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キヤノン、820万画素デジタル一眼レフ「EOS 20D」

EF-S17-85mm F4-5.6 IS USMを装着したEOS 20D

9月下旬発売

価格:オープンプライス

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 キヤノンは、有効820万画素の撮像素子を搭載したデジタル一眼レフカメラ「EOS 20D」を9月下旬より発売する。価格はオープンプライスだが、ボディ単体の店頭予想価格は19万円前後の見込み。

 レンズとのセット商品も用意され、店頭予想価格は、EF-S17-85mm F4-5.6 IS USMとのセットが26万円、EF-S18-55mm F3.5-5.6 USMとのセットが21万円前後の見込み。いずれも9月下旬に発売される。

【お詫びと訂正】記事初出時、製品名を誤って記述しておりました。お詫びして訂正させていただきます。

 2003年に発売されたEOS 10Dの後継機。一般ユーザーからハイアマチュア、プロカメラマンまでと、幅広い層をカバーし、同社デジタル一眼レフラインナップにおける中堅機となる。

●1D Mark IIゆずりの技術を満載

20DのCMOS

 撮像素子は20D専用に開発された、同社製の有効820万画素CMOS(原色フィルタ)。撮像画面サイズは22.5×15mmで、10D同様のいわゆるAPS-Cサイズを継承。画角は35mm判の1.6倍となる。

 記録画素数は3,504×2,336/2,544×1,696/1,728×1,152ピクセル。記録形式はJPEGと12bit RAWで、JPEGとRAWの同時記録も可能。

 630万画素の10Dに対して、撮像素子の大きさはそのままで画素数が増加したため、1画素のサイズは10Dの7.4μmから6.4μmに縮小した。画素の縮小により感度やノイズ、ダイナミックレンジの悪化が懸念されるが、4月に発売された上級機「EOS-1D Mark II」にも採用された「第二世代オンチップノイズ除去回路」で、1D Mark IIとほぼ同等の高感度/低ノイズ設計を実現できたとしている。

 なお、10Dでは廃止されていたノイズリダクション機能が、20Dでは復活している。同社では、「ノイズリダクション無しでも10Dよりもノイズは少ないが、より高画質とするためにノイズリダクションを復活させた」としている。

 また、撮像素子表面に並ぶマイクロレンズの間隔(ギャップ)を小さくすることで、感度を高め、ダイナミックレンジを広げることができたとしている。ISO感度は100~3200。このほか、ローパスフィルターも1D Mark IIと同じ、3枚構成となっている。

 画像処理エンジンも1D Mark II同様に「DIGIC II」を採用。CMOSからの4チャンネル読み出しと併せ、最高で約5コマ/秒、JPEG/ラージ/ファインで約23枚までの連続撮影が可能になった(10Dでは9枚)。ただし、RAWおよびRAW+JPEGでの連続撮影枚数は10Dの9枚から約6枚に減ったが、同社では「バッファが開放されるまでの時間が短縮されたので、実用上には問題ない」としている。

 高速化の点ではこのほか、起動時間が10Dの2.2秒から0.2秒に、レリーズタイムラグが90msから約65msに、ファインダー像消失時間が140msから約115msに短縮されている。

●20Dのための新開発品も多数

 シャッターはAPS-Cサイズ専用に新開発されたもので、電子シャッターを併用せずに最高1/8,000秒、X=1/250秒のシャッタースピードを実現した。

 AF測距点は9点。中央部にF2.8対応横センサーとF5.6対応クロスセンサーを置き、周囲に8つのF5.6対応センサーを配する。動体予測能力は50Km/h 8m(EF300mm F2.8L IS USM使用時)と1D Mark II同等となった。

 また、測距点の選択には、ジョイスティック状の「マルチコントローラー」を新たに背面に追加。より直感的に選択できるようになった。マルチコントローラーはこのほか、拡大再生時のスクロール、ダイレクトプリント時のトリミング枠移動にも使用される。

 ホワイトバランス設定は従来のオート、6種のプリセット、マニュアル、色温度指定のほか、マトリックス上での補正や、ホワイトバランスブラケティング指定が可能になった。補正等にもマルチコントローラを使用する。

 このほか、フォーカシングスクリーンに新開発のプレシジョンマットを採用。明るく、かつピントの山をつかみやすくしたとしている。ファインダー視野率は95%で、倍率は0.9倍。アイポイントは20mm。

液晶モニタ右上に新設されたマルチコントローラが見える 20Dの透視図
20Dのファインダー(左)と表示パネル

●APS-C専用レンズに対応

 レンズマウントはキヤノンEFマウントだが、EF-Sレンズに対応した。

 EF-SレンズはAPS-Cサイズの撮像素子のイメージサークルに特化して設計されたレンズで、同スペックで35mm判対応レンズよりも小型軽量化が可能だが、ショートバックフォーカス設計となっており、レンズ後端にミラーがあたらないよう、ミラーが後退しながらアップする機構が必要とされる。そのため、EF-Sレンズ対応マウントを備えていない機種には取り付け不可能となっている。

 これまではエントリー向けのEOS Kiss Digitalでのみ採用されており、事実上、Kiss Digital専用レンズとなっていた。これにともない、これまではKiss Digitalとのセット販売のみとなっていた「EF-S18-55mm F3.5-5.6 USM」が単体で販売されるほか、「EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM」と「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」の2本のEF-Sレンズが発売される。レンズの詳細については別記事を参照されたい。

●ボディは若干の小型/軽量化

 記録媒体はType 1/2のCFで、Microdriveにも対応。PCとの接続はUSB 2.0 Hi-Speed。液晶モニタは1.8型TFTで約11.8万画素。ガイドナンバー13(ISO100)の内蔵ストロボを装備し、E-TTL II自動調光に対応する。

 電源としてバッテリーパック「BP-511A」×1が付属。このほかBP-514、BP-511、BP-512を使用できる。BP-511A使用時のCIPA準拠の撮影可能枚数は、常温(20度)でストロボ撮影無しで1,000枚、ストロボ50%使用で700枚。撮影可能枚数は10Dの約1.4倍としている。このほか、時計用にCR2016リチウム電池が必要。

 本体サイズは144×71.5×105.5mm(幅×奥行き×高さ)、本体のみの重量は685g。10Dよりも若干コンパクトになり、軽量化された。軍艦部のCanonの文字が彫り加工されるなど、質感を高める細工なども施されている。

●外部ストロボなどのアクセサリも

 20Dにあわせ、外部ストロボ「スピードライト 580EX」が10月下旬より発売される。価格は57,750円。EOS AタイプではE-TTL II/E-TTL、EOS BタイプではTTLの各自動調光に対応。ガイドナンバーはISO100/照射角105mmで58。照射角は24~105mm、ワイドパネル使用時は14mm。AF補助光機能を搭載する。また、画面サイズ対応自動ズームや色温度情報通信機能を備える。

 このほか、580EXに対応したコンパクトバッテリーパック「CP-E3」が10月下旬より17,850円で、ブラケット「SB-E1」が10月下旬より23,100円で発売される。

 また、20D用のバッテリーグリップ「BG-E2」が9月下旬より21,000円で発売される。BP-511A/511/512/514を2本収納することで、撮影可能枚数が約2倍となるほか、単3電池×6を使用することも可能。縦位置撮影用にシャッターボタン、AEロックボタン、AFフレーム選択ボタンを備える。

580EXを装着した20D コンパクトバッテリーパック「CP-E3」
ブラケット「SB-E1」 バッテリーグリップ「BG-E2」を装着した20D

□キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
□製品情報
http://cweb.canon.jp/camera/eosd/20d/index.html
□関連記事
【2003年2月28日】キヤノン、D60後継デジタル一眼レフ「EOS 10D」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0228/canon1.htm

(2004年8月20日)

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