前回は初心者でもOK! な有名横丁や飲み屋街を紹介しましたが、今回は平日昼間から飲める店や(良い意味で)異空間な飲み屋街を含む、中級者以上にオススメの「通」な横丁を紹介します。 きっとアナタ好みの飲み屋がありますよ!
池袋東口・美久仁小路&栄町通り
▲サンシャインシティ60通りのすぐそばとは思えぬ昭和感。見上げるとサンシャインシティ!
池袋東口に、終戦直後の闇市から始まった4カ所の飲み屋街「人世横丁・ひかり町・美久仁小路・栄町」があり、「池袋東口の4大横丁」と呼ばれて親しまれていました。サンシャイン南側の再開発により、残念ながら「ひかり町」と「人世横丁」は惜しまれつつ取り壊されましたが、東池袋1丁目には「栄町通り」と「美久仁小路」が今も生き残っています。
▲美久仁小路
超高層ビル・サンシャイン60を背景にすると、対照的に昭和に取り残されたように見える美久仁小路。「そのギャップがたまらない」ファンも多いようです。袋小路のように見えますが、ゲートの両脇に書いてあるとおり「通りぬけできます」。美久仁小路の中でも人気は郷愁を誘う居酒屋「大衆酒場 ふくろ」。またひっそりと佇む「味彩」も古き良き時代を感じさせてくれる小料理屋です。どの店も旨くてリーズナブルと評判。
▲東池袋栄町通り商店会
大繁華街サンシャイン60通りから一歩外れたL字型の路地裏飲食街が通称・栄町通り。とはいってもナメてはいけません。焼き鳥がリーズナブルで旨い居酒屋「風林火山」、居酒屋といっていますが小料理屋の風情がステキな「江戸一」など侮れないお店ばかり並んでいます。最近、女子にも人気のホッピーを楽しめますよ。
住所:東京都豊島区東池袋1-23-11/東京都豊島区東池袋1-13-1
アクセス:各線「池袋」駅東口より徒歩約5分
立石・呑んべ横丁
▲控えめに言っても怪しい入口(笑)ですが、人の往来も多く入りにくい雰囲気はないです
京成線立石駅で下車し、立石のメインストリートから1本入った路地が「呑んべ横丁」。入口からビギナーにはちょっと入りにくい雰囲気が漂いますが、このディープでコアなところが「横丁」の醍醐味です。ここは1954(昭和29)年にできた「立石デパート商店会」の名残りで、昭和〜平成と飲み屋街に様変わりしていきました。ところどころに昔のお店の看板が残っています。でも古き良き店もあれば、新しいお店も増えているのはいつまでもコアな横丁マニアがいるから。おでんや、居酒屋やスナック、バーなど、オトナをうならせてくれる旨い酒とつまみが楽しめるので、勇気を持って入ってみましょう。特に「しゅり」は決まったメニューはほとんどなく、客の好みに合わせてつまみを出してくれるアットホームな居酒屋。どの店も他ではなかなか味わえない飲み屋ばかりです。
住所:東京都葛飾区立石7丁目1
アクセス:京成「立石」駅より徒歩約3分
阿佐ヶ谷いちょう小路
アーティストを目指す若者が多い中央線沿線のなかでも住みやすいと評判の阿佐ヶ谷。飲み屋文化が残る街で、スターロード、一番街、川端通り、いちょう小路などの飲み屋街が駅周辺にあります。その中でJR阿佐ヶ谷駅南口の川端通りから線路方向にのびるわずか50メートルほどの「いちょう小路」はちょっと怪しげなオトナの雰囲気。艶っぽささえ感じ、ビギナーは入るのをちょっと躊躇しそうです。ところが人気店が満載の飲み屋街。絶対に外せない大衆居酒屋「越川」や「餃子坊 猪八戒」「やきとりや すぎもと」など有名店が多いのも特徴。特に「十六夜」は常連に大学教授や編集者が多く、知的な「阿佐ヶ谷のゴールデン街」と評する人さえいるほど。
▲短い路地に名店がズラリ
住所:東京都杉並区阿佐谷南3丁目
アクセス:JR「阿佐ヶ谷」駅南口より徒歩約2分
門前仲町・辰巳新道
地下鉄を出て、清澄通りから一本入った道にある、50メートルほどのY字の横丁路地「辰巳新道」に32軒の飲み屋が軒を連ねています。門前仲町あたりには終戦直後、都電が走っており、電車通りは夕方頃から様々な屋台が出て賑わっていたそうです。そんな屋台店舗が1950(昭和25)年に都の条例で1カ所に集められたのが「辰巳新道」の始まり。「江戸城から見て辰巳(東南)の方位にあるから」というのがこの横丁名の由来です。昭和時代の建物をそのまま使用し、昭和ノスタルジックな雰囲気がいっぱい。といってもちゃんとリフォームもされているので安全です。店の入口には植木鉢が並び、下町風情が溢れ、中に入ると少人数で満員御礼となるお店が多いのも実家に帰ってきたような郷愁が味わえます。
住所:東京都江東区門前仲町2丁目9-2
アクセス:東京メトロ東西線・都営大江戸線「門前仲町」駅より徒歩約2分
神楽坂・本多横丁
元は旗本大名の本多家の邸宅があったことから「本多横丁」と呼ばれています。1949(昭和24)年頃、戦災で焼け残ったスズラン型の街灯にちなみ、「スズラン横丁商店会」となりましたが、旧名の復活を望む声が多く、3年後には「本多横丁商店会」に改名。現在では約50軒の飲食店が並び、ランチタイムやアフター5の時間帯に賑やかになります。昔ながらの佇まいを残しつつも、フレンチやイタリアンなどのお店も多く、老舗と若者向けのお店が新旧混在しているのもまた魅力。隠れ家的なお店も。
▲夜でも明るく安心
住所:東京都新宿区神楽坂3-2あたり
アクセス:JR「飯田橋」駅、東京メトロ各線「神楽坂」駅、「飯田橋」駅より各徒歩約6分
有楽町産直飲食街 ぶんか横丁1134
有楽町の高架下インターナショナルアーケードにある「有楽町産直飲食街」。この飲食街のコンセプトは「地方生産者と飲食店と消費者をつなぐ産直コミュニティ」で、都道府県とその食材をテーマとした地方・地域活性プロジェクトとしてスタートしたのです。地方の小規模生産者から直接仕入れ、東京ではなかなか手に入らない食材や郷土料理を楽しむことができるのが最大の魅力。2012年11月よりラジオ局・文化放送とタイアップ(ネーミングライツ契約)し、「有楽町産直飲食街 ぶんか横丁1134」としてよりパワーアップしました。この横丁の7つの店舗の中でも「馬かばい!熊本」や「九州 都久志屋」がオススメ。
住所:東京都千代田区有楽町2-1-1 インターナショナルアーケード
アクセス:JR・東京メトロ有楽町線「有楽町駅」より徒歩約6分/銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座」駅より徒歩約3分/日比谷線・千代田線「日比谷」駅より徒歩約4分
【オマケ】まだまだある!オススメ横丁
他にもオススメの横丁は都内にもたくさんあります。是非いろいろめぐってお気に入りを見つけてください
有楽町ガード下焼き鳥ストリート/町田仲見世飲食街/大井町・東小路、すずらん通り、平和小路/三軒茶屋三角地帯、すずらん通り/品川駅港南口/新橋ニュー新橋ビル/八王子ロマン地下/北千住西口・飲み横、宿場町通り/高円寺・大一市場、ガード下/西荻窪・サカエ通り、柳小路/亀戸横丁/浅草ホッピー通り/浅草六区通り
文:魚住陽向 (facebook)
編集:大山勇一(アーク・コミュニケーションズ)