「schoo」は知的娯楽に飢えた社会人を救うか!? Webに生まれた学校の新しいカタチ:春――入学の季節ですね(1/2 ページ)
「schoo」はWeb上の学校。答えのない1つのテーマで授業を開き、ライブ配信している。生まれたきっかけは「日本の社会人が皆学生だったら面白いのに」という思いつきだ。
「日本の社会人がもっと学べるインフラを」――森健志郎さん(25)は昨年12月、Webに「社会人の学校」を作った。さまざまな人の授業を無料でライブ配信するサービス「schoo(スクー) WEB-campus」。入学試験に年齢制限、卒業はなし。“ずっと学び続けられる”がコンセプトのプラットフォームだ。
これまでに登場した講師は、paperboy&co.創業者で起業家の家入一真さん、ロケットスタートの古川健介社長といったWeb界隈の著名人たち。「ビジネスクリエイティブ学部」と銘打ち、授業では「ビジネスアイデアとは何か」「応援されるアイデアとは何か」といった答えのない1つのテーマを取り上げてきた。
スキルアップだけが目的のeラーニングとは違い、schooは学校そのものをWebに再現する試みという。「学校って教えてもらう場所だと思って登校したことあります?」と森さん。確かに授業そのものより友達に会うことが楽しみだったりするものだ。同じように「shcooは先生から話を聞くサービスではなく、コミュニケーションサービスなんです」と語る。
コミュニケーションサービスってどういうこと?
schooは、Ustreamの仕組みを使って授業を無料でライブ配信している。授業を受講するにはFacebookアカウントでのログインが必要。ネットでの視聴のほかに、収録会場で直接受講できる授業もある。基本的に録画配信は無く、過去の授業は一部をテキストのリポートで公開しているのみだ。
授業のコンセプトは「1つのことを皆で考える」こと。授業が終わった後に感想を投稿できるリアクション機能を使って、受講者には感じたこと・学んだことをその場で発散するよう呼びかけている。毎回100〜200件近いコメントが投稿されており、1行程度の短い書き込みを残す人もいれば、授業内容を詳細にまとめる“優等生”もいる。
ほかの誰かの書き込みにコメントし返すことも可能で、リアクション機能を通じてさらに議論が巻き起こることもある。そうやって、クラスメートとやり取りしているような雰囲気を味わえるのが、schooの楽しさの1つ。森さんが「schooはコミュニケーションサービス」と説明する所以(ゆえん)だ。
講師は、大学教授のようなプロではなく、ネットベンチャーの社長など「今、先を切り開こうとしている30代〜40代」が中心。生徒のメインターゲットは20代の社会人。そういった意味では、世界中の著名人を招いた講演会を行い、その様子を動画で配信しているTEDや、大学の講義を配信しているiTunes Uとも趣きがかなり異なる。
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