本日5月17日、新潮文芸振興会による文学賞、三島由紀夫賞と山本周五郎賞の受賞者発表および受賞者の記者会見が行われました。このなかで、三島由紀夫賞を受賞した蓮實重彦(はすみしげひこ)氏の記者会見があまりにも殺伐としていると話題になっています。
記者会見の様子はニコニコ生放送でも配信されており、非プレミアム会員でもタイムシフトで見られます。蓮實氏が出てくるのは、1時間31分過ぎから。
最初に司会から「三島賞受賞を受けて今のご心境は」という質問を受けると、「ご心境という言葉は私の中には存在しておりません。ですからお答えしません」と蓮實氏。もうこの時点で、地獄の門が開いてしまった感じです。
この後の質疑も、「本日蓮實さんはどちらでお待ちになっていて、連絡を受けたときにはどのような感想を持ちましたでしょうか」という質問が出れば「それも個人的なことなので申し上げません」。「三島賞の候補になられたときお断りになられるのではないかと思ったのですが、どのような思いで今回候補になると決められたのでしょうか」という質問にも「それもお応えいたしません」との回答。コワイ!!
その後も、
- 「質問ならば簡単におっしゃってください」
- 「(司会の「他に質問は」という言葉に対して)ないことを祈ります」
- 「(受賞について)全く喜んでおりません。はた迷惑な話だと思っています。」
- 「選考員が蓮實を選んだのは暴挙で迷惑な話」
- 「ばかな質問はやめていただけますか」
- 「(受賞した自著に)フィクションを研究している者ならいつでも書けるもの」
- 「おっしゃることと質問がかみ合ってません」
などなど、聞いている方が白目をむきそうな回答と発言を連発。会場の空気がどんどん重くなる一方で、コメント欄は草がいっぱい生えていました。面白いというか、もう笑うしかないというか。
コメントでは、「受賞者が選考を批評しているという事態」「ただ今事故発生中」「爆笑」「こんなのが上司だとたまらんなw」「なかなか難易度の高い会見ですね」「感動して涙出てきた」「これは伝説の会見」といった声が上がっていました。しかし、質問に一切答えていなかったというわけでもなく、小説の内容に関する質問には普通に答えていました。単純に、個人的な質問に答えたくなかったようです。
この件について東京大学新聞社理事の竹内靖朗さんは、蓮實氏は前からいろいろとすごかったとFacebookで語っています。1996年の東京大学新聞の読書特集号で「教員が学生に本を薦める」という内容について書いてもらったところ、「自分が読んできた書物というものは、好ましい異性の性器のようなもので、めったやたらに開陳すべきものではない」「今なおわれわれの頭上を旋回している、マルクスやフロイドなどを読んでおけばよい」「原稿料は東大新聞に寄付する」といったことが書かれていたそうです。なんというか、納得。
ただし、評論家の東浩紀氏によると、これらは全て“芸風”であり、“茶番”であるとのこと。この辺の事情を知らないで見ると、震え上がりますね……。
いやぁ……なんだかとんでもないものを見てしまった気分です。記者の皆さん、本当にお疲れさまでした……。
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「数字は誤解を招くものだった」と認めた形です。
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