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2008年03月20日
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さて、「かみぽこ政治学」です。
今日は「続・日銀人事に思う」ということで
いきたいと思うのだけれども、
もう政局は書きません。(苦笑)

書き尽くしているのでね。
あとは結果を静かに見守りましょう。

さて、日銀総裁人事については、
「武藤案」不同意の後、政府・与党が

「田波耕治国際協力銀行総裁」

を、提示したが、
やっぱり野党は不同意だった。
そして、ついに

「戦後初の日銀総裁空白」

という事態に至ったわけだけどね。

それで、与党がいかん、野党がけしからんと
喧々諤々だと思うわけだけれども、うちは

「まあ、これを機会に日銀総裁とはなんなのか
じっくり考えてみたらいいんじゃないの?」

と、言ったわけだから、
のんびりといきたいと思う。(苦笑)

ところで、喧々諤々とやって
お疲れ様な方々は

「田波耕治って誰?」

って、聞かれたら、

「そういえば誰だっけ?」

って言う方も
多いんじゃないかと思う。

これまでのキャリアで
国際金融の表舞台に立つことは
なかったわけだからね。

まあ、国際協力銀行総裁だけど
あれは国際金融というより
国際開発のほうだからね。

もちろん、事務次官経験者だから
名前は知られているだろうけど
まあ、経済のほうで議論している方々は
あんまりなじみがないだろうね。

ここは政治をやってる
私たちの出番となる。(苦笑)

ということで、今日は
かつて「大蔵省改革・日銀法改正」、
つまり、

「財政と金融の分離」

を、博士論文として
書いた経験がある私の視点で

「田波耕治ってどんな人?」

について書いてみたいと思う。

民主党は、政府・与党が提示した
「田波案」については、
こんな風にコメントしている。

「財政・金融政策は分離するべきで、
旧大蔵省出身者は認められない」
「国際金融の実務経験が不明」
「長銀・日債銀破たんの際の事務次官」

うん。。。

まあ、政治っていうのは、
こういう言い方になってしまうのは
仕方ないかと思うけれどもね。

ただ、今日はのんびりと行こうと
いうことなので、
田波氏の経歴について
もう少し細かく見ていきたいと思う。

たぶん、これはネット上では
ほとんどどこにも
紹介されていないと
思うのだけれどもね。

「過去、田波氏と日銀の接点はあった」

ということなんだよね。

私の博士論文、および本屋の隅に
ひっそりと1冊あったりする(苦笑)
学術雑誌に載った私の論文に
書いてあるんだけれども、
田波氏には

「中央銀行研究会の事務局」


という経歴がある。

「中央銀行研究会」というのは、
前回のエントリーで書いた
武藤氏が大蔵省側の折衝の中心となった

「大蔵省改革与党プロジェクトチーム」

の検討が終わって
「日銀法改正」について
一応の方針が決まった後に
設立された
首相直属の諮問機関である。

これは、与党プロジェクトチームでは
方針は決められても、
法案化までの細かい作業をする
自信がなかったということで
金融行政の専門家を集めて
設立されたのだけれどもね。

その事務局を田波耕治が務めていた。

事務局とはなにをしていたのかというと、
田波の下で大蔵省銀行局のスタッフが
中央銀行研究会の議案を作成し、
専門家を研究会に招致し意見を聴取し、
質疑応答の後、議事録を作成し、
次回の議案を作成するという
作業を繰り返して
最終的に報告書を作成し、
橋本首相に提出したわけだ。

金融行政の専門家として集められた
中央銀行研究会の委員は
実質的に質疑応答に参加するだけで
議論は議案作成から報告書まで
この田波率いる事務局が
事実上コントロールしていたわけだ。

要するに、前回のエントリーで
私は武藤敏郎氏について

「日銀法改正の方針を決定する際、
政治家との折衝を先頭に立ってやった人」

と書いたわけだけれども、
この田波耕治氏について言えば、

「日銀法改正の法案作成そのものに
中心となって取り組んだ人」

と言えるわけです。私は、

「官僚は、自らが作成に関わった法律に
強い思い入れを持つ」

という、「かみぽこ官僚論」(?=苦笑)を
提唱して、官僚という人たちは
なんでもかんでも改革には抵抗という
単純な人たちではないよと
言っているわけですが、
田波氏というのは武藤氏以上に
現行の日本銀行法には
強い思い入れを持っていると
考えられるわけだ。

ちなみに、この中央銀行研究会で
田波氏がどんな議案をセットし、
議論をリードしていったかと
いうことなんだけどね。

第2回「日銀法改正の歴史的背景と、
日銀の通貨政策の現状」
第3回「中央銀行制度の各国比較」
第4回「日銀考査、日銀の目的および外為への介入権」
第5回「中央銀行の独立性とは何を意味するか」
第6回「政策委員会の位置づけと構成の見直し」
(第7回はそれまでの議論の整理。)
第8回「政策委員会のメンバー構成」

ブログでこれ以上書くのはあれですが、
非常に多岐にわたって
詳細な議論が行われたわけでね。

だから、田波氏の実像は
巷のイメージとは全く違っていて
日銀の業務と日銀法について
非常に熟知した人物であると
いうことだ。

それと、田波氏が大蔵事務次官を務めた
1998-99年ですけどね。

確かに、長銀・日債銀が破たんしたのだけど
その時期というのは同時に、
「金融再生法」「金融早期健全化法」を成立させ
「金融監督庁」が発足するなど
不良債権処理の包括的枠組が
完成した時期でもある。

「金融ビックバン」が本格的に
取り組まれた時期でもある。

確かに、田波氏には事務次官として
長銀・日債銀破たんの
責任があるのかもしれないけど
金融行政を大きく転換させた時の
事務次官でもあったわけでね。

要は、田波耕治氏という人は
国際金融の役職経験こそないが、
金融行政へのかかわりは
明らかにあったわけだし、
特に、現行日銀法については、
最も熟知し、最も思い入れを持った
人物であるとは言えるだろうと思う。
だから、武藤氏以上に

「日銀の独立性と財政政策の整合性」

について、現行日銀法の運用の範囲内で
一定の節度を持って取り組むはずであり、
大蔵事務次官経験者だからといって、
日銀の独立性を制限するように行動すると
単純には言えないと
私は思いますね。

確かに、福田首相の

「民主党が受けないのがわかっている
財務省出身者をわざわざ提示した」
「ただでさえ一般国民に不人気な
財務省出身者でダメになったのに
また財務省出身者を出して
多くの一般国民がとほほ。。。と思う」

という、救いようのない
政治的センスの欠如は
悲しくなるけれども
田波耕治氏という人物自体に関しては
「武藤氏の後に出してきた
更に不適格な人物」という評価は
正しくないだろうと思う。

国際開発の経験を通じた
海外での人脈、語学力
理論派の副総裁2人を
率いるにあたっての
高い調整能力への評価を
考慮してもね。

なんとなく、武藤氏も田波氏も
政治的に翻弄された
被害者という感じがしますね。
ただ、

「優秀なんだけど、スケープゴートにされる人」

が出てしまうという理不尽も、
また政治の一部なんですよね。

今回、武藤氏も田波氏も
その人物評価が
ほとんど正当に
なされなかったことは
残念ではあるけれども、それでも

「財政と金融の分離の観点から
財務省の主計局関係者は
日銀総裁になれない」

という、シンプルにして
はっきりした基準が
示されるのであれば、
それはそれで
1つの明確な政治的決定だと
評価できるものだとは思う。

結局なのだけれども、
どんな改革に取り組んでも

「これは必要な業務だから」
「これは適材適所だから」

という、詳細な議論をしているうちに
改革はなし崩しに後退してしまうものである。

むしろ、改革を進めるのは、
ごちゃごちゃした専門的な議論でなく
政治のシンプルな行動だったりするのだ。

小泉さんの郵政民営化がそうだったようにね。。。(苦笑)

財金分離は、戦時中に
いわゆる国家総動員体制下で
日銀法が改正されて以来、
ずっと問題になってきたことで
1997年に日銀法が改正された後でも
果たして日銀の独立性が
どこまで確保できたのか
いまだに曖昧だ。

「財務省事務次官経験者の
日銀総裁就任を国会が不同意」

という、政治的に象徴的な事件が起こって
初めて日銀改革は明確な一歩を
踏み出すのかもしれないと思います。

経済・金融通の方々には
ご納得できないことだと思います。
お気持ちはよくわかります。

しかし、それが政治なのです。
いつもここで言っているように、

「政治は、経済合理性を超越した
バカなことを決めることで
世の中を丸く治めることに
その真髄がある」

わけですから。(苦笑)

それでは、またね。

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「かみぽこ政治学」バックナンバーはこちら。





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最終更新日  2008年03月20日 13時16分01秒



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