みなさんは、ネタバレをどれくらい気にしますか?
ドラマ、映画、アニメ、漫画、ゲーム、小説……。
様々なエンターテイメントを楽しむうえで、突然襲いかかる脅威。
それが「ネタバレ」です。
情報過多の現代では、ふとしたキッカケで作品のネタバレを知り、興ざめしてしまうことがあります。逆に、人に何かをオススメするときは「これってネタバレにならないかな?」と気を遣うことも。
実際のところネタバレはどこまで許されるのでしょうか?
今回はオモコロ編集部で「ネタバレNG派」と「ネタバレOK派」に分かれて徹底討論いたします! 勝つのはどっちだ!
※この記事は金曜ドラマ『下剋上受験』ほかTBSドラマの提供でお送りしますが、ドラマのネタバレはありません※
ネタバレNG VS ネタバレOK 徹底討論
まずは「ネタバレNG派」の3人です。
ARuFa
ネタバレが本当に嫌過ぎて、ネタバレされそうになると「うっぴーーー」と言いながら耳を塞いでその場からダッシュで消える。
山口
ノベルゲームが好きなためか、ネタバレする人には結構怒るタイプ。こっちの人数が多くて有利だと、もっと怒る。
永田
その他全ての罪は許すけど、ネタバレだけは絶対に許さない。最近1番されたくないネタバレは「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の攻略情報。
続いて「ネタバレOK派」です。
甲斐
ネタバレは全然気にしない。自分で調べもしないけど、見たり聞いたりしても「人気なんだな〜」くらいにしか思わない。
加藤
ネタバレをまったく気にしない。ネタバレが重要だといわれている作品でも、オチを知った上で楽しめる奇人。
恐山
ネタバレは気にしないっちゃ気にしないし、気にするっちゃ気にする。どっちかといえば気にしないという、つまらない意見の持ち主。
この2つの派閥に分かれて納得できる議論してもらったあと、多数決で勝敗を決めます!
この問題については、じっくり腰を据えて話し合いたいと思ってたわ……。
ネタバレ、そんなに気になる? みんな気にしすぎだと思う。
お前らそんなにネタバレが好きだったら、最初にネタバレしてやるよ……。
「今からお前らは叩きのめされる」ってなぁ~~!ボケェ~~!
始まったばっかなんだから落ち着いてください。
「バレ」はネタバレだけじゃない
今回は2つの陣営に分かれてはいますが、「どこまでネタバレOKか」のラインって人によって違いますよね。
ネタバレ許容度メーター
ネタバレを気にする人ってけっこう細かいことまで気にするから、気を遣いますよね。
そうそう。具体的に何も言ってなくてもネタバレ扱いするじゃないですか。
いや、違うんだって。具体的に言わなくても成立する「バレ」があるのよ。
まずは内容をそのままバラしちゃう、正真正銘のネタバレ。これをするやつは論外。死刑。
で、ネタバレの周辺には「オモバレ」があります。
オモバレってなんですか?
こっちはまだ観てないのに「これめっちゃ面白いよ~!」とか言われて”面白さがバレる”こと。これも本当はないほうがいい!
めちゃくちゃわかります。
その周辺には「具体的になんか言ったわけじゃないけどこいつニヤニヤしてるし絶対この回なんかあったんだろうな~」ってのが態度で分かる「エモバレ」があります。
面倒くせ~。
怖い。
病んでる。
ネタバレしてなきゃいいってもんじゃない
ネタバレするヤツって、ネタバレの概念を都合よくとらえてるんですよ。核心部分にさえ触れなきゃいいと思ってるでしょ? 「匂わす」だけでそれはもうネタバレだから。
SNSでも「ここまではセーフだろ」と各々が思って書いたツイートが重なると、完全に実像が把握できちゃうんですよ。
特に連続ドラマだと、こっちも途中まで観てるから展開が予想できるんですよ。「待って、一応ネタバレは控えるけどシーズン2のラスト……うわ~!」じゃねえよ! 今までの展開もあわせるとその言葉でだいたい予想つくんだよ!
当たってるかどうか確かめる楽しみがあるんじゃない?
予想を超えてくることはまず無い。まあ、想像力のないあなたがたには予想できないのかもしれないけど……。
僕ら、アタマいいんで。
なんなんだよ。
むしろ僕らの予想した展開のほうが面白いことありますから。
調子にのりすぎ。
SNSがネタバレ嫌いを加速させた?
そもそも、昔はそんなにネタバレ気にしてました? ネタバレアレルギーな人も大半はネットの意見に流されてるだけだと思うんですよ。
言われてみると、ネットを始める前はそこまでネタバレの話は聞かなかった。
一部の「ネタバレがマジで嫌いな人」にみんなが気を遣った結果、誰もネタバレできない窮屈な空気がネットに広がってしまったのでは?
逆です。想像力のない一部のクルクルパーがネットで好き放題書くようになったから『ネタバレ禁止』の風潮ができあがったんです。自衛のために必要なこと。
「銃社会の是非」みたいな話になってきた。
現代はネットで全国の人と繋がれるし、録画とか配信とかも普及したからそれぞれの見るタイミングがバラついてる。今はネタバレのリスクが格段に上がってんだよ。
だいたい、なんでも書ける特性があるネットに好きなこと書いて何が悪いんですか? そんな状況でネット見てる方が悪いんじゃないですか? インターネット向いてないんじゃない?
僕はマジで観たい作品があるときは、SNSを完全に遮断します。
ネタバレは人災だから、こっちも防御せんと。
各々が自衛するなら、ネットではネタバレ書きまくっていいってこと?
ハァーン? いいわけないだろ!
それは「鍵をかけてない家には空き巣に入って良い」と同じ、加害者側に都合のいい発想だよ!
自衛はするけど、ネット経由で無神経にネタバレを見せてくるやつには……。
画面を超えてインターネットダブルパンチをお見舞いするからな。
なんでダブルパンチなの?
ネタバレしないオススメは難しい
でも感想が「オモバレ」になっちゃうんだったら、ネットになにも書けなくなりません?
いや、さすがにオモバレくらいなら目くじら立てませんよ。知らない作品にはオモバレから興味を持つことがほとんどだから。
そこはさすがに許してくれるんですね。
でも、山口さんはネタバレを気にしすぎてオススメがヘタクソになってませんか? 以前、面白いゲームをオススメしてくれたときも「とにかくやってみそ」しか言ってくれなかったじゃないですか。「やってみそ」にお金と時間かける勇気は出せませんよ。
仕方ないじゃない……楽しみを奪いたくないのよ……。
僕も、何かをオススメするとき余計なネタバレはしたくないので、ツイートするときは気を遣います。これ、僕が映画を観たあとのツイートなんですけど。
シン・ゴジラを観たのですが、内容は「うわうわうわうわうわうわうわうわうわうわうわうわうわうわうわーーーーーーーーっ!!!あらあらあらあらあらあらあらららららららら〜〜〜〜〜〜!!!!おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいお〜〜〜〜〜〜い」という感じでスゴく面白かったです。
— ARuFa (@ARuFa_FARu) August 20, 2016
アタマ悪そう。
これから観る人のことを最大限に考えて、考え抜いた末の解答(こたえ)です。
ネタバレ嫌いは楽しめる幅がせまい?
ネタバレを気にする人って、ネタバレを知ったら楽しめなくなっちゃうってことですよね。でも、ストーリーとか以外にも演出とか音楽にも楽しめる部分はあると思うんですよ。だから「知っちゃったら楽しめない」って感覚があまりわからないです。自分が発信側のときは一応気を遣うけど。
そうそう。ネタバレ嫌いは物を楽しめる幅がせまいんだと思う。僕は推理小説を最後からめくっても”100″楽しめます。
それは加藤さんが人間をトレースしてるバケモノってだけでしょ。普通はネタバレして許されるわけないんだから。
永田くん。あなた死にますか?
急に何?
永田くんも僕も、人間だからいずれは死ぬってことはわかってるわけじゃないですか。言わば「死」という究極のネタバレが分かってるんですよ。ネタバレ程度で「見る気なくなる」なら、なんで今すぐ死んで人生終了させないの? 矛盾してるんじゃない?? あんた、いずれ死ぬんですよ???
誰かコイツをつまみ出してくれ。
信じられるのは「公式」だけ
僕はどちらかというと、「公式」じゃない人がとやかく言ってくるのが我慢ならないんですよ。
どういうことですか?
エンターテイメントは作り手と受け手の1対1のコミュニケーションだと思うんです。だから「おもしろい」とか「つまんない」とか「音楽がいい」とかを、受け手が別の受け手に言うのは全てノイズだと思います。僕は公式の手のひらの上で踊らされたいので、その他の人は黙っていてほしいです。
わかるわ~。
序盤の伏線らしきシーンで、最後まで知ってるヤツが横から「あ~、”そこ”ね?」とかニヤニヤしながら言ってくるの、最悪の最悪じゃないですか?
でも、たまに公式が予告編やポスターでネタバレしちゃうことがありますよね。ああいうのはいいんですか?
公式様のお考えだから、きっと意図がおありなんでしょう。受け入れます。
強い……。
でも、ファンがあれこれ言う楽しみもあるじゃないですか。ドラマの『カルテット』とか口コミで火が点いたし。
未見に興味を持たせるための、多少の「バレ」はいいのよ。そうしなきゃ出会いがなくなっちゃうから。
うん。興味ない作品のネタバレは知っても別に平気。もう「これから観るリスト」に入ってるのにいろいろ言ってくるヤツがおかしい。
オススメはしてほしいけど、こっちが「よし、観よ!」って決めた瞬間に口をつぐんでほしい。
面倒なやつらだな。
過去の名作のネタバレはいいの?
ところで、そっちは本当にネタバレに配慮できてるんですか?
できてますけど?
実は私、『ドラゴンボール』を最近読み始めたんです。でも、普段の会話でみんなめちゃくちゃネタバレしてくるんですよ。「あの『天✕✕✕✕✕』の後に✕✕✕✕が殺されたシーンがさー…」とか。言われてなかったらもっと楽しめたと思うんです。
それは名作を読んでないヤツが悪い。発表から1年経ったらネタバレは時効だから。
ミステリーとかサスペンスでもですか? 映画『シ✕✕✕✕✕✕』で✕✕✕が実は✕✕だったオチとか、『✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕ツ』で✕✕✕✕✕✕の正体が✕✕✕だったとかも?
言うなって。そういうのは別枠だろ。
長く続く漫画やドラマだと時効の境界線があやふやになるじゃないですか。特に、謎が謎を呼ぶ作品だと「男だと思ってたキャラが実は女だった」みたいな展開が中盤にあったり。そこを経てるかどうかで作品の見方がガラッと変わるとき、どこまで言っていいかわかんなくなるんですよ。
そういうときは一番知識が少ないヤツに合わせるしかないな。
『進✕✕✕✕』の✕✕は✕✕が✕✕したものだった、とかも言っちゃダメ?
だから言うなって!
「ネタバレ禁止」もネタバレ?
ネタバレに気を遣う風潮が広まったのはいいことだと思います。ただね、ネタバレ禁止が逆に無神経になるときもあるんですよ。
?
「これはネタバレ無しで観てほしい……!」とか「結末は絶対に言わないでください……」とか、そういうやつだよ! その宣言が「フリ」になってるだろが、オイ!
大ドンデン返しは予想もしないところでやってくるから面白いのであって、身構えてたらのめりこめない。
それはわかります。私は最後に大ドンデン返しのあるミステリーが好きなんです。そういうのだけいっぱい読みたいんですが、「ドンデン返し おすすめ」でググって知った時点でちょっと負けた気分になる。
でもそういうバレに踏み込む勇気を出さないと出会えなかった作品もあるわけじゃないですか。ネタバレを極度に嫌う人はそのチャンスを逃してませんか?
僕は最近、日常系萌えアニメ観ながら永遠に酒を飲んでますよ。
その末路がこのARuFaですよ。
こいつはただ萌えアニメが好きなだけ。
結果発表
議論を戦わせているうちに完全に夜になってしまったので、そろそろ多数決で結論を出したいと思います。
ネタバレはアリか?
それともナシなのか?
「ナシ」だと思う人は挙手!
ARuFa、山口、永田の3人!
「アリ」だと思う人は挙手!
甲斐、加藤、恐山!
そして……。
今回の討論の撮影を任されていた男、マンスーンを入れて4人となりました!
話を聞いて、多少のネタバレはしょうがないんじゃないかなと思いました。
カメラマンも含むの!?
含みます。
というわけで「ネタバレNG」VS「ネタバレOK」の勝者は、「ネタバレOK」チームに決定!
こりゃ叩かれるぞ……。
大丈夫です。この結果に納得のいかないネタバレNG派の人は、ネタバレになるので記事の結末については書けないはずだから。
すごいロジック。
だからってドラマのオチとかどんどん言っていいわけではないと思いますけどね。
人の楽しみを損なうようなネタバレは論外としても、興味を掻き立てるようなネタバレの形もあると思います。結局は、ネタバレして自分が気持ちよくなるか、他人を気持ちよくするかなんじゃないでしょうか。
なんでほぼ参加してないやつがいい風にまとめるんだ。
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プロはネタバレについてどう思ってるの?
この記事はTBSドラマの提供でお送りしています。
TBSドラマといえば『半沢直樹』や『逃げるは恥だが役に立つ』などの人気作を放送し、現在は『下剋上受験』『カルテット』『A LIFE ~愛しき人~』などなど、「先が気になる」作品が多いのが特徴。
番組を送り出す側は「ネタバレ」についてどう思っているのでしょうか?
『下剋上受験』を手がけるプロデューサーの渡辺良介さんに聞いてみました!
ドラマの結末は放送の時点までに決定しているんですか?
多くのドラマはなんとなくの結末を決めてから脚本制作に入りますが、作っていく過程で思わぬ展開が生まれ、結末が変わることもあります。
『下剋上受験』はノンフィクション原作ですが、ドラマでは変更も視野に入れて作っています。それが連続ドラマの醍醐味だと思います。
ネタバレについてはCM、予告編、ラテ欄などでどの程度配慮しているんですか?
かなり配慮しています。これは制作者にとって、とても難しい課題です。
おおまかな展開は分かるようにしつつ、その展開によって生まれるドラマは隠すといったような工夫をしています。
SNSでのネタバレについてどう思っていますか?
今は番組を見ながらSNSで盛り上がるという楽しみ方もあるかと思いますし、視聴者のみなさんもネタバレとの付き合い方には慣れてらっしゃるのでそれほど気にしていません。
ネタバレ対策としては、出来る限りリアルタイムでご覧頂きたいのが本心です。(笑)
ドラマを告知するときネタバレにならないか配慮していますか?
番組スタート時点では、誰(キャスト、キャラクター)が何のために(方向性、番組の見方)、何(ジャンル)をするのかが最低限伝わるようなシンプルな宣伝を心がけています。
今回は、阿部サダヲさん、深田恭子さん演じる中卒夫婦が、娘の人生逆転のために中学受験をする爽やかなホームコメディという印象づけで興味を持って頂きたいと思っていました。
最終回について、ネタバレにならない範囲でメッセージをお願いします。
運命の合格発表の結果は? というのが最大の見所ではありますが、このドラマは単なる受験モノではないので何があるか分かりません。
そして、受験の合否以外にも感動シーン満載です。全シーン泣けます。ドラマ版ならではの未来の桜井家も描かれますので、最後まで桜井家を応援して頂ければと思います。
TBSドラマは今週から最終回ラッシュ!
放送を見逃してしまった方はTBSオンデマンドで見返すことができます。放送1週間までならTBS FREEで見逃し配信でも多くの作品が視聴可能です!
その結末を無神経に教えてきたヤツにはインターネットダブルパンチをお見舞いしよう!
インターネットダブルパンチをツイートでお見舞いする
(挿絵イラスト かまど)
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