2013-01-15追記 規約違反とのコメント頂いたのでスクレイピングするスクリプトを削除しました。
tmuxのcommand-promptを使うと任意のコマンドをインタラクティブに実行できます。 これをつかってtmux上でalcの英単語を表示できるようにしたら思いの外便利だったので紹介します。
まず、alcの検索結果をスクレイビングしていい感じに表示するコマンドをつくります。 rubyのnokogiriとrainbowに依存してますが、ぼくがつくった適当なスクリプトでよければこれを使って下さい。
# 2013-01-15 削除しました
これをパスの通った場所にalcという名前で保存して、.tmux.confに以下の設定を追記します。
unbind C-a bind C-a command-prompt "split-window -h 'alc %% | lv -c'"
C-aにバインドしてますがお好みのキーに変えてください。 rainbowで色付けしてるのでエスケープシーケンスを解釈できるpagerをつかって下さい。
これで.tmux.confをリロードして、prefix-key C-a とかするとtmux上にプロンプトが表示されるので、そこで調べたい単語を入力します。 そうすると新しいpaneに結果が表示されます。pagerを閉じると自動的にpaneも閉じます。
]]>これはターミナルマルチプレクサ Advent Calendar 2011の13日目です。 12日目はnetmarkjpさんのGNU screen でシリアル通信 + xmodem転送でした。
今日はtmuxのマウスまわりの設定について紹介してみます。
tmuxにはマウスで操作するための機能がいくつか提供されています。ChangeLogを見る限りでは結構前からマウスサポートはされているようですが、mac portから入れたtmuxでは動かなかったのでソースから最新版をいれることをおすすめします。 macでソースから入れる方法は初日にmatsuuさんが紹介してくれているのでそちらを参考にしてください。
tmux-1.5の時点で使えるマウス関連の設定項目は以下の通りです。
なお、shiftを押しながらターミナルをクリックすれば、本来のマウスの動作になります。
macのiTerm, windowsのputty, ubuntuのgnome-terminalで動作確認できました。 たまに画面が乱れることがありますが、再描画すると直ります。
以下を.tmux.confにコピペするとtmuxでマウスがつかえます。
set -g mode-mouse on set -g mouse-resize-pane on set -g mouse-select-pane on set -g mouse-select-window on
本当は、set-clipboardという機能も紹介したかったのですが、ちゃんと動かすことができなかったのでまたの機会にします。 以上非常に簡単でしたがマウスサポート機能の紹介でした。
]]>これはターミナルマルチプレクサ Advent Calendar 2011の6日目7日目です。(netmark.jpさん,matsuuさん、すいません、出遅れました。)
5日目はyoshikawさんの開発版GNU Screenを使ってみようでした。
6日目はnetmark.jpさんのGNU screenをもうちょっとだけ便利に使おう!でした。
この記事ではtmuxのいじり方を簡単に紹介してみます。
tmuxは比較的若いプロジェクトなこともあってか、かゆいところに手が届かないシチュエーションがたまにあります。 個人的に不満だったのはバッファの挙動です。
tmuxでバッファに文字列をコピーした場合、list-buffersに新しいものほど前方になるように格納されていきます。 choose-bufferコマンドを使えばある程度簡単に過去のものもさかのぼれますがしばらくすると埋もれてしまいます。 tmuxのバッファにはホスト名とかよくつかうコマンドとかをいれておいて番号を指定して最速でとりだしたいのに、 場所が固定されていないといちいち探さなくてはならず不便に感じていました。 なんとかできないかと思ってソースをいじってみたら、意外と簡単だったので簡単な解説をまじえつつ手順を紹介してみます。
本家サイトからソースをおとします。とりあえず現在の最新版(1.5)でいいと思います。
tmatsuuさんの記事にもちょっとありましたが、 tmuxはlibeventとnlcursesに依存しているのでビルドするにはライブラリのヘッダも必要です。 ubuntuだと以下パッケージを入れとけばたぶん大丈夫です。
sudo apt-get install libevent-dev libncurses5-dev
./configure && make
ここまでできたら準備OKです。
結構たくさんファイルがありますが、ファイル名を見れば大体雰囲気がつかめると思います。
何か機能を追加したいだけなら、いじる必要のあるファイルはごく一部です。
いじる必要はないですがarray.hはいろんなところでつかわれてるので目を通しとくとよいと思います。 Cでリストが使いたい場合は他のとこでも流用できそうな便利なヘッダです。
あとは必要に応じて関係しそうなところをみていけばよいです。
バッファまわりを改造したいので、paste.cというファイルが主な対象になります。
細かい解説は省略しますが、paste_stackという構造体がグローバルで共有しているリストの本体で、array.hで宣言されているマクロで値がとりだせるようになっています。 本来の動作であるpaste_addを参考にしつつpaste_add_tailなんて関数を追加します。 後に追加した文字列ほど後ろにいってほしいですが、直前のものだけは先頭にあったほうが便利なのでちょっと変則的な感じになってますが、やっていることはシンプルです。
diff -u tmux-1.5/paste.c tmux-1.5-patched/paste.c --- tmux-1.5/paste.c 2011-07-09 18:42:38.000000000 +0900 +++ tmux-1.5-patched/paste.c 2011-12-06 23:36:31.921805251 +0900 @@ -119,6 +119,38 @@ pb->size = size; } +/* + * Add an item onto the tail of the stack, freeing the bottom if at limit. Note + * that the caller is responsible for allocating data. + */ +void +paste_add_tail(struct paste_stack *ps, char *data, size_t size, u_int limit) +{ + struct paste_buffer *pb; + + if (size == 0) + return; + + while (ARRAY_LENGTH(ps) >= limit) { + pb = ARRAY_LAST(ps); + xfree(pb->data); + xfree(pb); + ARRAY_TRUNC(ps, 1); + } + + pb = xmalloc(sizeof *pb); + + if (ARRAY_LENGTH(ps) > 0) { + ARRAY_ADD(ps, ARRAY_FIRST(ps)); + ARRAY_SET(ps, 0, pb); + } else { + ARRAY_ADD(ps, pb); + } + ARRAY_INSERT(ps, 0, pb); + + pb->data = data; + pb->size = size; +}
ここで追加した関数はtmux.hで宣言しておきます
diff -u tmux-1.5/tmux.h tmux-1.5-patched/tmux.h --- tmux-1.5/tmux.h 2011-07-09 18:42:38.000000000 +0900 +++ tmux-1.5-patched/tmux.h 2011-12-06 23:36:31.925805201 +0900 @@ -1487,6 +1487,7 @@ int paste_free_top(struct paste_stack *); int paste_free_index(struct paste_stack *, u_int); void paste_add(struct paste_stack *, char *, size_t, u_int); +void paste_add_tail(struct paste_stack *, char *, size_t, u_int); int paste_replace(struct paste_stack *, u_int, char *, size_t); char *paste_print(struct paste_buffer *, size_t);
また、今回の機能は設定ファイルでon/offを切り替えられるようにしておきたいので、options-table.cも編集します。
diff -u tmux-1.5/options-table.c tmux-1.5-patched/options-table.c --- tmux-1.5/options-table.c 2011-07-09 18:42:38.000000000 +0900 +++ tmux-1.5-patched/options-table.c 2011-12-06 23:36:31.921805251 +0900 @@ -57,6 +57,11 @@ .default_num = 20 }, + { .name = "reverse-buffer", + .type = OPTIONS_TABLE_FLAG, + .default_num = 0 + }, + { .name = "escape-time", .type = OPTIONS_TABLE_NUMBER, .minimum = 0,
実際にバッファの制御関数を呼び出しているのはwindow-copy.cなので、さっき追加したオプションの値をみて切り替えられるようにします。
diff -u tmux-1.5/window-copy.c tmux-1.5-patched/window-copy.c --- tmux-1.5/window-copy.c 2011-07-09 18:42:38.000000000 +0900 +++ tmux-1.5-patched/window-copy.c 2011-12-06 23:36:31.921805251 +0900 @@ -1348,7 +1348,11 @@ /* Add the buffer to the stack. */ limit = options_get_number(&global_options, "buffer-limit"); - paste_add(&global_buffers, buf, off, limit); + if (options_get_number(&global_options, "reverse-buffer")) { + paste_add(&global_buffers, buf, off, limit); + } else { + paste_add(&global_buffers, buf, off, limit); + } }
あとは設定ファイルに以下を追加してmakeしたtmuxを起動してみます。
set -g reverse-buffer on
バッファにコピーした文字列がlist-buffersの後ろに追加されていけば成功です。 簡単ですよね?
以上、tmuxにreverse-bufferというオプションを追加して、バッファの挙動を変更できるようにしてみました。
端末制御のプログラムは普段あまり触れる機会がないし複雑そうなイメージがあって敬遠しがちですが、ちょっとした機能を追加するだけだったら意外と簡単だったりするのでどんどんいじってみるといいと思います。
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