大要にて
「長岡アジア映画祭という名前をなぜ使わなくなったの?」
人づてに耳にしましたが、昨年ある女性監督が話していたそうで、
せっかく地方でアジアに拘った映画祭は貴重なのに、
という主旨の文脈で話してたそうです。
長岡アジア映画祭ではお招きしたことはなかった監督でしたが、
それなのにこうして気にかけていると知って嬉しく思いました。
話は先日、新潟市に“大要”というピンク映画館があります。
おそらく新潟県内でもっとも古い通常営業してる劇場ではないかと思い、
映画とともにその地の映画館のたたずまいも好きなので、
機会があれば入ってみたいと思っていたのですが、
躊躇していたのはピンク映画館だからでなく妙な噂を聞いたからで行けずにいました。
それがこの度、以前から尊敬してる映画ファンの方と同行してもらうことができました。
公開してたのは「女囚さそり外伝第41雑居房」と「熟女ヘルパー 癒しの手ざわり」の2本のピンク映画とそのハザマにAVが上映されてるという、変則的なのかピンクではそれが今は普通なのか判断できませんでしたが、、
「女囚さそり外伝第41雑居房」は過激な暴力が続きクライマックスは延々と殺戮となり
ゲンナリさせられましたが、それでも抑えきれない作り手の熱い衝動が感じられました。
一方の「熟女ヘルパー 癒しの手ざわり」は「女囚さそり外伝」と真逆でタイトル通り癒しを感じさせる作品。
障害者や高齢者の下半身を癒しで解放する女性をはじめ性に抑圧されてる男たちを
身体とテクニックで開放することに生きがいを感じてる女性たちが主人公。
おそろしく丁寧な言葉遣いで抑圧を解放するヒロインはまさに天使のように思いましたが、
ピンクだからかスタッフエンドロールがラストに流れて最後に監督の名前が、、、
冒頭に書いた長岡アジア映画祭を気にかけていた映画監督だったので驚いてしまいました。
女性が主人公の社会派的な題材を映画にしてる印象が強かったのですが、
それは一般映画もピンク映画も変わらないことを知ったばかりか、
すでにピンク映画を300本以上監督してるそうで、
日本でもっとも映画を監督している女性監督という肩書きがあり、
それは今も継続して現役のピンク映画監督ということも何やら感動してしまいました。
予備知識なしで映画を観て驚いた体験にも。
そして大要。
同行していただいた方が“昭和の劇場”と話してましたが、
シネコン隆盛の現在においてこの佇まいは貴重に思いました。
金曜の夜に観賞しましたが、わりと館内は盛況。
お客さんはソファーに寝転んだり、別モニターでAV見たり(!)、時間に関係なく出入りしたりと各自自由に観賞。
そして座った椅子はリクライニングシートだったのでこんな快適な椅子は映画館では初めてだと。
正直、この夜たまたまなのか危惧していたちょっと怖い思いはしなかったです。
むしろ冷房が効いてるので涼みがてらにいいんじゃないかとも。
特筆だったのは「女囚さそり外伝第41雑居房」も「熟女ヘルパー 癒しの手ざわり」も35mmフィルムで上映。
映写機がガタコトと唸りを挙げて、これから映画が始まるという思いを久しぶりに感じさせ、
フィルムチェンジの切り替えにもオオッと飛び跳ね、むしろ濡れ場よりもそっちに興奮してた有様でした。
ここまでくればもはやこの劇場は県内でも貴重な文化遺産ではないかと、、、
同行いただいた方、ありがとうございました。
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