四谷駅もいいよね!
きっかけは
石川さんによるtwitterでのこの一言だった。
このとき、言われてみてはじめて気がついたのだ。分倍河原での乗り換えシーケンスが好きだ。なんでかわからないけど。
きっと鉄道趣味の方々の間では、乗り換えについてさんざん議論されていることともう。きっと「乗り換えといえば山田さんだよね」みたいな、その道の第一人者もいるにちがいない。山田ってだれだ。
でも「なんでか自分でもわからないけどぐっとくる乗り換え駅」というあいまいな感じで語られてはいないのではないだろうか。鉄道趣味の方々ってすごくちゃんとしてるのように見えるので。
で、これはとても面白い、と思ったので広く世に問うてみた。そのまとめが以下だ。
面白い。とても面白い。
なにが面白いって、千差万別な点。予想では「四谷派」「分倍河原派」とかできるんじゃないかと思ったら、思ったよりばらばらだ。そしてぼくにとって「ああ!わかる!」っていうものとさっぱり共感できないものとが半々ぐらいなのも興味深い。
たとえば、最初の石川さんの発言だと、ぼくは下北沢の乗り換えは全くぐっとこない。むしろあまり好きじゃない。なんなんでしょうね、この人による違いって。
なんだかわくわくする。
四谷階段
考えてみたら、最近まったく四ッ谷駅でも分倍河原駅でも乗り換えてない。
なぜ好きなのか、その理由は分かることはないだろうと思いつつ、これはひさしぶりに乗り換えてみるべきなのではないかと思った。
まずは四ッ谷駅だ。中央線から地下鉄丸ノ内線に、いま改めて乗り換えてみようではないか。
やんわりと曲線を描くホームを地下鉄の方へ歩いて行く。乗り換えはホームの端っこだ。
考えてみたら「地下鉄」に乗り換えるのに階段昇る、ってふしぎだよね。
昇りきると、踊り場に出る。このなんとも言えない広さがいい!あと丸くて細い柱もいい!
そしてこの「調整しました!」って感じの中途半端な段数の階段がいい!
「階段昇るのがいい」とか「広さがいい」とか言ってみたものの、それが四ッ谷駅の、乗り換え駅としての得も言われぬ魅力の原因だとは思っていない。
なんというか、そういうのって、好きになった女性のどこが好き?っていうアレと同じだと思うのだ。たしかに彼女の顔は好きだ。だけど、それが彼女が好きな「原因」ってわけじゃない。そういうことだ。何言ってんだぼく。
改札出たところのこの空間も、なんだかすてきだ。説明できないんだけど。右奥が地下鉄丸ノ内線の改札。
改札にアプローチするこの斜めの導線がいいのかなあ?まあたしかに良い感じだけど、やっぱりこれが原因ってわけじゃないよなあ。
そしてここが丸ノ内線の改札。この後光が差し具合はどうだ!
説明できるような、できないような
改札をくぐると、こういう感じ。中央線のホームとの違いにぐっとくるのかなあ?
うーん、このぐっとくる感じはなんと言ったらいいのか…
なんなんだろう、この感じ。たとえばもし中央線からの乗り換えじゃなくて、直接この丸ノ内線のホームに来たらもっと感じ方が変わるのだろうか?
単にこの地下鉄丸ノ内線のホームが魅力的ってだけなんだろうか?いや、そんなはずはない。
たしかに地下鉄のくせにこの駅だけひょっこり地上に駅がある、というのはドキドキポイントではあるが!そういうことではないとおもうんだけどな!
高さ的に地下鉄と中央線の、あるべき高さが逆転しているのはドキドキポイントではあるが!そういうことじゃないはずなんだよ!
うん、たしかに地下鉄の駅としては四ッ谷駅は特殊なのだ。お茶の水とならんで、「地下鉄のはずがひょっこり地上にこんにちは」ポイントとして有名だから。
たしかに四ッ谷駅のところはその名の通りぼこっと谷のようになっていて、地下鉄も思わず顔を出そうってものなんだが。(
東京地形図をgoogle earthで表示)
「けっきょく、イケメンだから彼のこと好きになったんでしょ」って言われた女性の気分。いや、ぼく女性じゃないしそういうこと言われてくやしいのかどうかも知りませんが。
なんというか、そういう派手な部分にぐっときてるわけじゃないと思うんだ。
でもなー、確かにこの高低差が醸し出すダイナミック乗り換えアプローチは魅力ではあるんだよなー。悩ましいなー。
たしかに分かりやすく説明できる場合もある
四ッ谷駅における乗り換えへの思いが何によっているのか、上手く説明できないまま、そして不適切な喩えのまま次に行きたい。両親に反対されても「いいでしょ!売れない劇団員でも!わたしは彼と結婚する!」とタンカを切る女性の気分だ。いやだからぼくはそんな女性の気持ちなど知ってるわけではないのだが。
さて一方で、いいなーと思う乗り換え駅でちゃんと両親に説明できる場合もある。収入がちゃんとしている、とかそういう婚約者のケースだ。
いざ乗り換えようとホームから階段を目指すと…
で、通路行ったら、なんだか漫然としたスペースに行き当たり、さらに下る必要が。
で、下ってふり返ると、こんな。なにこの階段とエスカレーターの品評会は。それぞれどこからつながってるわけ?
表示に従って右に行くと、まだ下れと言う。
どこまで深くもぐるのか…しかしこれはすてきな
のっぺり壁だ!
下ってもまだまだ下れと…
ようやくホームかっ?
いやはや、なんという紆余曲折。この乗り換えは印象に残らざるを得ない。
まあ、このように「なんだかすごくたいへんな乗り換え」は説明がつきやすい。
いやー、でもなー、まあ、この乗り換えたしかにぐっとくるんだけど、こういう派手なプロセスは本意じゃないというか、なんというか、もっと繊細な説明不可能な情緒というものをだいじにしたいんだけどなー。
しかしまあ、たどりついた千代田線のホームがこんなだからな!これはもうぐっときちゃうのは当然だよな!
乗り換えと聞いて、ぼくがまっさきに思い浮かんだ、あの駅
京王線の分倍河原駅。ここからJR南武線への乗り換えシーケンスが、なんかいいのだ!
最初のページで「分倍河原で京王線から南武線も好き」と反射的に言った、その乗り換えをいまあらためて実行してみよう。この乗り換えは、国会議事堂前とちがって、もっと説明不可能な情緒にあふれているはずだ。
下ったところから見た風景。なんというか、この絶妙の狭さといい、柱の微妙にじゃまな感じといい、ドキドキするんだよ!
京王線と駅外との改札、JRと駅外との改札、そして京王線とJRとの乗り換え改札のバミューダトライアングルがすばらしい。
そしてもちろんここでは乗り換え改札へ。上部の「ここは乗り換えだからね!ね!」っていう表示も必死でいい。
乗り換え改札を通過して、ここはJRのエリア。たぶん、この空間にぼくはいちばんぐっときているんじゃないかと思った。この絶妙の狭さ。柱の位置。改札と会談との位置関係。ああ、なんだかすてき!
ひさしぶりに、おそらく5年ぶりぐらいに来てみて、やっぱりこの乗り換えはいい!と思った。
というか、こうして写真と文章でいくら「いい!」って言ってもぜんぜん伝わってない気もするけど。すまん。
窓から見える、この下のホームが目的地であるJR南武線のホーム。これから右の渡り廊下を行く。
ちょうど南武線がきた。
このときはあちこち撮影しながらゆっくり乗り換えを堪能したので、南武線ホームにたどり着いたときにちょうど列車が来たが、いつもはずいぶん待った記憶がある。しかし、それも苦ではなかった。思えば、この乗り換えプロセスが好きだったからだと思う。
「この空間の感じがいい」とか言ってみたものの、最終的にはなにがいいのかうまく説明できない。しかし、読んでいるみなさんには申し訳ないが、この「なんでかわからないけど」っぷりにぼくは満足だ。すまん。
どうしようか迷ったけど、いちばん好きな乗り換え駅を紹介しちゃおう
前ページの、分倍河原駅における乗り換えのどこらへんにぐっとくるのかさっぱり説明できないっぷりに自分でもおののいた。まあ、1ページ目からわけ分かんないんだけどな。
ほんとうはいちばん好きな乗り換え駅は別にあるのだが、それはさらに説明不可能なのでここに書くべきかどうか迷ったが、書いてしまおう!それは南船橋駅である。
京葉線ホームから武蔵野線ホームに乗り換えるのが好き。特に夜が好き。
いやもう、なんだかやっぱり書くべきじゃなかったかもと思う「なんてことなさ」だな。
でも、なんか、いいんだよね、この南船橋での乗り換え。なんだろう。
ほんとに、なんでだろう。
この「最終電車」の表示がまたなんか、南船橋における乗り換えっぽくていい!ほとんど泣きそうになるぐらい。
わかりづらくてもうしわけない
Twitterでみんなの「好きな乗り換え駅」を読んでたときには、これはおもしろい記事になるぞ!って思ったけど、いざこうやってみると非常に分かりづらい。
いや、でも1000人にひとりぐらいは「わかる!」って人がいると思うんだ。
東京駅の中央線への乗り換えエスカレーターも、確かにいいけど、これはわかりやすすぎるんだよなー。
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