本書の内容
あらゆる生物のかたちや特質を決定する遺伝子の仕組みについて、きわめてわかりやすく解説した科学読み物。
家族や親戚の中には、必ず同じような体形や顔立ちを持った人がいるのはなぜか。この謎には古代ギリシャ以来多くの賢人たちが挑んできた。本書では、遺伝子という概念を初めて明らかにしたメンデルや、DNAの構造を解明したワトソンとクリックらの業績を説明しながら、遺伝子のメカニズムを平易な文章と美しいイラストを多用して解説する。そして最新の遺伝子研究が医学や生物学、あるいは農業や犯罪捜査にどのような影響を与えているか、さまざまな事例を通して紹介している。
おもしろいのは、実際に家庭でもできる遺伝子実験がいくつも紹介されており、これらに挑戦しながら難解な遺伝子の仕組みを少しずつ理解していけるよう工夫されていることだ。子供たちや学生向けの「遺伝子工学入門」の役目を十分に果たしてくれるだろう。また、最終章では今後の遺伝子工学の発展に伴い必ず大きな問題になる倫理的、法的、社会的影響についても言及している。
目次
はじめに あなたはいったい何者か
第1章 遺伝子のすべて
・メンデルのエンドウ
・二重らせんの謎
第2章 あなたは誰?
・自分を知る
・性について
・双子研究の重要性
第3章 遺伝子と健康
・自分のDNAを抽出する
・突然変異遺伝子
・家でできる遺伝子検査
第4章 遺伝学の活用
・DNA指紋法
・バイオメトリクス
・遺伝子とがん
第5章 どんな未来が待ち受けているか
・遺伝子は変えられるか
・神になりかわることは許されるか