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国立国会図書館の被害から見えてくること

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東北関東大震災で、最優先すべき命と生活。

しかし、あえてそれ以外のことに触れる。
文化財、書籍、教科書。

これらは、生きていく上で必要不可欠ではない。
「教育」や「教養」といった分野は、いつも最後、あとまわしだ。
世界中の、いわゆる貧しい国の子どもたちを見ればそれはよく分かる。

今回、国立国会図書館(NDL)の広報の方に取材し、掲載することができた。
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資料の落下は、主に17層と16層あたりが被害が大きく、そのほかの地下書庫や下のほうの階にはそれほどの影響はありません。
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そうは言っても半端じゃない蔵書の数。
日本の貴重な重要文化財から書籍類まで、その資料点数は3600万点。
この3%程度とはいえ120万部の被害、実際は約180万部が落下したというから気の遠くなる話である。
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作業規模は延べ600名。職員80名で8日間の予定だそうだ。
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足の踏み場もない中で、国内の貴重な資料のために本当にありがたいと思う。
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幸い、水をかぶったわけでもないので、東北の文化財ほどの重症ではないかもしれません。
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こう話して下さった。
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この写真を見て、学校関係者や図書館関係者の言葉が急激に現実味を帯びてきた。


「これで新年度がはじまれるのか。」

「教科書が手に入らない。」


もう学校とか教育とか言っていられないのはよく分かる。
しかし、そんななかでも、やはり新年度だ。
子どもにとっても親にとっても、そして先生たちにとっても、かけがえのないスタートの時期。

こんなニュースがあった。
小学校を丸ごと受け入れてくれる広島県の話。
人事交流のある宮城県に連絡したそうだ。
廃校の小学校を使い、「国立江田島青少年交流の家」に泊まってもらう。
この4月から約一年間。
これから生活のこことか、いろいろと大変にはなるだろう。
しかし、これは子どもたちにとっては奇跡的にありがたいことだと思う。
書物や考え方や人物に触れあうことで、「空想の路頭」に迷うことなく、この先どうしたらよいか、自分と向き合う時間が確保できるからだ。
何かに没頭できる時間がどれほど人を救うか、あとになってわかる。

出版社の皆さん、教科書会社の皆さん、印刷会社の皆さん、紙関係の皆さん。
本当に本当に大変だと思いますが、どうか、日本の子どもたちが犠牲にならないように、心からお願いしたい。
私たちは、仕事柄そういった方たちに普段から本当にお世話になっているし、その大変さを一般の人よりは理解しているつもりだ。
だからこそである。
私たちにできることがないか、いつもやきもきしていて、そのくせ何もしていないのに、偉そうなことばかり言って申し訳ないと思っている。
しかし私たちは本の魅力は分かっている。
だから最低限必要な本は子どもたちに届いて欲しいのだ。


命も大切。
でもその命を守るのは、温かさであり、食べ物であり、考え方である。

どうか、温もりのある新学期を迎えられますよう、心より祈願いたします。

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by muse-9 | 2011-03-25 16:28 | 国内
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