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ソニー、モバイルノート「VAIO type G」発表会
~目指したのはストレスフリー

11月1日 開催



 ソニーは11月1日、ビジネス向けモバイルノートPC「VAIO type G」の製品発表会を都内で開催した。

 VAIO type Gは、1,024×768ドット(XGA)表示対応の12.1型液晶を搭載しながら、最軽量時(光学ドライブなし/Sバッテリ)で約898gと世界最軽量を実現したビジネス向けモバイルノート。独自の省電力ソフトウェアおよびカーボン素材の採用により、電池のスタミナおよび堅牢性も重視した設計となっている。

同社 VAIO事業本部 本部長 石田佳久氏

 冒頭では、同社 VAIO事業本部 本部長 石田佳久氏が挨拶。今回新たに投入される新機種について同氏は、「VAIOは本来、AVを重視した設計で、フルHD/ワンセグ/ゼロスピンドル/ボードPCなどの最先端技術でライフスタイルを提案してきた。今回type Gの投入により、これらの最先端技術をビジネスに展開し、ビジネススタイルとしてのVAIOを提案していきたい」と語った。

 一方、ビジネスユースにおける需要については、無線LANや3Gの普及などのワイヤレス環境の進化によりモバイルに対する需要、および軽量モバイル機器への需要、PCの所有感に対する需要を示し、「type Gはこれまでの個人向けVAIOのノウハウを生かし、ビジネスユースに応えた製品」と説明した。

 新製品の開発にあたっては、「2005年からビジネスユーザー約1,300社を調査し、モバイルPCに対するニーズなどを徹底調査し、開発にフィードバックした」とアピール。

ワイヤレス通信環境の進化 軽量、所有感への需要とそれに対する応え
法人向け体制は個人向け体制と同等 新機種投入後の法人向け市場の拡大 世界最軽量の898gをアピールする石田佳久氏

 また、法人向け製品として出す際には、購入前のコンサルティングから販売チャネル、サポートプログラムまで一貫した組織を用意する必要があると指摘し、「野球の選手にサッカーをプレイさせてもできないのと同じように、サッカーをやるにはサッカーの選手を用意する必要がある。当社は新製品の発売を皮切りに、個人向けとは違う法人向けの部隊を組織化し、“VAIO BUSINESS”というブランドで法人のニーズに応えていく」と説明した。

 最後に、「新製品の投入以降、法人向けPCの年間売上高を50%増のペースで引き上げ、2009年にはVAIO全体の売上高の30%を占められるよう目指していく」と目標を掲げた。

●ストレスフリーのVAIO type G

同社 VAIO事業本部 副本部長 鈴木国正氏

 type Gの開発コンセプトについては、同社 VAIO事業本部 副本部長 鈴木国正氏が説明。同氏は、「ビジネスユーザー1,300社の調査により得られた声をもとに、フラット薄型デザイン、堅牢性、長時間駆動バッテリ、所有感という4つのポイントで、“ストレスフリー”というコンセプトを元に開発した。この結果、ビジネス使用上のさまざまなストレスからの解放を実現できた」と語った。

type G開発のコンセプト type Gのプロモーションビデオ。落下実験や耐加圧試験もアピール(WMV形式/約7.5MB) さまざまなユーザーの声を反映した製品

 軽量化には、独自のマルチカーボン構造により薄型でありながら堅牢性も兼ね備えた筐体、ヒートパイプレスのグラファイト製放熱ユニットによる6.7gの軽量化、サイズ80×30×25mm(幅×奥行き×高さ)/重量約170gの超小型ACアダプタによる携帯性の向上などを紹介。この25mmという高さは本体と同じ高さで、かばんに収納するときにかさばらないようにしたという。

 堅牢性については、落下時にHDDヘッドを退避させるHDDプロテクションの搭載、平面だけでなく1点に対する加圧のテスト、落下試験の数値公開などを紹介。特に落下試験の数値公開については初の試みで、同氏は「72cmは平均的な机の高さ、90cmは平均的な肘にかかえた時の高さで、このような高さから落としてしまうことを想定。試験の数値を公開することで、製品に対する信頼感を高めた」とした。

 長時間駆動の実現には、液晶パネルのドライバICの新規開発、高容量バッテリセルの採用、および省電力ソフトウェアの強化により実現したとしており、「ACアダプタが利用できない場面でのスタミナの実現、無線LAN利用のニーズの高まりに対する答え」とした。

 ユーティリティ面もビジネスユースに配慮したとし、特に外部機器/メディア使用制限機能については「企業のPC管理者の声を元に反映させた機能。外部機器やメディアなどにより情報の流出を防ぐことが可能」と説明した。

 本体に採用された六角形のようなフォーム「POLYGONAL DESIGN」については、“羊の皮をかぶった狼のような、製品の機能/性能を使いやすくするためのデザイン”と表現。「下の傾斜は持ち上げる際に手がかりとなるように、上の傾斜は側面にあるコネクタの位置を確認できるように設計した」とした。

軽量へのこだわりと技術 堅牢性に対する追求と試験内容
長時間駆動のための施策 六角形のようなデザインによるユーザビリティの向上

●ユーザーの立場に立ったプロモーションを展開

ソニーマーケティング株式会社 執行役員 鈴木功二氏

 最後にソニーマーケティング株式会社 執行役員 鈴木功二氏が今後のマーケティング戦略について紹介した。

 同氏はまずこれまでの調査結果を示し、「会社で使用したいPCベンダーはソニーがトップ」とアピール。しかしこれまで個人ユーザーのニーズに応えたVAIOはあったものの、法人ユーザーのニーズに応えたVAIOは登場しなかったとし、「type Gでようやく法人ユーザーのニーズに応えられるようになった」とした。

 今後の広告展開としては、ユーザーの立場に立ったプロモーションを行なっていくとし、「“机から落ちても”や、“満員電車でも”などの実際のシーンを想定した広告を中心にユーザーにtype Gのメリットを訴えていく」と話した。

 ラインナップについては、「店頭などに販売される一般的なスペックを備えた標準仕様のほか、BTOモデルも拡充。約18万通りの組み合わせから法人ユーザーに最適なスペックを提供していく」とした。

企業で使用したいPCベンダーのアンケート ユーザーの立場に立った広告の展開
法人向けサポートプログラムの充実 Gトライアルキャンペーンの推進

 法人向けのサポートについては、「法人専用の購入相談デスクの設置、3年保証、翌日オンサイトサービス、下取り支援サービスなどを展開し、購入前から製品サイクル終了時まで一貫したサポートを提供する」と説明した。

 また、製品の良さを体感してもらうために、「Gトライアルキャンペーン」を推進。学校や企業、特約店、Webによるオープン募集で、約3,000人に新製品を試してもらう機会を用意するとした。

会場に展示された高さ72cmに置いたVAIO。動作時にこの高さから落としても問題はないとアピール 2スピンドル/6セルバッテリ搭載モデル。3セルバッテリ搭載モデルとバッテリのサイズは一緒だが、重量はある 本体を閉じたところ
本体左側面にはPCカードスロット、Ethernet、USB 2.0、電源プラグを装備 右側面はDVDスーパーマルチドライブ、モデム、ミニD-Sub15ピン、USB 2.0を装備 本体の内部構造
DVDドライブは直付けで、購入時に選択する 薄型軽量ファン付きヒートシンクを採用し、軽量化を図った 底面もカーボンファイバーを採用し、薄型化した
白色LEDバックライト採用の薄型液晶 DVDスーパーマルチドライブ/3セルバッテリの構成で約984g DVDスーパーマルチドライブ/6セルバッテリの構成で約1,116g

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200611/06-1101/
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2006/products_1101.html
□製品情報
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/G1/
□関連記事
【11月1日】ソニー、12.1型モバイルノート「VAIO type G」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1101/sony.htm

(2006年11月1日)

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