『旦那さまお手をどうぞ』シリーズ『旦那さま』と言ったからには、調教やお仕置きがありそうじゃないですか??? - (8月に初めて読んだ時の第1印象)題名に騙されて買ったけど、ソフトじゃん!(その時の感想) BL小説を読み始めの頃、古書店で『面白い物』を探す目安としていたのが 1.シリーズが続いているもの 2.値崩れしていないもの と言う事でした。このシリーズは、沢山出ていたし、題名が初心者には『ギョ』な割には絵が優しげだったので、買ったのですよ。 それで、最初は↑な感想だったのですけどね… ■旦那さまお手をどうぞ (あらすじ) 童顔でカワイイ藤野遥(22歳)は、入社したばかりの『エザキ』社長室で壷を割ってしまい、弁償の代わりに、ライバル会社の社長宅へスパイとしてもぐり込むことになった。 『エザキ』のライバル会社『AMZ』の社長、望月は、36才ながら会社をシェア一位に導いた敏腕。しかし極端な人嫌いで、自宅からパソコンで指示を出し、公的な場所へは一切顔を出さない男だった。 面接で入れたミルクティが気に入ったのか、遥を『執事』として雇う望月。 最初は無愛想で、機嫌の悪かった望月だが、火事で焼け出された遥を自宅に住み込ませる等、優しさを見せるようになる。 そんな彼に引かれていく遥だが、『エザキ』の社長は、AMZの情報を盗み出せと命令するのだった。 (感想) 『旦那さま』で期待はしない方はイイです。(笑) でも、遥が、『スパイ』の仕事よりも『執事』の仕事を勉強したり、頑張ってるとこを読むのが好き。(フジミでもそうだけど、自分が嫌いなのに主人公が家事をやってるシーンが好きなミラノ) 望月が人嫌いだったのは、足が悪かったのもあったのですが、遥にバレたせいで 彼もそれを隠さなくなります。というか、少しずつ偏屈が直っていくのも面白いです。 というほのぼのストーリーなのでした。 最初はそうだったのよね~~~(遠い目) ■旦那さまはご機嫌ななめ (あらすじ) 晴れて正式に望月の執事になった藤野。英国帰りのクイーンズイングリシュで接客もし、とても有能だ。 そして夜はカワイイ恋人の遥でもある。望月は遥にもう骨抜き。 しかし、その遥が、よく外出するようになった。 遥が前に言っていた『片思いしてる優しい男』と会ってるのか??? と、気が気でない望月。 遥が呼び寄せた出入りの食品業者も慣れ慣れしいし、望月社長、翻弄されっぱなし。 そしてアル日、とうとう遥が帰って来なくて… (感想) 「じれったいんだよう!」の第1弾! 初読の時は、その『じれったさ』が、この小説の楽しみだというのを知らずにイライラしてました。 (とか言っても、今でもそこは飛ばし読みだ!笑) その「片思いの優しい男」ってアンタのことってバレバレじゃん!!! そんなにハンサムで頭良くてカラダ良いのにわからないのが変だ!!! と、人ゴトながら言ってやりたい、お節介オバサンになっちゃうよ。(マジに取り過ぎだ!) でも、実はカワイイ遥が、過去に何度も陵辱されていた事が明るみになったり、 昔馴染みの変態?に誘拐されたのを助けたりと、大きな展開もありました。 遥の外出は、執事としての色々な仕事を勉強に行ってたというのも 健気なオチです。 二巻目にして早くもバカップルまるだしな年の差コンビなのでした。 ■旦那さまに赤い薔薇 (あらすじ) 突然不機嫌になった旦那様が、『出ていけ!』と、遥を追い出した。 以前から『来客に顔を出すな』と、言われて落ち込んでたのに とうとう嫌われたの?代わりに別の男の子を遥の5倍の給料で雇ってるし。 電話をしても切ってしまう。 どん底に落ちる遥。!!! (感想) と、『キャッチ』は↑ですが、遥の面倒はちゃんと望月の親友?の探偵、貝原が見てるのですよ。で 『絶対1人で外出するな』とか言って、わざわざ食料を持って来てくれるの。 …とくれば、「何か訳があるんだ。」くらい 気づけよ!!!はるか!!(じれったいんだよう!第2弾) 実は、海外のライバル会社が、AMZ社長望月の唯一のアキレスの踵である遥を誘拐する計画をしているって分かったから、彼を隠したのですけどね。 望月もさ、『出ていけ』とか言ったら絶対泣くんだから、ちゃんと 説明してやって下さいよ!なに熱くなってるんだ?アタシ? しかし、誘拐されたら売り飛ばされたり殺されたりするだろうに(実際、回されてるし) デートボーイの遥そっくりさんを身代わりにして平気な望月も利己主義だぞ。 このあたりから吉田珠姫の『鬼畜』さがだんだん表ににじみ出て来るのですね。(にっこり) ■旦那さまは危険な香り (あらすじ)イギリスに住む遥の父親が事故で怪我をしたという。わざわざイギリスから迎えの友人も来てしまった。 苦しみつつも、遥を一時的にイギリスに行かせてやる望月。 だけど、遥のいない生活はすぐに耐えられなくなって、彼もまた渡英するのだった。 やっぱり、じれったいのですよ。 遥は「両親には悪いけど、豪志さんから離れたくない!」と思い、でも言えなくて、 望月は、「(声を聞くと苦しいから)電話もかけなくていいぞ。こっちは気にするな」と言ってしまう二人なのでした。 「お互い!奥ゆかし過ぎ!ちゅーねん!!」(マサヤング風) そして、遥の英国の友人、ジムってーのがやたら強引で胡散臭いです。 なのに全然手も出してないらしいのが不思議だったりして。 離れてしまって『豪志さん不足』な遥が、酔うと日本人に『豪志さん~』と抱き付いてしまうなんて危なすぎですよ。あんまりだ! とにかく、この巻で、ちょっと遥が脱皮したようです。自分を出すようになったというか、実は淫乱になっちゃうところを見せるようになったというか…。その後の変化がお楽しみ~~~。 ■旦那さまに甘いキス (あらすじ) イギリスの遥の両親のうちの前に家を借りた(実は買ってしまっている)望月。 日中は遥もそこへ仕事に行くつもりが、女達や放送局が押しかけて大変。 一方、遥には、長年の(強引な)友人、ジムが迫ってきて… (感想) でもでも、実は、この『ジム』って幼馴染には、結構同情的なワタクシ。 いくら強引で、他の人間と遥との接触をじゃましたと言っても、おかげで英国時代は遥は守られていたわけだしさー。なんだか『ぼのぼの』のスナドリネコ君(いつも怒ってる)みたいで憎めない。笑。(遥は『イジメル?』と聞いてばかりのシマリス君ネ。人が良くて大きなデニスがぼのぼのでさ。…あ~マイナーにマイナーな例えをしても不毛だ~。) 今回は、遥のパパが理解二人をしてくれて、 『日本に連れて帰ってやって下さい。』と言ってくれたので、遥も半分肩の荷が下りたみたいです。 そのせいかどうか、どんどん遥が淫乱にカワイクなって大人の階段登ってる(笑)ところが、計画的だったのね~と、後で気付いたのでした ■旦那さまは愛の狩人 (あらすじ) 世界中で発行されている雑誌(『ライフ』みたいなもの?)の特集に『優秀な執事』である遥が『世界を支える10人』として特集された。 英国の両親にも喜んでもらって嬉しがる遥。 しかし、ジムが、デニスと、その父、ネビル・オーウェンを連れてやって来た。 望月が遥を不当に働かせているとし、遥をデニスの執事としてイギリスに連れて行くというのだ。 (感想) 救いのあったジムに対し、救い難い悪役として、エロおやじオーウェン登場です。望月がお金で片をつけようとしたのもいけないけど、オーエンは二人の事を母にバラすと威して来ます。実はこのオヤジ、前から遥を狙っていたのね。 遥もそれでいちいち動揺して望月を離れるなよ!(相変わらずお節介オバハン的ミラノ)という展開です。 しかしあまりじれったいと感じない(今回は『じれ~』位)のは、徐々に ウジウジ悩む時間(ページ)が、濃厚なエッチシーンに取って代わったからだと思われます。 最後に、望月が、心情を暴露して終了。つか、この二人、どんどん自分をさらけ出し合ってますね。笑。 巻末の『攻め』の条件ってーのが笑えます。つかうなずけます。 ■旦那さまは恋の共犯者 (あらすじ) 父が学会で帰国したのに着いて、母も日本へやって来た。 普段は無愛想な人間なのに、精一杯接待する望月。 遥は、母にもカミングアウトをすることに決心するが… (感想) 父より強い母です。ずーっと遥を押さえつけていたので、そのせいで遥は自己否定の強い子供になっちゃったんですね。(急に我に返って自己の育児を反省するな~~!!!) でも、実は、理解のある父のおかげで、カミングアウトは楽だったのですよね。 その代わり、印象に残っているのがクロテッドクリーム・プレイなのでした。 最初、ソフトなBLだと思ってた自分がカワイイです。 ■旦那さまに誘惑の罠 望月の過去の知り合いで美形の華僑、『リィアン』登場。 中華街の彼のお茶店で、遥にチャイナ服を着せるリイアンを胡散臭く思う望月。 一方、「実は好きだった」と、望月に告白する彼に遥はショック。 彼のバックにあのネビル・オーウェンがからんでいることを掴んだ望月は 単身リイアンの店に乗り込むが、店は実は男娼窟だった。 麻酔針で動けない望月をリィアンが襲い、その写真を遥に見せるオーウェンの悪巧みはどうなる??? (感想) ネタばれをすれば、この、望月のピンチは、またチャイナ服を着て、店の男娼に化けた遥がカンタンに救うのですよ(笑)。 でも、口の巧い、憎たらしいオーウェンに 「おじさん嫌い!(一応友達の父親なのでこれまで言えなかった。)」 とはっきり言えるようになったのは、立派な成長ですけどね。 それよりも、何よりも「なぁ~~~んだ」と思ったのが、 望月×遥の『執事服』プレイ。です。 「旦那さま、今、仕事中です」とあせる遥を 「お前は俺の執事なんだから、素直に言うこときけよ。」と後ろから襲う望月。 ……υ 吉田センセイ!これがやりたくて長々8冊も書いて来たんですね!!(決めつけ) 二人のもどかしさにマジ応援してしまった私がバカみたいなのでした。 ふっ…楽しませてもらったからいいですけどね。(投げやり) でもでも、恐ろしい事に、これで終わりとは書いてないので これ以上、このバカップルがどんな道に突き進むのか、これはミラージュの結末とは別の意味で、目が離せそうにないミラノなのでした。 ■『性悪猫』ー旦那さまシリーズ番外編 最初は 『受けがカマトトっ子過ぎてもどかしくていやだ』 と、言っていたのに、 でも良く見てみると(読むんじゃなくて挿し絵ってとこがお馬鹿) 『攻めが土方さんタイプでメチャ好みvv』 ということに気付いて、 あれよあれよと言う間に、シリーズ全巻買ってしまっていた このシリーズ。今回は番外編です。 シリーズ第3作『赤い薔薇』で、望月(旦那様)が、ライバル会社が誘拐を企んでいる情報を得た時に、愛する遥(執事)の身代わりとして立てたウリ専の育也クンのその後なお話ですね。 そうそう、あそこはね~、結局身代わりに誘拐されて輪姦されたのですよね。 『いくら自分の恋人を守る為とはいえ、 いくらそう言う事になれてるウリ専の子とはいえ、 いくら仕事として、大金を積んでいるとはいえ、 命だって危ないんだから、 あんまりな設定だ~~~。育也可愛そう~~。』 と、思っていたのですよ。 ですから、一応仕事とはいえ被害者だった育也君がシアワセになって、良かったです。 しかし、育也と、その彼と…ママさんと…3人分の稼ぎがあるんですかね~。あの小さなバーで…(セコイ心配) でもまぁ、望月がいるから大変だったら助けてもらっていいでしょう。命危なかったのですから。 育也が自分のコスプレ衣装を遥に着せまくるシーンが 無駄な様でいて、実はとっても重要というか作者さんのこだわりなんだなーというのが この方の小説を10冊以上飛んだ今、やっとわかって来ました。(笑) ■『旦那様と灼熱の夜』 ・・・どんどんエッチがエスカレートしているこのシリーズですが まさか、露天ブロで、人目も気にせずやっちゃうとは思いませんでした・・υ。 昔は 「イタイケな執事が、仕事には有能だけど人付き合いの下手な旦那様のココロをときほぐしていくお話」 だったのに、 どんどん 「実は旦那様ってば、カワイイ執事にメロメロで、2人してどんどんエロエロな世界に突入していく~」 お話になってます。(ワハハハハ・・) ■今回は、これまで一度もひとりで夜に出かけたことのなかった旦那さまが、 行き先を告げずに出かけては夜中帰らず、次の日の遅くに帰って来てはまた出かけていくという『浮気疑惑!!』から始まります。 でもでもでもさー、ボーイズラブって、こーゆー『浮気疑惑』って、絶対勘違いじゃないですか。たまーに『当たり!!!できごころで浮気しました』ってー展開にはならないのでしょうかね~~。(嫌過ぎる??) サガンみたく、浮気したんだけど、朝起きて男の子がメチャクチャゲッソリしたから(ちょっかいかけた女の子の)負け~~。(ちなみに彼女も浮気してます~)のはダメ??? 安心して読めるから良いのかしら??だから『NANA』で、章司が浮気して本気になって奈々を振ったのが、スゴク印象的だったのでしょうか?? まあ、こちらの 『浮気疑惑』そこそこに納まってくれて、ちょっとあっけないくらいだったのですが その後の、 群馬の老人ホームに入っていた旦那様の生みの母親を探しに行く展開が、なかなか良かったです。 で、温泉エッチなんですね。先生・・・ その為に老人ホームの設定を群馬にしたんですか??? しかも、普通のBL小説では、『プライベート露天ブロで』ってーのはよくありますが、『大浴場+湯気の向こうに他の客』ってーのはスゴくないですか??? で、母親にも名乗り出てもらって、結婚式にも出てくれることになって・・・次は結婚式なんですね。 巻末収録は、旦那様がまだ遥(執事)に手を出す前の葛藤話書いてありまして・・・笑えます。 |