『双子座のパラドクス』の延期理由に思う
エロゲ(小ネタ) - 2013年05月14日 (火)
関連:☆『双子座のパラドクス』発売日の変更につきまして@海富一☆
(コットンソフト 100%日記 2013年05月13日)
コットンソフト新作『双子座のパラドクス』の延期理由が話題を呼んでいます。
「思ったより予約が伸びてないとの事で営業的な判断からの変更」ということで、随分とまあ正直にぶっちゃけたなぁというのが第一の感想です。エロゲ業界と延期は最早切っても切れない関係ですし、実際は本作以外にも本当は予約が伸びないから延期した作品もあると思いますが…、ここまではっきりと公言したのは殆どないですよね。
僕は本作は気になるけどギリギリまで様子見、『レミニセンス』が延期したら買おうかなぁぐらいの気持ちだったので正直に言えば助かります。(決して延期という行為を許すわけではありませんが。)周りに及ぼす影響を抜きにすれば、変に取り繕わないで延期した理由を説明した態度は個人的には好印象です。
ただ、本作を今月一番楽しみにしていた人からすればふざけるなよと怒る気持ちも当然あるでしょうし、何より既に予約していた人が可哀想です。
今月は『グリザイアの楽園』を初めに多くの魅力的な作品が発売される予定で激戦区と言われていますし、やはり楽園があると他のシナリオ勝負の作品は予約の伸びがよろしくないのかなぁとこれを見ると思ってしまいます。コットンソフトは前作『終わる世界とバースディ』が評判が良かったですし、それに続くために激戦区を避けて注目を集めたいという考えもあるのかもしれません。あとは書き方を見るに流通側の意向もあったんでしょうね。
以前bamboo氏がブログで「小売店側からマスターアップした後に延期をお願いされた」(原文の記事はこれ)と言っていたように、本数を多く売って利益を出したい流通側からすれば、初動の大半を占める予約数は極めて重要な指針ですし、その数が思わしくなければ「発売日が延びればもっと予約数を稼げるんですが…」とブランド側に話を持ち掛けるのは当然のことでしょう。我々ユーザーが知らないだけでこういった水面下でのやり取りは日常茶飯事なのかもしれません。
ですが周りに及ぼす影響を考えると、今回の「予約数が伸びないから延期をした」という所謂大人の、営業目的を延期の理由にしたのは、正しい判断では無かったと思うのです。ここまでで僕が、実は延期は流通の意向もあったのではないかなどと邪推したように、この文面は売り上げを伸ばす為には意図的な延期もあるとブランド側が明言したのと同じです。例えばこれが「どうしても延期せざるを得ない事情が生じてしまって…」とぼかした言い方であれば「ああまたいつもの延期か」止まりだったと思います。
しかしここまではっきり言われてしまうと、本作以外の作品が延期した時にも「もしかしたら既に完成しているけど予約が伸びなかったら延期したのかな…」と僕なら勘繰ってしまいます。こういった不信感の契機になりかねない今回の発言は、他のブランドからすれば非常にやり難いし歓迎されないものだと思うのです。
本音と建前があるように、表であれこれ理由を付けても本当は予約が伸びなかったから延期したのは恐らく本作以外にもあると思います。我々ユーザーだってこれまではそう思っても声に出さずに建前の理由を信じてきました。ですが今回コットンソフトが掲示した「本音」の延期理由は、今までユーザー、ブランド、流通の間で暗黙の了解とされてきた「延期の本当の理由」を表舞台に引き上げたと言えるのではないでしょうか。一人のユーザーに過ぎない僕が受ける影響は5月に『双子座のパラドクス』をプレイ出来ない程度ですが、ブランド、流通からすれば決して軽くはない影響を受けたのではないかと勝手に想像しています。
厳しい事を言ってしまえば、本作の予約が伸びない理由は他作品との競合以上に、コットンソフト自身の宣伝不足の可能性もあります。体験版2をもっと早く出していれば、ニコ生などで積極的に呼びかけていれば…、たられば話ですけどね。今回の延期理由が本作最大の宣伝になったのは皮肉な話ではありますが。
今回の「営業的な判断」というコットンソフトの本音の延期理由。下手に取り繕わなかった点からは確かに潔い、誠実という印象も受けます。ですが本作を応援して既に予約していたユーザーは失望しているでしょうし、建前に頼らず正直に言ったことで他ブランドとの間に余計ないざこざを生む恐れを考えれば、その誠実さは一体誰に向けられたものなのだろうと思ってしまいました。
(コットンソフト 100%日記 2013年05月13日)
コットンソフト新作『双子座のパラドクス』の延期理由が話題を呼んでいます。
「思ったより予約が伸びてないとの事で営業的な判断からの変更」ということで、随分とまあ正直にぶっちゃけたなぁというのが第一の感想です。エロゲ業界と延期は最早切っても切れない関係ですし、実際は本作以外にも本当は予約が伸びないから延期した作品もあると思いますが…、ここまではっきりと公言したのは殆どないですよね。
僕は本作は気になるけどギリギリまで様子見、『レミニセンス』が延期したら買おうかなぁぐらいの気持ちだったので正直に言えば助かります。(決して延期という行為を許すわけではありませんが。)周りに及ぼす影響を抜きにすれば、変に取り繕わないで延期した理由を説明した態度は個人的には好印象です。
ただ、本作を今月一番楽しみにしていた人からすればふざけるなよと怒る気持ちも当然あるでしょうし、何より既に予約していた人が可哀想です。
今月は『グリザイアの楽園』を初めに多くの魅力的な作品が発売される予定で激戦区と言われていますし、やはり楽園があると他のシナリオ勝負の作品は予約の伸びがよろしくないのかなぁとこれを見ると思ってしまいます。コットンソフトは前作『終わる世界とバースディ』が評判が良かったですし、それに続くために激戦区を避けて注目を集めたいという考えもあるのかもしれません。あとは書き方を見るに流通側の意向もあったんでしょうね。
以前bamboo氏がブログで「小売店側からマスターアップした後に延期をお願いされた」(原文の記事はこれ)と言っていたように、本数を多く売って利益を出したい流通側からすれば、初動の大半を占める予約数は極めて重要な指針ですし、その数が思わしくなければ「発売日が延びればもっと予約数を稼げるんですが…」とブランド側に話を持ち掛けるのは当然のことでしょう。我々ユーザーが知らないだけでこういった水面下でのやり取りは日常茶飯事なのかもしれません。
ですが周りに及ぼす影響を考えると、今回の「予約数が伸びないから延期をした」という所謂大人の、営業目的を延期の理由にしたのは、正しい判断では無かったと思うのです。ここまでで僕が、実は延期は流通の意向もあったのではないかなどと邪推したように、この文面は売り上げを伸ばす為には意図的な延期もあるとブランド側が明言したのと同じです。例えばこれが「どうしても延期せざるを得ない事情が生じてしまって…」とぼかした言い方であれば「ああまたいつもの延期か」止まりだったと思います。
しかしここまではっきり言われてしまうと、本作以外の作品が延期した時にも「もしかしたら既に完成しているけど予約が伸びなかったら延期したのかな…」と僕なら勘繰ってしまいます。こういった不信感の契機になりかねない今回の発言は、他のブランドからすれば非常にやり難いし歓迎されないものだと思うのです。
本音と建前があるように、表であれこれ理由を付けても本当は予約が伸びなかったから延期したのは恐らく本作以外にもあると思います。我々ユーザーだってこれまではそう思っても声に出さずに建前の理由を信じてきました。ですが今回コットンソフトが掲示した「本音」の延期理由は、今までユーザー、ブランド、流通の間で暗黙の了解とされてきた「延期の本当の理由」を表舞台に引き上げたと言えるのではないでしょうか。一人のユーザーに過ぎない僕が受ける影響は5月に『双子座のパラドクス』をプレイ出来ない程度ですが、ブランド、流通からすれば決して軽くはない影響を受けたのではないかと勝手に想像しています。
厳しい事を言ってしまえば、本作の予約が伸びない理由は他作品との競合以上に、コットンソフト自身の宣伝不足の可能性もあります。体験版2をもっと早く出していれば、ニコ生などで積極的に呼びかけていれば…、たられば話ですけどね。今回の延期理由が本作最大の宣伝になったのは皮肉な話ではありますが。
今回の「営業的な判断」というコットンソフトの本音の延期理由。下手に取り繕わなかった点からは確かに潔い、誠実という印象も受けます。ですが本作を応援して既に予約していたユーザーは失望しているでしょうし、建前に頼らず正直に言ったことで他ブランドとの間に余計ないざこざを生む恐れを考えれば、その誠実さは一体誰に向けられたものなのだろうと思ってしまいました。