WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。
以下の文章は、TorrentFreakの「LimeWire Shuts Down After Losing Court Battle With The RIAA」という記事を翻訳したものである。
原典:TorrentFreak
原題:LimeWire Shuts Down After Losing Court Battle With The RIAA
著者:Ernesto
日付:October 26, 2010
ライセンス:CC
by-sa
米連邦裁判官がRIAAの請求を受理したことで、Gnutellaベースのファイル共有クライアントLimeWireはその全ての活動を停止した。LimeWireはユーザによる著作権侵害を防止するため、その全機能を無効にするよう命じられた。この判決は、P2Pファイル共有界隈にかつてないほどの影響を及ぼすことになるだろう。
数ヶ月前、RIAAはニューヨーク地裁に対し、世界で最もインストールされているファイル共有アプリケーションLimeWireを停止するよう請求した。レコードレーベルは、LimeWireが数億ドルもの逸失利益を引き起こし、音楽産業にとって最大の脅威になっていると主張した。
本日、RIAAの請求は連邦裁判官によって受理された。差し止め命令によると、LimeWireはLimeWireユーザによる「著作権侵害を故意に助長し」、「圧倒的に侵害の用途に」用いられ、同ユーザによる「侵害の規模は甚大である」ことも知られている、としている。
さらに、LimeWireがかつてのNapsterユーザ向けに市場に出されたこと、そのビジネスモデルが大規模な著作権侵害に依存することについての証拠も示された。
ニューヨーク地裁はLimeWireに対し、同クライアントにおける検索、アップロード、ダウンロード等の全活動を停止するよう求めた。LimeWireを起動すれば、それがもはや使い物にならないことに即座に気付くだろう。
LimeWireクライアント内通知
これは公式アナウンスです。LimeWireは裁判所の差止め命令を受け、このファイル共有ソフトウェアの配布ならびにサポートを停止いたしました。許諾のない著作物のダウンロードまたは共有は違法行為となります。
この判決は、ファイル共有の世界を永久に変えうる可能性をはらんでいる。数年前よりBitTorrentが主要なファイル共有プロトコルの座についているが、LimeWireはP2Pファイル共有市場において最もインストールされている。2008年の調査では、第2位のuTorrentがインストールベースでのP2Pアプリケーション市場占有率14%だったのに対し、LimeWireはなんと37%であった。
RIAAが法廷においてLimeWireに勝利を収めた今、数百万のユーザが別のダウンロードクライアントを探さなければならないのだろう。ともすれば、メジャーなBitTorrentクライアントのユーザ数を急増させることになるかもしれない。
一方、LimeWireに類似したソフトウェアは、本日の判決によってネガティブな影響を被るかもしれない。差止め命令において、FrostWireやMP3RocketなどのGnutellaクライアント、そしてuTorrentやVuze、Transmissionを含むBitTorrentクライアントが「類似したソフトウェア」と記述された。このどれかが次のターゲットになるのだろうか?
RIAAはTorrentFreakの取材に対し、今後のターゲットについては言明しなかったものの、以下のようにコメントした。「裁判官が差し止め命令に署名したことにより、LimeWireならびにマーク・ゴートンに莫大な利益を与えた大規模パイラシー・マシーンから解放されることになるのです。」
「1月には、LimeWireシステムを通じて行われた膨大な違法ダウンロードに対し、レコード会社への補償に必要な損害賠償額を決定するための審理が開始されます。」とRIAAは付け加えた。
今日の判決はLimeWireの終焉となるのだろう。しかし、近いうちに「非侵害的な」サービスとしてこのブランドは再登場するんだろう。(Napsterのように)
差し止め命令
日本でも「LimeWire 繋がらない」とか「ライムワイヤー」がGoogle急上昇ワードになるくらいには、影響はあるみたい。一応、日本でも一番人気のプロトコルの主要クライアントだしね。
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