないですか!! 見たいよね!!
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Canal SUP Associationが東京・横浜の川をゆくぞ!
そんなわけで、当サイト記事にも何度も登場している、水辺のおもしろくてかっこいいイベントといえばでおなじみ、BOAT PEOPLE Associationさんのスタンドアップパドル部門、その名もCanal SUP Associationが、このたび活動を開始した。
横浜は大岡川の桜桟橋近く、「これからどうなる?ヨコハマ研究会」の水辺班が中心となって作られた艇庫、『水辺荘』。
ここに、カヤックとともに、インフレータブル式のパドルボードが配備されている。
鼻息荒くやりたいやりたいと賛同の意志を表明していたところ、いつのまにかボード6艇が用意され、いつのまにか横浜に艇庫もでき、地元の皆さんと共同でのいくつかのイベントが企画され、私もそれに参加させてもらうこととなった。
パドルボードはこんな大きさに折り畳み、リュックになって持ち運べるようになっている(10kgを背負う覚悟があれば)
これを手押しのポンプでふくらまし、背面にフィンをとりつける。組み立て自体は女子ひとりでもできる作業(ポンプ作業をがんばれば)
運営メンバーに(いつのまにか)アサインされている立場で「いつのまにか」とか言っている場合ではないのだが、それにしてもメンバーの皆さんのフットワークの軽いことに脱帽しきり。せめて私も、ここはひとつ自称広報隊として各イベントを振り返りながら、川でのパドリングの楽しさを広めたいとおもう。
ボードを川に浮かべて
レッツゴー!
Canal SUPの楽しみその1:好きなときに好きなところへ
なんといっても海との違いはこれだ。これが「移動手段である」こと。
何度か書いてきたことだが、こうした都市河川を航行するのに特に許可などは必要ない。手こぎの場合は、要は車道を自転車で走るようなもの。まったくの初心者がいきなりそこらの川にひとりで漕ぎだせるわけではないが、右側通航のルールを守り、動力船のじゃまをせず、自分の安全を自分で守れれば、あとはどこへゆくも自由だ。
何度か書いてきたことだが、こうした都市河川を航行するのに特に許可などは必要ない。手こぎの場合は、要は車道を自転車で走るようなもの。まったくの初心者がいきなりそこらの川にひとりで漕ぎだせるわけではないが、右側通航のルールを守り、動力船のじゃまをせず、自分の安全を自分で守れれば、あとはどこへゆくも自由だ。
横浜でのクルーズでは、日ノ出町の桜桟橋から、大岡川をくだって
ランドマークタワー前を通過
赤煉瓦倉庫の真横まで。電車や車ではまずたどらない動線が新鮮(ただ、上陸できる場所がないのでいまのところ戻ってくるしかないのだが)
私のまわりの川好きの間では、決まったコースをゆくクルーズに飽き足らず、小型船舶の操縦免許をとっちゃうメンバーが続出しているが、私が目下、目論んでいるのは、この手こぎのボードで、動力船では行けない浅い河川や、低い橋の下をゆくことだ。自分の行きたいところに、自分だけの力で漕いでいけるこの船(ボードだが)は、理想的な乗り物なのである。
いつかこの神田川を遡上したいのよね。どこまでも。
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Canal SUPの楽しみ2:高架下はむしろ絶好のコンディション
都市河川でのパドリングといって、よく聞かれるのは「そんな環境の悪いところでわざわざ…」という声である。がしかし、都市河川スポーツの愛好者はじつは増えている。たとえば横浜。
この日は好天に恵まれたのだが、いかんせん、遮るもののない水の上はとても暑い。
そこへ、出たー!高架下!
なにが嬉しいって、高架橋脚好きの私が嬉しいだけじゃない、そうだ、あの下には日陰があるのだ!
事実、上を高速道路で覆われた中村川は穴場らしく、たくさんのカヤックと合流。
波もないし海水浴客もいない高架下河川は、本当に快適なのですよ。
東京でもたとえば、同じ高架下河川として日本橋川がある。こちらも快適。
しかし日本橋の上をゆくひとに、かなり物珍しがられる。
ちなみにパドルボードはマリンどころかあらゆるスポーツと無縁の生活を送ってきた私でも、すんなり立ててしまう乗り物なので落ちる心配はそんなにない。
コツは度胸と気合い。
調子に乗って、もらったおまんじゅう食べたりもできる。
が、調子に乗りすぎると落ちる。
プールとちがって足はつかないし、護岸に上陸可能な設備も少ないので、おちついて自力でボードに這い上がれなければ死ぬので気をつけよう。救命胴衣とリーシュ(命綱)は必ず身につけること(身をもってその重要性を体感)。
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Canal SUPの楽しみ3:川の構造物が近い!でかい!
今回、いろいろな川でボードに乗らせてもらって、あらためて感じた良さは、川の構造物にいくらでも近づけることだった。
水門が、近い!でかい!
ジャンクションが、近い!でかい!
江戸橋ジャンクションのこの最もおかしな構造をした橋脚も、近くで存分に堪能できる。下のジョイントパーツみたいなのでちょいっとつなげてるあそこ、何度みてもおかしいよね。なんでこうなったのかしらね…。
このなんだかよくわからないスケール感。人が蟻のようである。
川の上の構造物って、陸上からはそんなに意識して眺めることが少ない。いままでだいぶ意識して陸から水から見てきたほうである私でも、水の上に「立って」「見上げる」このポジションだと、あらためて、まったく違う見え方になる。なにせ、思っていたよりだいぶでかい。
遠くから見ると「かわいらしい」旧岩渕水門も
下をくぐるとなったらドでかいのだ。水門好きならパドルボードでくぐってなんぼだぜ、と言いたくなるオススメ体験である。
そして高架橋脚好きである私が最も興奮したのは横浜のこれ。
うおお、根岸高架橋、工事中ではないですか!!
覚えている方はいらっしゃるだろうか、さる2年前、この根岸高架橋のでっぱりをレポートしたことを。1階部分に国道を建設予定だったこの高架橋、ついにその工事が始まったと聞いていたのだが、水上からそれを見ることになるとは!
何度振り返ってもおかしいスケール感に興奮しっぱなしである。
東京・横浜の都市河川でのパドルボード体験だが、いまのところボードを安全に降ろせる場所はかなり少なく、今回ご紹介したものも、大岡川の川の駅桜桟橋などなど、地元の方々のご協力によって成り立っている、いずれも貴重な機会である。
9月もこのあと横浜でのクルーズイベントがいくつか控えている。
ぜひチェックしていただきたい。
Canal SUP Association
http://www.canalsupassociation.org/
9月もこのあと横浜でのクルーズイベントがいくつか控えている。
ぜひチェックしていただきたい。
Canal SUP Association
http://www.canalsupassociation.org/