特集 2011年12月6日

コンビニの貝柱の貝、貝殻がめちゃめちゃカラフル

これがヒオウギ貝です
「ヒオウギ貝」という貝をご存知だろうか。
カラフルな貝殻が印象的な、食べてよし、見てよしの二枚貝だ。

このうつくしい貝の中身を食べて楽しんだあとに、貝殻のカラフルさを最大限に生かすことができたら楽しいのではないか。
1975年生まれ。千葉県鎌ヶ谷市在住。猫好き。人生においての目標は食べたことのないものをひとつでも多く食べること。旅先ではまだ見ぬ珍味に出会うため目を光らせている。

前の記事:夢のカレーと夢のラーメン

> 個人サイト 晴天4号 Twitter (@hosoi)

干貝柱

干貝柱といえばホタテが定番だが、その代用品っぽい扱いなのか、ヒオウギ貝のものもよく売られている。ホタテよりもお手ごろ価格なので助かっている。
ヒオウギ貝の貝柱。味はホタテにそっくり
最近コンビニで買ってみたのだが
表記が"イタヤガイ"となっていた
なぜかヒオウギ貝のものを見かけなくなってしまった。慣れ親しんでいた名前を見かけなくなったのは少し残念でもあるのだが。もしかしたら規定が変わったりしたのかもしれない。

生のヒオウギ貝を買ってみた

私はヒオウギ貝についての知識はまったくなかったが、前述の干貝柱の原材料で見てからどんな貝なのかと気になっていた。

ネットで調べると極彩色でびっくりしたので、これは買わねばと思い、20個入りを注文。
レインボー!これが天然の色だとは…
「カラースプレーで塗装したんじゃないの?」と疑ってしまうほどの鮮やかさに感激。

調べると、色は大きく分けて、オレンジ、黄、赤、紫で、7:1:1:1の比率らしい。
漢字で書くと桧扇貝。名前もうつくしい

食べよう

届いてすぐなら刺身でもOKだそうなので、さっそく食べてみよう。
ホタテをすこし小ぶりにした感じ
色がポップなだけでこんなに楽しいのはどうしてなのさ
「人はカラフルな貝殻を目前にすると楽しくてたまらなくなる」。私の中に突如確立された格言である。

これからお造りを食べようというだけで幸せなのだけど、目がチカチカするようなカラーリングの貝殻というのが何かの冗談みたいで、なんだこれ、わほほほーっとなってしまう。
身もぷりっぷり

おいしくて困った

同封されていたレシピに、刺身の場合は肝を洗い流すとあったが、私は貝の肝がすきなので、洗い流さずにからめて食べた。
すると醤油をたらさなくてもよいくらいの塩味と肝特有の濃厚さが加わって、まさに宝石のようにきらめく珍味となった。

身の味はホタテの刺身に似ているが、それよりもくっきりとエッジのきいた旨味がするというか、ようするに味が濃い。いやーもうおいしいわー。
さて、次は水を入れたフライパンで蒸してみましょう
ポンっ!と開く音がする。見た目も声もかわいい貝
バターを溶かす。ふわっふわの貝柱!

やばいねこれは

実はこれの前にレンジでチンして食べてみたのだが、若干身がしぼんでしまったのだ。やっぱり蒸すのが身の大きさをキープできるし旨味も逃げなくて最高。肝とバターのハーモニーも完璧よ。

おまえはとてもおいしい海産物としてもっと前に出たほうがいい。「ボーナス出たらウニかヒオウギ貝が食べたい!」と言われるくらいの実力はあるよ。

ここで気づいた。私はこれに対して「綺麗な貝」という認識が強かったので、自然と味のほうにはあまり期待していなかったらしい。見た目だけで選んで悪かった。人間なら容姿端麗で性格もよいってことだ。
食べ終わった貝。もっと活躍させたい

カラフルな器でカラフルなものを食べたい

この貝殻であるものを食べたいと思い、あのお店へ行ってきた。
サーティーワンアイスクリーム
ポップな食べ物といえばまっさきにサーティーワンの「ポッピングシャワー」が浮かんだ。それ以外にもヒオウギ貝に負けないくらいの極彩色アイスが揃っている。
「すいません、これに盛ってもらう事ってできますか…」

はたして、貝殻に盛ってくれるのか

貝殻を持ってアイス屋へ。
店員さんに、これに盛ってもらえるかどうか聞いてみた。

すると、「いいですよ!」と快諾してくれた。え、いいの?
やったー!ダメ元だったけど…
われれがヒオウギ貝にポッピングシャワーが乗った乗ったノッた!

サーティーワン、良い店

対応してくれた二人の女性の店員さんは、顔を曇らせる事もなく始終笑顔でアイスを貝に盛り付けてくれた。

やはりヒオウギ貝がカラフルだから成功したのではないか。どす黒い貝殻だったらやってくれなかっただろう。ヒオウギ様々だ。

ほんとすいませんという気持ちと同時に、可愛いアイスを売っている店員さんが可愛い貝を持っている画っていいなあと見とれてしまった。
うけてる
奥から男性の店員さんが様子をみにきて、一緒になって笑っていた。まあ、へんな客来たなという感じだったのかもしれませんけど。

そして、夢のようなデザートが誕生したのである。
「夢のビーナス来航ポッピングシャワー」feat.ヒオウギ

見ただけですでに満足

思った以上にポップな作品を手に入れてしまった。スイーツと海産物という見慣れない組み合わせにもかかわらず、カラフルという共通点で仲良く馴染んでいる。
また、アイスの丸っこさと貝殻のギザギザの組み合わせがちょっとした造形美を生んでいる。少し褒めすぎか。
こんなの食べたら絶対楽しいでしょうよ
紙のカップよりおいしい!(気がする)

意外な発見

貝殻アイスの実用的な点をみつけた。貝殻の下のところに指を引っかけられて、ちょうどよい持ち手になるのだ。体温でアイスが溶ける事もない。
持ちやすい
フードコートのテーブルに置いた時は、周囲からの視線が熱かった。

「サーティーワン、あんなサービスしてるのか」と思われてしまったかもしれない。混乱させてすいません。
私「ごちそうさまでした」 ヒオウギ「おいしかった貝?」

40枚の貝殻の使い道を考えたい

思えば私はカラフルな物がすきらしい。以前は落花生をカラフルにしていたりもした。アイス屋の店員さんも笑ってくれたけど、カラフルってそれだけで笑いが込み上げてきてしまうのかもしれない。

しかしそのカラフルさゆえ、今まで食べた貝の中で一番貝殻を捨てることを躊躇してしまう貝になってしまった。しかも40枚ある。これからじっくりとカラフル貝の使い道について考えなければという課題が課せられた。
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