The PirateBay、ISPに対しAllofmp3へのユーザの接続を求め圧力

国内では、金子氏の有罪判決にネットニュースが湧いているけれど、個人的にはこっちのほうが衝撃的な話題。世界最大手のトラッカーサイトであるthepiratebay.orgとその母体であるpiratbyran.orgが、ユーザのAllofmp3へのアクセスを遮断しているISPに対して、それを解除しユーザのアクセスを可能にすることを求めている。それが受けいられない場合には、該当ISPからのthepuratebay.orgへのアクセスを遮断し、それによってユーザが別のISPに移るだろうとし、ある意味ではユーザを盾にISPに脅しをかけているという格好であるよ、というお話。やることが本当に海賊じみている気もするが、ファイル共有ネットワークの側が業界団体に圧力をかけるというすごい衝撃的な話だ。

原典:piratbyran.org
原題:Perspektiv Bredband blocks internets - right back at ya!
著者:署名なし
日付:December 12, 2006
URL:http://piratbyran.org/perspektiv/english.php

スウェーデンのpiratbyran.org (海賊局)およびthepiratebay.orgは本日、スウェーデンのISP Perspektiv Bredbandに対して、彼らのユーザがロシアのサイトAllofmp3.comへのアクセス遮断を停止し、ネットを介したアクセスを可能にするよう強く求めるキャンペーンを開始ました。

スウェーデン最大手の共有文化のサイトとしてthepiratebay.orgは、検閲行為を行っていないISPにユーザを乗り換えさせることで、間接的に非常に強力な消費者による圧力をISPにかけることができます。現時点で、Perspektiv Bredbandのユーザは、スウェーデンの最良のトラッカーを利用することができません。

piratbyran.orgおよびthepiratebay.orgは、ネット中のwebmsaterに我々と同じように(彼らからのアクセスを排除)するよう訴えます。技術的な詳細とphpスクリプトは以下にあります。

スウェーデンおよびオランダの反海賊行為団体との意見交換の後、Perspektiv Bredbandは、彼らのスウェーデンおよびオランダのユーザに対してAllofmp3.comへのアクセスを遮断しました。Allofmp3.comは合法的に利用できるため、スウェーデンにおいては、そのような遮断を行う法的な根拠はありません。Perspektiv Bredbandは、プレスリリースでそれが法的な見地からではなく、モラルによってそうしていると明確に述べています。

この種のモラルによる取締りは、コミュニケーションのためのすばらしいアリーナであるインターネットのあり方の本質的な部分への攻撃です。インタ^ネットはインフラのその愚鈍さゆえに力強いスペースとなっており、何の疑いをかけられることもなく、AからBにデータは転送されます。コンフィギュレーションとインテリジェンスはエンドユーザに任されているのです。転送されるものを選択するのは、私とあなた次第なのです。それはISPでもなく、中国人でもなく、あなたの自身の政府でもありません。

ISPが不適当だと判断したコンテンツをブロックするという選択をすることは、恣意的な検閲と旧世界のコミュニケーションに下る日陰の道への第一歩です。我々はそのような状況を望みませんし、Perspektiv BredbandのようないかさまISPはすぐにでも経済的な破産に陥ることを祈っています。彼らの技術的な破産は、もうご覧のとおりでしょう。

Perspektiv Bredbandはまた、Eslövs Stadsnät、Malmö StadsnätとLunds Stadsnätとしても知られているでしょう。

thepiratebay.orgもpiratbyran.orgも、これらの行動によって、Allofmp3.comに関連したいかなるサポートをも示すつもりはありません。ただ、私たちはインターネットが大好きなのです。

私たちは、Perspektiv Bredbandのサブネットから簡単にアクセスを遮断するために、PHPスクリプトを提供します。index.phpのトップ以外のところにはおかないようにしてください。他のプラットホームの方は、サブネットをスクリプトから抽出して、適切な方法で使用してください。

(スクリプト部分は省略)

もしあなたがPerspektiv Bredbandをブロックしたのなら、Piratbyrånまでe-mailにてお知らせください。(emailアドレスは省略)
いや、本当にビックリ。概要を説明すると、このISPはIFPIからの要請を受けてAllofmp3への接続をブロックしたことで話題になったけれど、それに対してthepiratebay.orgとpiratbyran.orgが、そのブロックを解除せよと要求しているわけです。それに対抗してPirateBayも該当ISPユーザからのthepiratebayへのアクセスをブロックしたと発表し、明言はしていないけれど、要求が受け入れられなければ、このままだぞという脅しをかけたものかと。極端な話かもしれないけれど、thepiratebay.orgを利用できなければ、世界のtorretの半分を利用できないも同然になる。そうなればユーザはそんな窮屈なISPより他のISPに移るだろうとして、間接的に圧力がかけられるといった状況なのです。しかも、他のトラッカーにまで参加を求めていたりもします。

とはいえ、ISPは絶対にこの要求を呑まないだろう。ある意味テロみたいなもので、要求に屈することは今後もそれによって要求をし続けられるということ。面子も立たなければ、今後の対処も難しくなる。おそらくthepiratebay.orgとpiratbyran.orgの側もそれを承知でこんなことを要求をしているのだと思う。まぁ、そういう行動自体が、要求されたこととは別に圧力となるわけだし。

確かに検閲は問題だと思う。検閲が必要なくらいのサイトなら、合法的にそのサイトを閉鎖に追い込めばいいわけだし、それができないからといってアクセスさえ許さないのであれば、中国と同じことだったりする。たとえ国内基準では違法なのだから、そうしてもいいのだといっても、中国だって国内基準で違法だからそうしているわけで、全く同じ構図になる。社会主義と自由主義の違いなだけでね。

thepiratebay.orgとpiratbyran.orgは、あくまでもallofmp3に対する直接的なサポートではなく、インターネットを愛するゆえの行動、つまり恣意的な検閲行為に対する改善要求だとしている。この辺は、thepiratebay.orgのプレスリリースのほうが明確になっている。ただスウェーデン語でよくわからないので、TorrentFreak.comの英訳を引用する。
スウェーデン最大手のwebサイトとして、我々は黙って座して、私たちの基本的な権利を制限されるのを見てはいられません。我々がインターネットであっても、当たり前のよい社会であることを望むならば、必要とあらば互いに立ち上がり、勇気を示さなければなりません。

慎重に検討した結果、我々は初めて、ISPのマネジメントを理由にそのISPをブロックする事を決定しました。ISP*Perspektiv Bredband*は、強力なメディア企業に非現実的な考えを吹き込まれた非常に議論の的となる企業です。彼らは自身の顧客の情報の自由を奪い、我々の目には、独裁と検閲に当たるようなことをしているように見えます。

*Perspektiv Bredband*には、自らのネット上で自らが望む世界中のいかなるサイトであれ、ブロックする権利があります。そして、彼らの顧客には、集合的な良心を請け負うような仕事を行わない、世界中の新しいISPに移る権利があります。

あなたにはこの件について意見がありますか?(以下Perspektiv Bredbandの電話番号なので省略)
どの程度本当かはわからないけれど、それでも今後の展開が気になるところである。

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