昨晩21:00ごろ大学病院の救急に駆け込んだ。

 というのもジョギング中に耳内部に虫が混入したのだ。

 笑い話に聞こえるだろう、しかしこれが実に笑えない


 20:00すぎぐらいだったろうか、ジョギング中に耳に何かが触れた、虫だ。

 まぁ振り払えばいい、それで終わるはずだった。

 足を止め、暗闇の中、右耳周辺を手で払う。

 そして再び走り出そうとする、そして耳内部に違和感。

 次の瞬間


 ゴババババババババババーッッ


 と右耳の中で爆音が!

 日本語が分かりづらくて申し訳ないが耳の中で爆音である。

 今まで感じたことのない、奇妙な感覚であった。

 入ってる、これ完全に挿入(ハイ)ってるよね!

 どうやら虫が右耳奥まで入ってしまったらしい。

 つまみ出そうとしてもまったくとれない、何かさえつかめない。

 頭を振っても耳の中で暴れるだけ、外灯の真下に立って耳を向けても出る気配すらない。

 私はライティング能力に乏しいのでテキストで書き表す自信がないが、


 何かの羽が耳の肉壁にこすれて痛くすぐったく


 脳髄に直接響くかのようなとてつもない爆音の羽音


 が10秒おきぐらいに続くのである、まるで脳みそのすぐ横に何かが羽ばたいていて、その羽が脳みそを擦ってる感覚とでも表現すればいいのか。

 そのうえ、それが起こるたびに


 耳の中に得体の知れない何かがいる


 という底知れぬ不安感が俺を襲うのだ。

 恐怖を通り越して本気で頭がおかしくなるかと思った

 あれほどどうにかなりそうだと思ったのは生まれて初めてだったのではないか。

 自分はまだ虫にはそれほど抵抗もないほうで(好きではないけど)、一番好きなポケモンのタイプは虫だったり紅茶を飲みながら○○ニーを嗜む英国紳士並みのおおらかな心を持つ人間だったからよかったものの、虫の苦手な人だったり、女の子だったら間違いなく30秒で発狂してた
(まぁ女の子は髪の毛があるからなかなか入らないとは思うが)

 とりあえず虫をあまり刺激しないように、他人から見ればウンコが漏れそうな千鳥足で家へ急いだ。

 もちろんその間も虫は絶賛羽ばたき中である。

 30分ぐらいかけて家に到着する事が出来た。

 家についてまずやった事はそう、掃除機だ。

 餅をのどに詰まらせたジジイババアのニュースを見るたびに「おいおい、雑菌入るから掃除機ヤベーぞー」と思っていたが、もはや雑菌などどうでもいい、いるんだよ!耳の中にビッグなヤツが!

 正直なところ、俺は家について少し安堵していた。

 掃除機で吸いだせると思っていたからだ。

 さっそく電源を入れる、吸い出そうと試みる。

 ギュイーンという掃除機の轟音とゴバババババーという虫の爆音が何とも言えないハーモニーを奏で始める、人生最悪の和音だ

 しばらく掃除機を耳に当てていたら羽音が聞こえなくなったので電源を切ってみた。

 「あれ……?出たかな……」







ゴババババババババーッッ





休んでただけかテメー!!



敗北である、吸引力の変わらないただ一つのナンチャラがたかが虫一匹に敗北した瞬間である。

 その後も20分ほど試みたがやはりダメであった。

 結局親に懐中電灯で照らしてもらっても、出てくるどころか姿すら見えず。

 人間の耳なんてそんな深く勉強した事はなかったが、思ったより深い器官なんだなーなどと感心していた、もちろんその間も絶賛羽ばたき中である。

 ピンセットで無理やりポケモンゲットしようかという案もあったが無理にやって鼓膜を傷つけるとアレなので(一生モノの器官だし)、結局大学病院の救急に駆け込む事にした。

 もちろん車は姉に出してもらった(俺が運転してたら100%事故ってた)

 21:00過ぎに病院に到着。

 問診票を記入し、しばし待つと看護士さんに呼ばれた。

 この看護士さんがドエライスタイルで俺のテンションがあがったのは言うまでもない。

 そのスタイルのいいナースさんと暗い病院内を耳鼻科棟まで歩くというなかなか貴重な体験をさせていただきました、ゴチソウサマでした。

 もちろんその間も絶賛羽ばたk(以下略)

 受診室の前でしばらく待っていたら先生登場、スイマセンこんな遅い時間にホント。

 持病とか諸々問診をして「じゃぁ虫出すねー」と。

 歯科医院を連想してもらうと分かりやすいと思うが、あのような台に座り、右耳を上に向け、看護士さんが両腕で頭を固定。

 都市伝説かと思ってた。








 当たってるんですよアレが


 AVの話だけかと思ってた(感涙)
(でも時間が時間だったし、あまり連携取れてない感じだったからあまり慣れてない人なのかもしれない)

 まぁそれはおいといて、それこそ歯科医が使うような先の尖った吸引機みたいなものでスポッ、と。

 一発ゲット、ダイソンとはなんだったのか

 「FUUUUU!デカイねー!まだ生きてるジャン!」と、お医者さん、なんなんだ、この時間にそのテンション。

 右耳から出てきたのは全長2~3cmはあろうかというであった。

 まず、一目見たときは恐怖よりも先に驚愕した。

 こんなものが人間の耳に入るものなのか、と。

 そして同時に安堵した、俺は救われた!俺はもう自由なんだと!








 「じゃぁ卵産み付けられてるかもしれないから洗浄するねー♪」


!?


 へいドクター、あんたサラッと恐ろしい事言ってないかいィ!?

 卵!?卵って何!?あたい男なのに母親になっちゃうっていうのかいぃ!?

 そんな恐怖に怯えながら巨○ちゃんが漏斗(のようなモノ)を持ち、ドクターが謎の液体(おそらく生食)を十回弱注射器のような物で耳の中に注入し洗浄。

 洗浄が終わり、内視鏡で耳の内部を見せてもらいながら解説。

 蛾は頭から耳に入ったため出て来れなかった模様。
(人間も狭い所に入れはしても出れなくなってニュースになったり、正にそのパターンらしい)

 そのおかげでお尻が外側にあり卵は見つからなかった様子。

 ただ耳内部に蛾の麟粉が多量に付着しており、その中に確認できない卵があるかもしれないとの事なので抗生物質入りの薬を貰ってきました。

 TVの健康特集番組で、よく耳の内部を内視鏡で見たりしますが、実際自分の耳の内部なんかを見たのは初めてだったので貴重な体験でした。

 アイドルが耳の中を初めて見て「やだ汚なーい!」とブリるのはお約束ですが、始めて見た耳の内部が鼓膜を含め蛾の麟粉で金ピカに光り輝いてたというのもなかなか貴重だと思います。

 お医者さんにお礼を述べて、看護士さんと受付まで戻る事に。

 「大っきかったですねー……///」

 などと言われ「キミの方が大きいよ」とセクハラで返そうとしたが友人の嫁がICUで働いているはずなのでやめておいた





 「ゴキブリとかもけっこう多いんですよー」

 え!?

 ゴキ!?

 「そうですよー、卵とか産み付けられちゃったりー。嫌ですよねーwww」

 実際けっこういるそうです、どっちがよかった、とかそういう話ではないんですが。(笑)




 ……とまぁこんな感じだったんですけど今回思ったのが理解してた自分の体のはずなのに全然分からなかったという事です。

 耳なんて、チョロッと入ったらスルッと取ればいい、その程度に考えてました。

 自分で掴めやしないのはおろか、第三者(素人)が見ても見えないぐらい、耳は奥深くまで続いてる器官だとは思ってもいませんでした。

 今回の件に関して言えば痛みがないならそれほど焦る必要もないそうです
(というかあれで一晩過ごしたら俺は間違いなく狂人か廃人になってた。未だに『幻肢』っていうの?耳の中に何かがいる感がハンパじゃないw)

 ピンセットなどで無理に取ろうとすると鼓膜を傷つけたりする場合があるそうなので、耳に異物が混入した時は素人は下手に手を出さずにすぐに専門家に見てもらったほうが良いそうです。

 いざとなれば恥ずかしがらずに救急車でおk、との事です。



就寝中の少年の耳の中にガ 救急治療室へ
やっぱり夏場は多いんでしょうかね?要注意です





TDK スポーツ向けイヤホン 周囲の音が聞こえる、アウトドアに適した安心設計 CLEF-A Reverse Sound TH-SB23YG
TDK スポーツ向けイヤホン 周囲の音が聞こえる、アウトドアに適した安心設計 CLEF-A Reverse Sound TH-SB23YG
先月事故りそうになってから音楽聞くのやめてたんだよなー
イヤホンだけでも付けてたほうがいいかな