WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。
以下の文章は、TorrentFreakの「'Song of the Year' Winner Says Downloading is "Amazing"」という記事を翻訳したものである。
原典:TorrentFreak
原題:'Song of the Year' Winner Says Downloading is "Amazing"
著者:enigmax
日付:August 03, 2008
昨年、大躍進を遂げたアーティストの1人が、昨今増えつつある、自らの音楽を共有されることを気にしないアーティストたちの輪に加わった。ミリオンセラーを達成し、MOJO Song of the Year Awardを受賞した24歳のボーカリスト、Duffyは、2年前からダウンロード興味を示してきた。「それはすっごいことなのよ」と彼女は言う。
メディアの報道が信じうるものであれば、とあるアーティストたちは、高価なデザイナーの服をまとって大規模なパーティに出かけ、高価なシャンパンを飲み、高級車を乗り回したりすることに、彼らの時間の大半を費やす。そして、その残りの時間を、海賊行為への批判に使う。一般的なアメリカ人にとって、そんな彼らを気の毒だと感じることはあまりに難しいだろう。それはライフスタイルのズレにあるのだろう。しかし、すべてがそう、というわけではない。
ここ最近、我々は音楽ビジネスにおける一部のビッグネームたちが、ファイル共有に対してポジティブな態度を持っていることをお伝えしてきた。Nine Inch Nailsはその中でも、おそらく最も遠慮のないアーティストだろう。50 Centや、ファイル共有を「brilliant」といったJoss Stoneも これに含まれる。また、'Travis'もファンが共有していることをハッピーだという。
現在、Shortlist誌のインタビューで、ミリオンセラーでMOJO Song of the Year Award受賞者のDuffyは、彼女が2年前からダウンロードに興味を持ち、それを「amazing」だと述べている。
DuffyのデビューアルバムRockferryは、ミリオンセラーとなり、英国では今年最大のアルバムセールスを誇っている。リリース第1週にして18万枚を売り上げた。同アルバムは、米国でもリリース第1週に7万2千枚のセールスを記録し、ビルボードチャートでも第4位につけている。また、彼女の「Mercy」という曲は、YouTubeで1,760万回以上再生されている。(ちなみに、私はこの曲と「The Game」のjust-for-fun remixが好きなのだが)。
しかし、あなたがアルバムを購入するだけのお金を持っていなくても心配は御無用だ。Duffyは「合法」対「違法」ダウンロードに関して、かなり進歩的な考えを持っている。「いつだったか誰かに聞かれたのよ。違法ダウンロードをどう思うかって。私はね、『あのさー、そんなこと気にしてなんかないわよ』って感じ。だって、そうしてるのはほとんどがキッズたちでしょ?その子たちが大人になって、お金を稼ぐようになれば、きっとレコードを買ってくれるわよね。それにね、(訳注:違法ダウンロードのおかげで)音楽がみんなの生活の一部になってるじゃない。」
Duffyは、音楽へのアクセスが非常に重要である点を強調する。彼女自身、子ども時代に住んでいたところは音楽へのアクセスが容易ではなく、良いレコードストアに行くには2時間もかけねばならなかったとか。
彼女は今現在の世界の大きな流れに関して、実際的な見方をしている。「えっと、だからね、2つのやり方があるとして。何にだって良い面も悪い面もあるの。それは違法なアクセスを作りだすんだーって人がいてもね、それでも私は、もっと大きいところでうまくいってるんだって思うの。わかる?基本的に、それはみんなにアクセスできるようにしてくれる。だから、とってもポジティブなものだと思うし、それで何が傷つくの?って思うの。」
「(違法ダウンロードのおかげで)音楽がみんなの生活の一部になってるじゃない。」
Shortlistのインタビューを読んでみたけれど、なかなか面白かった。
確かにキッズたちは5年、10年たてば、音楽にお金を出すことを厭わなくなる、違法ファイル共有で入手することのコストが、お金を支払うというコスト以上にコストフルだと感じて、または、倫理的によろしくないよねと感じて、お金を支払うようになるかもしれない。ただ、個人的に思うところとしては、こうした行為が習慣化し、ある種の著作権を軽視した考え、概念を植え付けることになるのではないか、とも思えてならない。もちろん、それがどうなるかはわからない。5年、10年、20年経ってみないとわからないところもあるだろうし、今の私にしても、そんなことは杞憂だよとい考えもあったりするのだが。うーん。
あともう1つ、上記記事でリンクされているYouTubeのDuffyのPVは公式にPolydorから提供されているものなので、問題はないのだけれども、Embed禁止のコンテンツだったりする。まぁ、確かにDuffy的はOKなんだろうけど、と思ったり。いろいろ難しいよね。
まぁとにもかくにもDuffyは私も大好きなので、是非とも聴いていただきたい。ともすれば、回顧主義っぽいガールポップではあるのだが、それがどうした!というくらいに、クールだし、パワフル、決して過去の焼き増しと切って捨てるほどのクオリティではない。なんてまどろっこしいことを書いているけど、単純に「好き」なだけなんだけどね。
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