写真日記

2021年07月09日

入国・滞在ルールの見直しを、厚労省と内閣官房に申し入れ

※立憲民主党ホームページからの転載です。

 立憲民主党は9日、東京オリンピック・パラリンピックの感染対策である「バブル方式」で次々と問題が明らかとなり、五輪関係者の入国や滞在によって新型コロナウイルスの更なる感染拡大が懸念されることから、厚生労働省及び内閣官房東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部へ次の点について申し入れをおこないました(写真上は内閣官房への申し入れの様子)。
 厚生労働省では浅沼一成生活衛生・食品安全審議官が、内閣官房では東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部事務局の十時憲司企画・推進統括官が申し入れに応じました。

1.空港検疫でオリンピック・パラリンピック関係者の中に陽性者が確認された場合、空港において機内濃厚接触候補者とそれ以外に区分し、機内濃厚接触候補者は別のバスでホストタウン等に移動させることになりました。しかし、当該自治体に濃厚接触候補者を移動させることには問題があり、感染症法第15条2項を活用して、空港検疫で濃厚接触者を判定し、濃厚接触者についても陰性が確定するまでは陽性者と同様、施設療養等の措置を講じて下さい。また、選手村には陽性者だけでなく、濃厚接触者も移動させず、施設療養等の措置を講じて下さい。

2.少なくとも私たちが視察した羽田空港においては、入国直後のロビーやお手洗い、喫茶店などの空間で、オリンピック・パラリンピック関係者の動線と一般旅客の動線が重なっています。オリンピック・パラリンピック関係者の動線と一般旅客の動線は、空港検疫から入国後のバス等の乗車まで、明確に分けて下さい。また、空港施設の所管は多省庁にまたがっており、水際対策の穴が省庁間の縦割りの谷間で見落とされている可能性があります。空港の水際対策全体について責任の所在を明確にしたうえで、省庁間で総合調整して下さい。

3.海外のオリンピック・パラリンピック関係者は入国後の最初の14日間であっても、例外的に、レストランの個室やコンビニ等を利用することが認められていますが、例外の基準や利用する際の手続が曖昧です。特に、コンビニについては事前登録が不要とされ、レストランの個室の事前登録についてもプレイブックに書かれておらず、事実上必要となっていません。これでは、多くの関係者が宿泊施設以外のレストラン等を利用し、感染の拡大を招くことが懸念されます。この例外のルールを削除して下さい。

4.選手が濃厚接触者となった際の出場の可否については、関係者間で最終的な調整を行っているとのことですが、原則出場不可とするなど、慎重な対応を検討してください。

 申し入れ後、長妻昭厚生労働部会長、斎藤嘉隆文部科学部会長、山井和則衆院議員、塩村あやか参院議員が記者団の取材に応じました。長妻厚労部会長は、海外からのオリンピック・パラリンピック関係者が入国後の最初の14日以内でも、レストランの個室やコンビニ等を例外的に利用できるとするプレイブックの規定を削除するよう要請したと述べました。

 斉藤文部科学部会長は、「海外からの五輪選手に濃厚接触者の疑いがある場合、その選手を競技に出場させるか否かさえ、今日の時点で決まっていない。こんなことでいいのか。国民の命、健康を守れるのか。厚労省、内閣官房のそれぞれが一生懸命にやっているが、縦割りのためか、責任の押し付け合いなのか、非常に不安を大きくした。このままでは安心安全のオリパラをやるのは難しい」と懸念を示しました。

 塩村参院議員は、「現在のバブル方式は穴が開いており、早急にふさがなければいけないのに、政府では穴をふさぐことができないと受け取った。こんな状態でオリンピックを開催すると、この先、夏、秋、冬にかけて新たな変異株が入ってくることを今の状態では止められない。早急な対策が必要だ」と強調しました。

 山井議員は、豊洲の公園で多くの外国人がマスクを外してビールなどを飲んでいるという苦情が出ていることに関して「調査してもらえないか」と政府側に求めたところ、「私たちには調査権限がない」との返事があったと報告しました。それに対して「調査権限がなくて管理ができないなら(プレイブックの)例外規定を削除すべきと提案した」と述べました。