第29回 HTML5とか勉強会で、PhoneGapについてお話をしてきました。 今回のテーマは「モバイルJavaScriptフレームワーク」ということで、他にAppceleratorの増井さんからTitanium Mobileの発表、DeNAの紀平さんからngCore on HTML5の発表がありました。
会場は150人が入る大会議室だったのですが、それがほぼ全て埋まる熱気で、JavaScriptフレームワークへの関心の高さを感じました(今回、場所がヒカリエだったからという噂もありますが)。
紀平さんのngCore on HTML5の発表では、実際にiPhone 4SのMobile Safariで動くngCore製ゲーム「プティの王国」がデモされました。実は、先日のMobage Forumで同じデモを行った際に、Ustを見ていた人から「嘘だ、あんなにスムーズに動くはずが無い」というコメントがつき、それを受けて「これ、いまちゃんと私が操作してますよね?」と会場の人に確認しながらのデモになりました。それほど、すごい技術ということも言える訳ですが。興味のある方は、下記のプレゼンの14:40あたりをご覧下さい。ちなみに、プティのコードはiOS/Android版と同一だそうです。
元関係者なので、あまり褒めるのもどうかとは思いますが、モバイル環境のブラウザ上で、箱庭に家を置いたりしつつズームイン・アウトを行い、なおかつフィールド上を歩く人などのアニメーションがなめらかに動く様子は、間違いなく世界レベルの技術であり、こうしたものがここ日本から出てきていることはとてもうれしいことだと思いました。
「これまでかなりの期間関わって、JavaScriptは大嫌いな言語。しかし、ブラウザで動くという点は重要。JavaScriptは21世紀のC言語」という紀平さんの言葉が、今回紹介したようなJavaScriptフレームワークの位置づけを示しているのではないかと思いました。
Appceleratorの増井さんのプレゼンは、豊富な事例を出してさすがの貫禄。非常に説得力がありました。ココログのモバイルアプリの「すでにiOSでネイティブ版を作っていたが、Android版からTitaniumに移行してバージョンアップの工数を削減」した話など、なるほどという感じでした。
Titanium関連では、ほかにバックエンドサービスをクラウド提供するサービスの話が面白かったです。Cocoafishを元にしたもので、写真投稿アプリなどを作った際のバックエンドで写真の蓄積を行う部分などを、サービスとして提供します。ほかにも、ユーザーをフォローしてタイムラインを見る機能や、場所へのチェックインなど、最近のウェブサービスが必要とする機能がパーツとして提供されていて、まったく違った観点からTitanium Mobileでのサービス開発をサポートしている点が興味深かったです。
追記: ゲーム関連では、Titanium用のOpenGLモジュールを使った2Dゲームもデモされました。JavaScriptで作ったシューティングゲームがなめらかに動いており、こちらもTitaniumの新しい存在意義を示すものだったと思います。増井さんによると、ゲームのようなフレーム単位のパフォーマンスを実現するために特に対応は行っていなかったそうで、「Titanium自体が改善をしてきたことで、ゲームでも問題無く動くパフォーマンスを実現していた」ということのようです。
一人ずつプレゼンの後は3人でトークセッションをしたのですが、お二人とは知り合いだったので、リラックスした感じで話すことができました。
個人的には、ヒカリエオフィスに入ることができたのが非常にうれしかったです。ちなみに、懇親会に出た食事はDeNAのサクラカフェの食事を作っている会社のものだそうで、サクラカフェの食事を疑似体験できたとも言えるかもしれません。
なお、当日の模様がTogetterにまとめられていました。それとレポートをして下さった方も。
プレゼンに使用したスライドは、下記の内容になります。
イベントのオーガナイズをしてくださった「HTML5とか勉強会」スタッフのみなさん、会場を手配して頂いたDeNAのみなさん、そして参加していただいたみなさん、ありがとうございました。