ガンダムも作れる? 全身が新設計の近藤科学 二足歩行ロボット「KHR-3HV」が初披露

高校や大学では、機械工学や電子工学などを学ぶ教材としてロボットが研究されており、個人でも二足歩行ロボットの競技大会が開催され、テレビ番組やニュースでも取り上げられつようになった。
2009年6月13日、都内 浅草ROX3スーパーマルチコートで多数のロボットファンが見守るなか、新二足歩行ロボット「KHR-3HV」が披露された。
■フルガンダムが作れるかもしれない - 近藤社長
近藤社長が開口一発「全身が新設計」と語るとおり、「KHR-3HV」は関節を動かすサーボモーターをはじめ、メインボードやフレームなど、ほぼすべてのパーツが新たに開発されたパーツで構成されている。
「KHR-3HV」は現行の最新モデル「KHR-2HV」と比較してスマートになり、ユーザーによる設計の自由度が大きく増しているのだ。
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近藤科学株式会社 代表取締役社長 近藤博俊氏 |
「KHR-3HV」は、全身5箇所のフレームの接続に使用しているダミーパーツを別売のサーボモーターと交換することによって、ロボット本体のサイズを変更せずに動軸の増設が可能だ。
さらにサーボとコントロールボードの通信方式を従来のPWM 方式からシリアル通信方式専用としたことにより、スッキリとした配線が可能になった。
近藤社長は「ガンダムならフルガンダムが作れるかもしれない。それぐらい自由度は高い。」と、「KHR-3HV」のカスタマイズ性の高さを強調した。
■モノが握れるロボット- クラフトハウス
「KHR-3HV」とともに注目を浴びていたのが、クラフトハウスが参考出品した二足歩行ロボット「メリッサ」のプロトタイプの動く手だ。
「メリッサ」は、二足歩行ロボットの競技大会「ROBO ONE」で優秀な成績を収めてきた近藤科学製サーボモーター「KRS-4000」シリーズ向けの二足歩行ロボット。他社の二足歩行ロボットと同様に二足歩行と腕の操作は可能だが、手でモノを握ることはできなかった。
今回のプロトタイプに取り付けられた手は、二足歩行ロボットの研究者として知られる吉村浩一氏から直接譲っていただいたもので、10名以上の希望者がいれば、数万円レベルだが製品化もあり得るとのこと。
■ゲームでロボットの技術を学べる - イクシスリサーチ
イクシスリサーチのブースでは、「KHR-3V」の機能を拡張するボード類を展示していた。標準搭載のボードと差し替えることによって、USBカメラや無線LAN、USBポートの制御などが手軽にできるというものだ。
ブースの脇には、「カードDEチャレンジ SimROBOT」の試作機も設置され、子供たちが夢中になって遊んでいた。「カードDEチャレンジ SimROBOT」は、ゲームセンターにある「ムシキング」の筐体をベースにしたものだ。ロボットのパーツが描かれたカードをバーコードリーダーに読み込ませることで、自分だけのオリジナルのロボットを作り、相手のロボットと闘わせることができる。
スタッフによると、二足歩行ロボットを構成するパーツには子供には難しい名前のパーツも多いが、遊びながら名前やパーツの役割を自然に覚えていくようだ。実際、その場にいたスタッフは、子供たちからの質問攻めにあっていた。
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「KHR-3V」の機能を拡張するボード | 「カードDEチャレンジ SimROBOT」 |
■2個のモータで歩くロボット - エルエルパレス
科学系のイベントに行くと、ロボットが舞台に登場してさまざまな演技をすることがある。そんなイベント向けのロボットを製作している会社がエルエルパレスだ。
同社のブースでは、実際にイベント向けに製作したロボットのほかに、2個のモータで歩くロボットを展示。スタッフによると、重心を移動させることで2個のモータでも歩行を可能としている。
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2個のモータで歩くロボット | エルエルパレスのブース |
■KONDO KHRシリーズ
■近藤科学
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