奇跡だと思っていたあのエアイクラに再挑戦する!
子供の時にエアイクラ(勝手にこのように命名する)に成功したのは1度きり。なぜやろうとしたのかは全く覚えていない。イクラの粒を大事に口の中で転がしていたらふと出来たのかもしれないし、膨らまそうと狙ったのかもしれない。
その時は一人だったのか、誰に見せる事もなく自分だけの思い出となった。
近所の寿司チェーン店でイクラを買ってきた。400円くらい
全国のイクラファンの中でどれだけ同じ体験をした人がいるのか知れないが、周りに聞く限りではおらず、誰かとお寿司を食べる時の一つの自慢のネタとなっていた。
なのに友人の子供が最近成功させたと言うのだ。証拠の写真も送られてきた。
証拠写真
改めて凄い!と思うと同時に、イクラへの愛を見せつけられたようで軽い嫉妬のような、ライバル心のような気持ちが湧き上がる。
私だってまた膨らませられるさ!
エアイクラ軍艦を作る!
という訳で早速イクラを調達し、再現することにした。
エアイクラを作り、軍艦に乗せていくつもりだ
出来る気ゼロ
一粒目で分かった。これは絶対に成功しないなと。結局20粒くらいトライしたがやはり出来なかった。理由は粒が小さいからだと思うのだが…しかし彼女なら出来てしまうのだろうか…?
ライバルを家に呼ぶ事にした。
ライバル登場。後に師匠と呼ばせていただく事になるお方。
「ケーキとか生クリームよりイクラが好きー」と、友人の娘さんでありライバルでもあるふーちゃんが言う。私も同じ意見だ。彼女とは前々から好きな(味の)タイプが似ているなとは思っていたが…イクラへの愛だけは負けたくない。
うーん、これ難しい~
粒が小さすぎる
ライバルも難しいと言ってすぐに諦めモードだ。同じ反応でなんとなくホッ。
っとしてる場合ではなくて、それじゃダメだ。私はエアイクラ軍艦を作りたいのだ!
真珠なんかよりイクラの大粒ネックレスが欲しい。そう思うほどに美しく輝くイクラ達。ふーちゃんもワア!っと嬉しそうな声をあげていた。
2人でキャッキャ
先ほどと比べてこの大粒のイクラ、薄皮の厚さも頼もしい。そして旨い!2人とも一気にすくって食べたいのを我慢しながらの挑戦だ。
さっきよりは出来そうな気がしてきたけどどうだろうか。
軍艦に乗せる
スタートしてから2分で成功させてしまうライバル。難易度は高い筈なのだが…想像以上に強敵だ。しかしこの大粒ならエアイクラができるという証でもあるぞ。
師匠と呼ばせてください
私が出来そうで出来ずコツがある筈だと格闘している間に、ふーちゃんはエアイクラを続々と作っていた。早いペースだと2分以内にできてしまう。おそらく現時点で世界一の記録保持者だろう。ここまで差をつけられたら…敗北をみとめざるを得ない…というか師匠と呼ばせてください!
同時にエアイクラに挑戦。師匠は片手をつきながらものの10数秒で…凄すぎるぜ…
しかもこのクオリティ…完敗ダヨー…
悔しいなあ。。(箸で穴を広げようとしている所)
次々に出来ていくエアイクラを前にテンションが上がってしまった私は「師匠凄い!これでテレビとか出られるんじゃない?オリンピックなら金メダル間違いなしだよー」とたいこ持ちのように褒めていた。歌手を夢見ている筈の師匠も満更でもない様子。大丈夫とは思うが、今頃エアイクラの自主トレとかしてやしないだろうか。どうか道を外れないで欲しい。
1時間半が経過
ノリに乗っている師匠に休憩してもらいながら(イクラが無くなっちゃうから)、私は最後の一粒までエアイクラ作りに挑み続けた。
私が挑んでいる間、余裕の師匠は休憩。
師匠による立派なエアイクラ軍艦!その先には友人と私の軍艦が並ぶ
企画しておきながらナンだが、自分でもまさかこんな立派なエアイクラ軍艦にお目にかかれるとは思っていなかった。しかし我が師匠はやり遂げてくれましたよ!
オトナは2粒が限界です
オトナには不利な競技じゃないか
なぜ昔は出来たはずなのに、今の自分には出来ないのか?と悶々としていたが、師匠をジックリ見ていると手や口の小ささがポイントなのではないかという結論に落ち着いた。
恐らく成人男性には一番難しい競技なのではないだろうか。
エアイクラ軍艦の味は?
こうして1時間半をかけてできたエアイクラ軍艦。もちろん最後は自分で食べる。食感が面白そうだが、果たしてどうだろうか?
歯にひっついてマズいそうです
普通のご飯の方が美味しいよー、と笑いながら言う師匠。
その後、友人と私はたった2粒乗せたエアイクラ軍艦をそれぞれ食べた。単なる酢飯であった。
引退します
子供の方が有利と分かったエアイクラ作り。
その瞬間に味わった気持ちは、オリンピックの常連選手が意志に反して体が追いつかなくなったと実感する時の気持ちに近いだろうか。ここまで差を見せつけられてしまっては身を引くしかない。エアイクラへの道は未来ある若者達に潔く譲ろうと思う。
それでも私のイクラへの愛はこの先一生変わらない。