B面レシピとは?
袋の裏に書かれている「本来とはちょっと違うけどこういう風にも使えますよ?」という提案レシピ。袋の裏に書かれいるからB面レシピである。A面がスパゲティだとしたら、B面はなぜかチャーハン、みたいの。
パスタソース、ふりかけ、合わせ調味料、乾物などはよくB面レシピが載っている。
パッケージの裏に書かれている事が多い。
バジルクリームはバジルの爽やかな香りと油っぽさが魅力。
オーマイのパスタソースは美味い
まずはパスタソースのB面レシピ。
オーマイのパスタソースは安いのに味が本格的で凄い。パスタソースとしての詳しくは2/24発売の「増刊大衆」を買える年齢の人(大人じゃないと買えない雑誌です)は買っていただくとして、今回のテーマはB面レシピである。
バジルクリームのB面レシピは「チキンとポテトのバジルサラダ」だ。パスタソースでサラダを作るとは思いもよらなかった。
まず鶏肉をレンジでチン。なんだか美味そうな汁がやたらと出た。
じゃがいももレンジでチンして、インゲンだけはなぜかお湯で茹でる。あとは材料を切ったり割いたりしてバジルクリームソースと和えればいい。簡単だ。
最後は和える。
大体15分くらいで出来た。電子レンジを使うので楽だし早い。で、完成したのがコレだ。
一応美味しそうではある。
代官山辺りのオープンカフェで出てきそう。
美味いのか?
大事なのは味である。バジルソース自体の味は良いので不味くはない。しかし、だからと言って「美味い!」と言えるほどの味でもない。
サラダって言うわりには肉が多いなぁって気もしつつ、なんだか薄ぼんやりしたようなとぼけたような、ハッキリしない味だ。
ぼんやりした味である。
どうも釈然としない感じだが、もう1品パスタソースのB面レシピを作ってみよう。
S&B生風味梅しそ
酸味がかなりストレートで、スパゲティをツルツル食べられちゃうサッパリ感が魅力の生風味梅しそ。B面レシピは、ひょうし木切りにした長芋と和えた「長いもの梅和え」である。
釜揚げうどんに混ぜて梅うどんとか、そういう守りのレシピではないところに好感を持てる。パスタソースを買ったのに長いもの和え物を作ろうとはまず思わないが、僕はそういうチャレンジ精神好きだなぁ。
切って混ぜる、完成という手軽さ。
これは作るの簡単だった。だって、長芋を切って梅ソースで和えるだけだ。どんなに料理が苦手な人でもあっという間に作れると思う。
上に散らす海苔も標準添付なので楽な事この上ない。2分で完成しました。
ちょっとしたおつまみに。
なかなかのパンチ力
レシピ通りの分量で作ったのだが、なんだかやけにすっぱしょっぱい。ストレートな味である。さっきのバジルサラダのぼんやりした感じとは打って変わったソリッド感だった。
お酒欲しくなります。
ラー油ふりかけでペペロンチーノ。美味そう。
逆に、B面レシピがスパゲティというパターン
パスタソースによるB面レシピを2つ見ていただいたが、実はパスタソース以外のものでスパゲティを作るB面レシピは多い。
古今東西老若男女スパゲティを嫌いという人は少ないし、麺にクセがないのでアレンジ料理に向いているのだろう。
特に、ふりかけなどご飯に掛けるものはB面レシピがスパゲティである事が多かった。
ご飯に載せたりおにぎりに入れたりすると美味い。
「しそふじっ子のパスタ」
いくつかあったスパゲティB面レシピの中から、しそふじっ子のスパゲティを作ってみる事にした。レシピって言っても、スパゲティを茹でて材料と混ぜるだけだから簡単だ。
料理のレシピには、面倒くささによってランクがある。まず材料を混ぜるだけとか、素材を焼くだけってのがCランク。サラダとかステーキはCランクだ。
混ぜたのを焼いたり蒸したり揚げたりするのがBランク。ハンバーグやコロッケだな。
酢豚のように、揚げたものを更に煮たりするのがAランクだ。と、今なんとなく決めてみた。僕はAランクの料理はめったに作らない。
B面レシピはわりとCランクのものが多く、このふじっ子スパゲティもCランクのレシピである。
あっという間に出来上がり。レシピにはなかったけど、ネギを載せてみた。
ザ☆B面レシピというぼんやり感
見た目の美味しそうさと裏腹に、これ以上にないってくらいぼんやりした味だった。ふじっ子の味がまだ昆布から出ておらず、果てしなくぼんやりしていて大根おろしがそれに拍車を掛けている。
大根おろしのせいで冷めるも早く、ぬるくてぼやけた味という、霞を食うってこんな感じなのか、みたいな雰囲気。優しい味なので病み上がりにいいかもしれない。ていうか以前入院したときに食べた病院食を思い出した。
見た目は美味しそうですが。
果たしてこのままぼんやり続くのか
ここまでに判っているB面レシピの特徴は、なんといっても「ぼんやりした感じ」だ。CDシングルのB面もぼんやりした感じの曲が多いが、それに似たぼんやり感だ。
果たして他のB面レシピもそうなのか。引き続き色々作ってみます。
唐揚げ粉にもB面レシピがある
スパゲティにしちゃうB面レシピは守りのレシピである。スパゲティと和えればそれなりに食べられる事が多いわけで、安易でありハズレのリスクが少ない。
一方で、中には「え、これでこの料理を?!」みたいな攻めのB面レシピもある。特にすごいと思ったのが日清製粉の唐揚げ粉。
これで唐揚げ以外に何を作れと?
唐揚げ粉は便利だ。ビニール袋に肉と唐揚げ粉を入れて振って揚げれば美味しい唐揚げになる。香辛料が効いて味も程よくカラッっと揚がって美味い。
そんな訳で、僕はよく唐揚げ粉を使う。
鶏の唐揚げって美味いよねー。
こうして大きめの唐揚げ写真を2枚載せたのは、皆さんの食欲を唐揚げで汚染するためのサブリミナルである。是非今夜の夕飯または次のランチは唐揚げにしていただきたい。
アップでドーン。
で、B面レシピは?
そうそう、唐揚げの写真をドーン!とか載せてる場合じゃなくて、大事なのはB面レシピだ。日清製粉さんはなんと、唐揚げ粉でチャーハンを作れと言うのである。
まさかのチャーハン。
レシピを読むと、まず鶏肉を小さめに切って唐揚げ粉をまぶしてフライパンで焼け、となっている。要は小さな唐揚げを作るのだ。
ここら辺は普通に唐揚げを作るのと同じ感じ。
ちょっと驚いたのは、生玉子に唐揚げ粉を入れるとこ。どうやら唐揚げ粉を味付けに使っているのだ。
未体験ゾーン。
下準備が出来たらマイクロ唐揚げを作るところから調理開始。
普通に美味しそう。
肉に火が通ったら取りだして、玉子、ご飯、レタス、長ネギなどを入れて普通にチャーハンを作る。唐揚げ粉以外の味付けはレシピに書いてなかったのでしてない。
チャーハンになってきました。
全体的にパラパラになったら別にしておいたマイクロ唐揚げを投入してもうちょい炒めたら完成。
普通は家に唐揚げ粉があるからってチャーハンを作る事にはらない。
唐揚げ粉からチャーハン
鶏肉と唐揚げ粉を買ってきたから唐揚げを作るのかと思ったらチャーハンが出てきた。なにを言っているのかわからねーと思うので以下略で、チャーハン完成。
肉と玉子にしか味ついてないけど美味いのだろうか、これ。
唐揚げ粉は普通に唐揚げ作るのが一番です。
これ以上にないB面ぶり
予想はしていたが、ご飯部分に味が付いていないのでチャーハンっていうよりは炒めた白飯である。
マイクロ唐揚げはちゃんと唐揚げ味なので、唐揚げを食べてご飯部分を食べたら一緒にレタスも口に入ってくる。なんだか唐揚げ定食をグチャグチャに混ぜて食べているような気分になり大変面白い。
作るのはそれなりに面倒くさかったのに結果は唐揚げ定食を混ぜた味であり、なんか釈然としない感じがすごくB面っぽいレシピだと思った。
攻めの姿勢は評価したい。
この手のふりかけを混ぜて作るおにぎりが好きです。
ふりかけで豆腐ハンバーグ
前のページで書いたが、ふりかけ系のB面レシピはスパゲティである事が多い。が、スパゲティじゃないB面レシピを見つけた。
ご飯に混ぜておにぎりにする「混ぜ込みわかめ」だ。なぜかこれで、豆腐ハンバーグを作るのだ。
載ってたのは二人分の分量で、木綿豆腐半丁に鶏挽肉70g、混ぜ込みわかめ小さじ2。小さじ2ってなんか少ないようなする。それらを混ぜて焼けばいい。面倒くささでいえばBランクだ。
あら美味しそうだわぁ。
焼いてる時から良いにおいがしていた。そういう料理は大体美味いが、この豆腐ハンバーグも美味かった。
混ぜ込みわかめは小さじ2しか入れてないのに案外味がしっかりしている。特に、鶏肉の旨味がしっかりしている。っていうか鶏肉が良い味を出していた。
意外にちゃんと美味しかった。
油控えめ、全体的に豆腐だし淡泊な鶏肉なので胃腸に優しそうなのもいい。ここまで作ってきたB面レシピの中では一番美味しいし、また作りたいと思った。
次のページも引き続きB面レシピを作ります。
一見美味しそうですが。
またパスタソースに戻ってきた。キユーピーのパスタ用明太子クリームソースのB面レシピはなぜかグラタンだ。でもグラタンなのにマカロニとか使わないのだ。
100円くらいだったかな。
パスタソースでじゃがいものグラタン
グラタンなのに入れるのはじゃがいもである。確かにマカロニを使ったらマカロニだってパスタなのでB面レシピにならない。だからってじゃがいもだけってのはなんだ、意地か?意地なのか?
じゃがいもを茹でて皮を剥いて輪切りにしたら耐熱容器に並べてパスタソースをどばーっと掛けてチーズもばさーっと掛けてオーブンで焼いたら出来上がりだ。
完成。グラタン?
食べる前から判っていたが、これはグラタンじゃない。クリームソースなので結構緩めであり、そこにじゃがいもがゴロゴロ入ってる感じ。グラタンって言うか、スープとかクリーム煮に近い食べ物で、どうも釈然としない。やっぱマカロニ入れた方が良かったんじゃないか。
または、じゃがいもは薄切りではなくマッシュポテトにしてソースをパック半分くらい混ぜると、明太クリーム味のマッシュポテトになって美味いと思う。B面レシピは食べながらモヤモヤしつつ、どう改善したら美味しくなるだろうか?と考える楽しみもある。
またしてもキユーピー。
ミートソースでタコライスだ
タコライスってのは、要はタコスのトルティーヤがご飯になった食べ物なので、確かにミートソースで作れるような気もする。
もしタコライスらしくならなくても、ご飯にミートソースってのは美味しいような気がするのでこのレシピは鉄板に違いない。
ほほぅ、これがタコライスか。
不思議な食べ物になった。
初めて食べたタコライスがこれ
タコライスを食べた事がないので絶対とは言い難いが、これは多分タコライスとはちょっと違う。
キユーピーのあえるパスタのミートソースはなぜか中濃ソースみたいな味なので、ご飯に中濃ソースを掛けた味でありタコライスっぽくはない。
またしてもどうも釈然としないが、パスタソースはB面レシピの駆け込み寺であるスパゲティを封じられているので不利があるのは否めない。
しかしやはりどうにもスッキリしないあたり、B面レシピは奥深い。どうやら僕はB面レシピの迷宮に迷い込んでしまったのらしい。迷宮の中はモヤモヤと何かが漂っていて先が見えない。
次のページではラストダンジョンにふさわしい、最強のB面レシピを紹介します。
これはなんだ。
おでんに入れると美味しいちくわぶ。
なぜかちくわぶがイタリアンに
スーパーで商品の裏側を見てはB面レシピがないか探していたとき、まさか無いだろうと思いつつ裏側を見たらレシピが書かれていて、しかも攻めにも程があるって程攻めまくっていたのがちくわぶのB面だ。
ちくわぶって言ったらおでんだからB面と言っても鍋とか味噌汁とか、あとはせいぜい醤油を付けて焼く程度だと思っていたら、ピザ風とか書かれていたのだ。攻めすぎる。ガンガンいきすぎである。
まさかのイタリアン。
驚きのあまり写真を640pixにしてしまった。「パスタ風」って書いてある方は、ちくわぶを薄く切って耐熱皿にのせ、ミートソースとピザ用チーズを掛けてオーブンで焼けと書いてある。要するにグラタン的なレシピだ。ちくわぶでグラタンとは背伸びが過ぎるんじゃないか。
ちくわぶを薄く切って。
ミートソースをどばーっ。
チーズを載せる。
下から見ると結構ちくわぶ。
「ピザ風」は、ちくわぶを縦半分に切ってケチャップ、チーズ、ベーコンなどの具をのせて焼けと書かれている。それ、ピザか?という気もするが「風」なのでいいのだろう。
あとはオーブンで焼けばいい。チーズが焼けるいい匂いがしてきたら焼き上がり。
これがパスタ風ちくわぶグラタンだ。
最後の戦い
ここまで食べてきた数々のB面レシピが走馬燈のように頭の中を巡った。バジルサラダ、長芋の梅和え、ふじっ子スパゲティ。ご飯部分の味付けが薄すぎた唐揚げ粉チャーハンに鶏挽肉が良い味を出していた混ぜ込みわかめの豆腐ハンバーグ。
どれもこれも釈然としない、捉え所のない味が魅力のB面レシピ達だ。その頂点にいるのがこの、ちくわぶグラタンである。
んー、鶏の唐揚げ食べたい。
シルエットがちくわぶだしね。
いただきます。
むぐむぐ。
あはは、ラザニアだわ。
ちくわぶ=ラザニア
ラザニアは板状のパスタで、ミートソースとベシャメルソースを交互に挟みつつ重ねて焼く料理だ。ちくわぶグラタンにはベシャメルソースを使ってないので味わいは違うが、板状でモチモチした食感が大変にラザニアっぽい。確かにちくわぶがパスタ風になっている。
美味しいし、なんといっても面白い。B面レシピの真骨頂と言った感じである。例えばこんな話はどうだろう。
佃田「これは私が知っているラザニアじゃない!私は子供の頃に母が作ってくれたラザニアを食べたいんだ!」
山岡「くっ・・・。1週間待って下さい。おれがそのラザニアを再現して見せますよ。」
栗田「大丈夫かしら山岡さん・・。」
山岡「だめだ、どうしても出来ない・・。はっ、そういえば佃田さんのお母さんははちくわぶ職人だった!ラザニアの代わりにちくわぶを使ったんじゃないか?!」
佃田「こ、これです!山岡さんありがとう!」
京極「山岡はん!これはこれでラザーニャ!」
みたいな。では、ピザ風ちくわぶはどうか。
見た目は美味そうですが。
チーズ載せて焼けば大体美味しくなるって相場が決まっているので、きっとピザ風ちくわぶも美味いに違いないのだ。
あ、面白い。
「味の感想=面白い」は料理としてどうなのか。
だって、ピザの生地って小麦粉を単に練っただけじゃなくて発酵させてあるから「フワッ」としたり薄くて「パリッ」としてたりするじゃない。でもこれはちくわぶなので、「もちっ」だ。全然違う。「ピザ風」にしても無理がありすぎて、その釈然としないモヤモヤはどこまでもB面レシピであった。
やっつけ感が楽しい
今時の料理本やらネットにあるレシピは洗練されている。書いてあるとおりに作れば大体美味しいものが出来る。でもB面レシピは書いてあるとおりに作っても美味しいとは限らない。
なぜか?それは、「一番得意な使い方から遠くなくてならない」という制約があるからだ。野球選手に「ちょっとアイスホッケーやってみ」ってのがB面レシピなのである。
そこから生まれるモヤモヤやオモシロは作って食べてみないと判らないので、是非皆様におかれましても面白いB面レシピを見つけたら作って食べてみて下さい。
きっと「ああ!釈然としない!」って気持ちになって楽しいですよ。衝撃体験ってのは案外身近なところに隠れているものなのだ。
そうそう、「B級グルメ食べ比べガイド」が載っている「増刊大衆」は2/24金曜日発売。全国のコンビニエンスストア、大人の雑誌コーナーに並ぶので見かけたら是非買ってみて下さい。スーパーで売られてるパスタソースを徹底的に食べ比べて美味しいのを探しました。なお、なんとか保護条例によりテープが付いてるので立ち読みは出来ません。