NTTデータ経営研究所は11月15日、企業におけるソーシャルメディア活用状況に関する調査結果を発表した。同調査は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションの提供する「gooリサーチ」の登録モニターを対象に行われたもの。
調査結果によると、ソーシャルメディア導入済みの企業は全体の約2割で、それほど多くない。また、BtoC企業の導入率は33%と高めで、BtoB企業は14%と低くなっている。
保有する販売チャネルごとに集計したデータでは、ECサイト保有企業の導入率が最も高い。また、実店舗を持つ企業の導入率も29%と比較的高く、オンラインのソーシャルメディアとオフラインの実店舗を連携させて好結果につなげようとする流れがうかがえる。
導入目的は、「売上拡大(販売促進)」が最も多く12.9%。このほか「ブランド力強化」は10.0%、「顧客ニーズ等のマーケティングリサーチの高度化」は9.6%、「顧客満足度の向上」「顧客との長期的な関係の構築」は9.2%の企業が挙げており、さまざまな目的で導入されていることがわかる。
ソーシャルメディア導入の成果についてたずねた調査では、約35%がソーシャルメディアの導入によって「成果が得られた」と回答。約65%は「期待した成果が得られなかった」と答えている。
ソーシャルメディア導入の成功要因については、35.5%の企業が「導入のタイミング」を挙げており、最も多い。また、「関連部署間の連携を緊密に行ったから」「知識・ノウハウを持っている社員がいたから」は31.6%、「業務プロセス・意思決定プロセスを改定したから」という回答も比較的多くなっている。
失敗要因として一番多かったのは、「ソーシャルメディアの特性を十分理解できず、適切な戦略を立案できなかった」という回答。成功要因の反対項目である「導入のタイミングが悪かったから」「関連部署間の連携を不十分だから」「知識・ノウハウを持っている社員がいないから」「業務プロセス・意思決定プロセスが変更されていないから」の回答率は、「知識・ノウハウを持っている社員がいないから」を除いてそれほど高くなっていない。
このほか、ソーシャルメディア導入の成功企業は、「顧客データ連携システム(ソーシャルCRM)の構築」や「複数組織による緊密な連携・共同運用」「適切な研修・訓練の実施」「ガイドライン・ルールの策定」「専門的な外部人材の活用」などを行っている割合が失敗企業に比べて高いという調査結果も出ている。