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2011年09月01日
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 最近のラノベ原作アニメのDVDやBlu-rayの特典には、原作者による外伝などの冊子が入ることが多くなっています。
 これが恒常化したのは、おそらく『とある魔術の禁書目録』シリーズ。外伝の『とある科学の超電磁砲』なども含め、初回版に入っている原稿の総量を合わせるとどうやら文庫本2冊ぶんぐらいになる模様。しかしながら、これは『速筆という異能』を持つ鎌池和馬という原作者だから出来ることで、他の作家がそうそう真似できるものではありません。

 が。

 いま、この『特典商法』が作家を潰そうとしています。

 ごく最近でしたら、『IS《インフィニット・ストラトス》』の作者である弓弦イズルさんが、OVAの特典小説を落としました。他、ここ最近アニメ化された作家さんの連載が止まり続きを待たされているファンも多いと思います。

 しかし、いちど上がったハードルは商売的に下げられません。自分は元々特典とかグッズ商売に懐疑的な立場を持っていましたが、本道のはずの作家活動に『著しい支障を来す』のは本末転倒です。
 ただ、電撃系列は『もう盛大にやってしまった』し他の出版社もアニメ化などのビジネスチャンスに体面を失うわけにもいかず、結果として『作家の連載の執筆リソースをDVDやBlu-rayの特典に回す』という本末転倒が発生し、弓弦イズルさんが『ついに破綻した』というもの。
 これは弓弦センセがたまたま(悪目立ちしていて)最初だったという話で、これを教訓にしないと『アニメ化すると連載が止まる』というだけではなく、『ブラック企業もかくやという無理を強いる』という状況に繋がります。

 『イマドキノワカイヒト』は、すぐに壊れるかくじけるか逃げるのではないでしょうか。

 私はまだ『精神論』が一つの論理として成り立っていた世代なのでそこそこ耐性がありますが、バブル崩壊後の『打たれ弱いナントカ』、あるいは売れて舞い上がって足下を疎かにしているワカイヒトやデビューがスタートラインだということに気づいていない人には、多分ナンセンスでしょうし反感を持つこともあると思います。しかしながら作家というのはそういう仕事でありそれ相応の理解と覚悟が無いと成り立ちません。

 先ほどの弓弦さんの場合、自分のキャパシティを把握せずに受注したことにまず問題がありますが、管理できない編集部にも問題があります。商売が出来るアニメ化などの時期に本編を書けない環境にしてしまうということは、結局オワコン化や人気の失速を招きます。結局、作家も出版社もファンも得をしない誰得展開になりがちです。

 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の伏見つかさセンセは、スケジュール管理という側面から見るとその辺はものすごくプロフェッショナルでした。スケジュールに激しいブッキング痕は見られませんし(実際はあったと思う)、アニメの終了までにゲーム化などのマルチメディア展開をきっちり行って、アニメの放送(TVではなくネット配信のほう)の終了時期に合わせて小説本編のほうも『本筋』をきっちり畳み、近年まれに見る綺麗な着地をしています。その効果は……具体的にはこの夏コミで、本当に『ごっそりと俺妹本が減った印象』に反映されているのではないでしょうか。綺麗に売り切らないとこうはなりません(それでいて次期アニメ化の種はちゃんと仕込まれている)。

 鎌池センセが悪いという話ではありません。しかし原作者の仕事量を一気に増やした遠因はこの方にあると思いますし、その基準で特典商売を薦める側にも問題あります。ちゃんと『商売として成立させる』なら、今一度足下を見直す必要があるのではないでしょうか。

 ちなみに以前『サクラチル』としてポストした時の『知っている編集部の知らない編集さん』からオファーのあった『アシスタント』って、どーもこの辺の特典周りの『代原レベルの話』だった疑いが濃厚です。編集部内で他の担当作家に別の編集者が手を出すのはタブーなので、(極小の可能性としての)連絡不行き届きでなければ、まさに『手段を選べないぐらいケツに火が付いた状態』だったのだと邪推(あくまで邪推)しますが……。

 いずれにせよこの辺の話は闇に葬られる系統で比較的使い潰されることが多いので、エロゲ作っていた時もそうですけど、こういう『火消し屋』は個人的にご容赦願いたい。今でも文庫本一冊ぐらいなら初稿を7日間で書ける速度をキープしているけど、そういう問題じゃないので。






 まあ……一度膨大な特典を得たファンがサービスの継続を望むのは分かるけど、定期的に出続けるDVDと違って小説は年間4冊出るかどうかというもの。『アクセル・ワールド』の川原礫さんぐらいですよ、2ヶ月に1本ちゃんと出しているの。でも、それも「元々ウェブに載せていた原稿があったから」と本人が後書きで言っているので、ストックが無くなれば当然ペースは落ちます。そこに、特典用に年間で文庫1冊分の作業増やしたらどうなるか?
 ファンも自覚的に、特典商売について見直す時期だと個人的には思います。コミケの企業ブースとか本当に異常にしか見えないので。
 まあそれも商売なのですけど。





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最終更新日  2011年09月01日 22時01分29秒
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