10月1日に改正著作権法の一部が施行された。改正著作権では、DVDのコピー防止機能(CSS:Content Scramble System)を解除してDVDのデータを複製することが違法となり、刑罰は科せられないが取り締まりの対象となった。
これは個人で楽しむ私的利用も含むため、例えばレンタルしたDVDを自宅で新しいDVD-ROMにコピーするといった利用も違法とみなされる場合がある。
マイナビニュースでは10月5日、改正著作権法についてのアンケートをマイナビニュース会員500名(男性257名、女性243名)を対象に実施した。「DVDリッピングの違法化でDVDの売上は変化すると思うか」という質問に、「変わらない」と回答した人はほぼ半数の47.8%。「落ち込む」とした人は14.8%で、「伸びると思う」と回答した4.6%を3倍以上上回った。
改正著作権法の一部が施行されたことについては、「知らなかった」と回答した人が54%と過半数を占めた。また、著作権法の改正でDVDリッピングが違法となったことを知っていたか」という質問には、「知っている」が29%、「著作権法の改正は知らなかったがDVDリッピングの違法化は知っていた」が17.2%、「知らなかった」がほぼ半数となる53.8%だった。
今回の改正ではコピー防止用のCSS技術を回避することが違法となるため、同技術で保護されていないDVDやCDのリッピングは、刑罰の対象にならない。しかし「全てのDVDが対象になると思っていた」と回答した人は58.6%と半数を超えた。
これに関連し、「一般的なCDのリッピングが違法とならないことを知っているか」という質問では、「知っている」と回答した人は23%、「違法になると思っていた」と回答した人はほぼ同数の24%、「考えたことがなかった」が53%となった。
このほか、 DVDリッピングの違法化についての自由回答には下記のような意見がみられた。
賛成派
- 海賊版が多いから仕方ない
- 正規の購入者が損をしないためにも、取り締まるべき
- アーティストの儲けにつながればいい
- 物理メディアなので破損に備えてコピーしたい気持ちはわかるが、利益を損なう以上違法化も仕方が無い
- 当然。書籍、音楽にも広げるべき
反対派
- レンタル商売が成り立っている以上、リッピングも合法
- 年間100枚以上DVDを購入していたが、リッピングの違法化はまるで犯罪者扱いされているようで、怒りを感じる
- 実際にリッピングをしている人はほんの一握り。意味はないと思う
- 個人で楽しむ範囲ならいいと思う
- 取り締まれないものを違法にするのは無駄
その他
- あまりピンとこない
- やったことがないので分からない
- 本当に見たかったら買うと思う
- リッピングの違法化で著作権者にどんな意義があるかきちんと説明できていない
- どうやって違反者を摘発するのかが疑問
マイナビニュース会員限定の調査ではあるが、改正著作権法はまだ一般的に認知されているとは言い難く、「わからない」や「告知不足」の意見が目立ち、自由回答でも反対の意見が多かった。また、DVDの売上が伸びると考える人は少なく、改正著作権法が実際に映像コンテンツを守る手段となるのか、今後に注目していきたい。
調査時期:2012年10月05日~2012年10月06日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:500件
調査方法:インターネットログイン式アンケート