画家 齋藤芽生の日記
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Connie Converse【How Sad, How Lovely】
広大なアメリカの荒野。
路肩で休息をとる運転手の夜の耳に、ラジオからの、か細い歌声が届いてくる。
遠くから聞こえる母の鼻歌のような、不安定な女性のフォークソング。
何億光年前の古臭い歌か.....シケているが、入眠するにはちょうどいいかもしれない。
敬虔で禁欲的な家庭の主婦が歌い聞かせる宗教ソングかもしれない。
なんとなく思っているうち、何か無性に懐かしさで胸をかきむしられる。
突然自分のいる座標が、地についていない宇宙の闇の中にポツンと塵のように、孤立して在るように感じられる。
ここはどこか、今はいつか、自分は誰かという問いのことを、根本的に考えただけでもう、運転手は座席に深く身をうずめたまま滂沱の涙が溢れてきた。
というような妄想の中で絵を描きたい。(絵にこの物語性が現れるかどうかは保証はないが)
その妄想にしっくりくるような音楽、家庭の慎ましい女性が台所で歌う、記憶の中でくぐもる素朴な歌をずっと探していた。
あった.....。コニー・コンヴァース。
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by meo-flowerless
| 2024-08-11 04:02
| 音