WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。
RIAAの新たな対ファイル共有戦略が開始されたよ、というお話。この新しい戦略は、訴訟に持ち込む前に警告状を送付し、和解を選択するか、提訴されるかを選択させるというもの。これまで著作権団体による法的措置によって和解を迫られた人達は、平均して30-40万円前後を支払わされてきたけれども、RIAAはこの手続きを簡略化し、訴訟によらずに和解を実現できるとしている。しかし、このような戦略は何を意味しているだろうか。これまでの、RIAAの訴訟による恐怖戦略は全く通用してこなかったのは違法ファイル共有ユーザの増加を見れば明白である。つまり、このような戦略を推し進める彼らの真の目的は、別のところにあると考えられる。訴訟に持ち込まないことで、本当に著作権侵害が行われていたかどうかの証明をせずに、ユーザから多額の現金を引き出せるのだ。RIAAは、これを反海賊戦略ではなく、新たなビジネスとして考えているのだと思われる。ISPへのメール1つで数十万円の現金を引き出せるのだ。そして、P2Pファイル共有ユーザは世の中に1,000万人以上いるとみられている。そして、現在RIAAは、何の法的根拠もなく、P2Pファイル共有ユーザをISPを通じて脅迫している。
原典:MYCOMジャーナル
原題:MP3交換で訴えられてもオンラインでディスカウント決済&訴訟回避 - 米RIAA
著者:湯木進悟
日付:2007/3/5
URL:http://journal.mycom.co.jp/news/2007/03/05/002.html
RIAAは、EMI Music、SONY BMG Music Entertainment、Universal Music Group、Warner Music Groupなどの大手レコード会社を代表して、先月末に今回の警告書を送付。アリゾナ州立大学(Arizona State University)、オハイオ大学(Ohio University)、マサチューセッツ大学アムハースト校(University of Massachusetts - Amherst)、南カリフォルニア大学(University of Southern California)など、全米の13に上る主要な大学で、学生のP2P利用によって違法に音楽ファイルが交換されたとして、違法行為に携わったとされる400人以上の大学生に宛てて、実際に訴訟手続きを取るとの警告を発している。ただ、こうした訴訟手続きは、非営利の著作権侵害ユーザを刑事犯とはいえない米国においては、民事上での損害賠償請求を行う、というものであろう。そして、そうした手続きを行う前に、和解に応じるのであれば、P2P Lawsuitsを利用した簡便な賠償金の支払いに応じるべし、そうすれば、訴訟を起こすことも、あなたの著作権侵害が他の人に知られることもない、時計国情では述べられている。
新たにサービスインとなったP2P Lawsuitsでは、警告書に記されたID番号「Case Identification Number」を入力すると、MasterCard / Visa / Discoverのクレジットカードを用いて損害賠償金のオンライン決済が可能。訴訟に要する多くの費用をカットできるため、P2P Lawsuitsでの決済に応じるならば、大幅にディスカウントされた損害賠償金の支払いで済ませることができ、分割払いにも対応するとされている。この記事以外にもITMediaも同様の記事を掲載しており、この件について知っている人も多いかもしれない。しかしこの記事から、このRIAAによる新たな戦略に多少の違和感を感じたとしても、その本当の目的をはかり知ることは難しいかもしれない。MYCOMジャーナルでは、RIAA側の主張を額面どおり掲載している。このオンラインでの賠償金の支払いがディスカウントされる理由として、訴訟に要する多くの費用をカットできるため、としている。
なお、RIAAは、たとえ違法だと知らずに音楽ファイルを交換していたり、過去に違法に入手した音楽ファイルを全消去したりしても、今後の訴訟手続きを免れることはできないと強く警告しており、大学生の間で蔓延する違法行為に対して、厳しい姿勢で臨んでいく方針を打ち出している。
コメント