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「サリエリのオペラなど」
オルムスの王アクスール

第2幕: アタールのカヴァティーナ Soave luce ​di paradiso (オルムスの王アクスール)

 ←源氏と中宮の物語 その四十 (賢木より) →第2幕: アクスールのアリア Dove andò quel maschio ardire (オルムスの王アクスール)
 サリエリのオペラ「オルムスの王アクスール」の台本を読んでいきます。素人なので間違いがあると思います。ご参考程度にご覧ください。

【第2幕】
 アスパジアがさらわれたと王に訴えに来たアタール。アルタモールに彼女を奴隷と言われ、「彼女は女神だ」と断言します。
 アタールの歌唱からです。おそらくカヴァティーナ。(『タラール』での該当場面はこちら
 
 4分の3拍子、変ロ長調、アンダンテ・ウン・ポーコ・カンタービレ。
 編成は、DL できた二つの楽譜でちょっと違うのですが、録音盤はおそらくオーボエ(二部)、ヴァイオリン(二部)、ヴィオラ、ファゴット、低音弦楽器。(別バージョンではホルンと、オーボエの代わりにクラリネットが入ります)


Antonio Salieri: Harmonie Musiken ℗ 2016 Orfeo
Consortium Classicum, 2016-01-01
Provided to YouTube by NAXOS of America

 別人による吹奏楽団用の編曲ですが、曲の雰囲気は感じられるのでよろしかったら。

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優しい光が       Soave luce
楽園のもののような di paradiso

美しい顔に       entro il bel viso
いつも輝いていた。  brillava ognor.

優しい光が       Soave luce
楽園のもののような di paradiso

美しい顔に       entro il bel viso
いつも輝いていた。  brillava ognor.

美しい顔に       entro il bel viso
いつも輝いていた。  brillava ognor.

天上のもののようだった、 Parean celesti
そのまなざし、その仕草、 li sguardi, e i gesti,

その甘やかな声の  il dolce suono
愛おしい口調は、  de' cari accenti

喜びの雨を降らせた、 piovea contenti,
私の心の中に。     dentro il mio cor.

 ヘ長調に。

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その甘やかな声の  il dolce suono
愛おしい口調は、  de' cari accenti

喜びの雨を降らせた、 piovea contenti,
私の心の中に。     dentro il mio cor.

 「contenti 満足、喜び」を長く伸ばす。

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アスパジア……  Aspasia...
アスパジア……。 Aspasia...

 フェルマータ。ブックレットの歌詞にも、ウェブサイトの収録台本にもないので、作曲者の挿入のようです。

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どこに隠れているのだ、 Dove t'ascondi,
愛する宝物よ?      tesoro amato ?

ああ、返事をしてくれ、  Deh, mi rispondi
まだ生きているのなら? se vivi ancor ?

どこに隠れているのだ、 Dove t'ascondi,
愛する宝物よ?      tesoro amato ?

ああ、返事をしてくれ、  Deh, mi rispondi
まだ生きているのなら? se vivi ancor ?

ああ、返事をしてくれ、  Deh, mi rispondi
まだ生きているのなら? se vivi ancor ?

 変ロ長調に戻っておしまい。

 『タラール』の中でも印象的だった曲でしたが、例によって聞き比べてみると全然違う(笑)

 正確に言うと、導入部は違うけれど後半は近い気がします。この曲については詩もけっこう元と違うので、『アスパジア……』の挿入といい、サリエリが納得のいく形になるまでダ・ポンテとかなりやりとりしたのかもしれませんね。(勝手な想像)

 レチタティーヴォ・セッコに続きます。
 4分の4拍子、ニ短調スタートか?

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君は出来るのだよ、 E puoi,
勇敢な戦士よ、    prode Guerrier,

不甲斐ない涙に  di molle pianto
美しい女のために per donnesca beltà
濡れたその顔で、  bagnare il volto

奪われたというのなら、 se l'oggetto t'è tolto
君の情欲の対象が、   della tua fiamma

新しく後宮を作ることが、      avvi un Serraglio intero
国が提供して満足のいくものを。  che miglior ​t'offre impero;

 ハ短調か?

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ひとりの美女をと  e per una beltà
君が望むときには  quando tu il vuoi,

千人を得ることができるのだ。 mille trovar ne puoi;

 ト長調?

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だが決して得られないぞ、 ma non si trova mai
失われた名誉は、      quell'onor che si perde

涙の中で、   in pianti,
哀歌の中で! e in lai !

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ああ、王よ! Ah Signor !

 イ長調でおしまいか?

 親切さを装った意地悪な言葉へのアタールの抗議を無視し、アクスールのアリアが始まりますが、今回はここまでにいたします。
 「lai」は中世の詩歌のジャンルのようですが、イタリア語の意味の第二義に「悲しみや苦しみの執拗で絶望的な声」とあり、ジャンルのイメージがなんとなく察せられました。

 お付き合いいただきありがとうございました。

=続きます=

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NoTitle

アクスールも全部知っていて、
こんな言葉をかけるから質が悪いですね^^;
他人から奪って満足しようとするのをやめる
そんな自制心も持っていなかったというのが悲劇ですね~。

Re: ツバサさん

コメントありがとうございます。

自分が原因だとわかっているのに
慰めるふりをしてこういうことを言うのは
本当に意地が悪いですよね(^^;)

筋立て上、暴君が必要とはいえ
このあたりの描写は原作のボーマルシェの
底意地の悪さが想像されます(笑)

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