アイキャッチ画像
どうも、マサシです(`・ω・´)
連続の更新ですw

先日、僕の音楽仲間のそーだーすい(炭酸水P)さんに「MS処理とはなんぞや?」と聞かれました。
最近よく耳にする単語ですが、いまいちやり方が分からない…との事でしたので、簡単なMS処理のやり方をここに記しておこうと思いますw
「MS処理」で検索すればゴロゴロ情報が出てきますので…今更、僕みたいな若輩者が説明するのも恐縮です…w
出来るだけ分かり易い説明を出来るよう、努めさせて頂きます…はい(苦笑)

あっ、そーだーすい(炭酸水P)さんは主にニコ動でご活躍されています。
心温まる良い曲を書かれる方なので、是非聴いてみてください!w
もっと評価されるべき!!

【初音ミク】 happy morning 【オリジナル】


では、今回の本題「MS処理」についてご説明させて頂きます。
「そもそもMS処理って何?」という最初の疑問については、他の方にお任せ…しようと思いましたが(笑)、簡単に説明させて頂きますw

●MS処理って何?
元はステレオ録音の方式。
通常のミックス・マスタリングはLR形式で行うのが一般的ですが、MS処理では、LR信号から「Mid(L+R)」と「Side(L-R…L+Rの逆相)」に取り出し(分離し)、それぞれを個別に処理する方法です。
「L+R」とか言われてもよく分からないですが(笑)、
Mid…センター成分の音
Side…両サイドの音
と、考えて問題ないでしょう。

MS処理のメリットは「定位と奥行きの表現力アップ(空間表現の向上)」が主な役割と言われています。
最近ではそれに加え、音圧を稼ぐ際にも使用されています
基本的に音のピークを占めるのはセンター成分のMidなので、音圧低めのSideの音量・音圧を上げる事により、通常のLR(ステレオ)マスタリングでは不可能な音圧感を出す事が可能です。
ただ、これには少々注意が必要です。(詳しくは後述)

よく分からない説明だったかもしれませんが(苦笑)、参考音源も用意しておきましたので、そちらと併せてMS処理の効果を実感して頂ければ…と思いますw



●MS処理のやり方

参考音源として、僕のオリジナル曲『風の羅針盤(作詞:カスタード)』の2mix(の一部分)を使用します。
まず、元となる2mixはこんな感じです。

・風の羅針盤-2mix


……ショボいな(´・ω・`)
とりあえず、今回はこれを使ってMS処理をしてみましょう(笑)



①LR信号を、Mid/Sideに分離する
まずは、LR信号をMidとSideに分けます。
この分離する方法は色々とあるのですが…ここでは、そーだーすいさんのご要望に沿って、WAVESのMSエンコーダー・デコーダー『S1 MS Matrix』を使用して分離しますw

・WAVESのS1(ステレオ・イメージャ―)の中に含まれる、MSエンコード・デコード・ツール。このエフェクトは1個適用する度に、音量が-3dbされる仕様です。
s1-msmatrix.jpg

まずは、DAWでトラックを立ち上げて2mixファイルを読み込みます。
そして、そのトラック or マスター・チャンネルに『S1 MS Matrix』をインサート。
すると、LR信号がMS信号にエンコードされ、LチャンネルにMid成分・RチャンネルにSide成分が分離されます。

MSMatrixインサート


上の画像の状態がこれ。
…何だか精神的に不安定になりそう(笑)

・MS Matrixで分離した状態





②Mid・Side、それぞれにエフェクトを掛ける
分離させたら、それぞれにエフェクトを掛けていきます。
上記のMS Matrixで分離させた状態にエフェクトを掛ける場合、マルチ・モノで動作するプラグイン(L/Rを個別に設定出来るプラグインの事)が必要となります。
WAVESで言うと…Renaissance Maxxの『R-EQ』とかですね。

・定番のR-EQ。画面右下のLinkを解除すると、マルチ・モノとして動作可能。
デュアル・モノタイプのEQ

ですが、このマルチ・モノタイプのプラグインを使う方法はあまりオススメしない…というか、マルチ・モノで動作するプラグイン自体、数がそんなに多くないですw
なので、MS Matrixを挿した状態の音源を一度バウンスしてしまいましょう。
バウンスする際、「スプリット・モノ」等の設定があれば、それを選択します。(LとRを別々に書き出す設定)
その後、それぞれのファイルをDAWに再度読み込ませます。
こうする事でMidとSideを別々取り出せ、マルチ・モノ動作不可のプラグインでも、個別にエフェクトを掛ける事が可能になります。


・MidとSideを個別にバウンスした後、DAWに読み込んだ図。(元の2mixトラックはミュートしておきましょう)
MS.jpg

ついでですし、MidとSideそれぞれがどんな風に聴こえるのか、参考音源も貼っておきます(笑)
何か…恥ずかしい…w

・Mid成分


・Side成分




という事で、MidとSideそれぞれに適当にエフェクトを掛けてみました。
今回は、MS処理の効果が分かり易い様に…と言う事で、音圧を重視したエフェクト処理です。

・双方とも、「EQ→コンプ→トランジェント→リミッター」の順でインサート。フェーダーでMid成分を少し減らし、Side成分を強調する設定にしてみました。
MSマスタリング(MSのみ)



②Mid/Side信号を、再びL/R信号に戻す
Mid/Sideをそれぞれエフェクト処理したら、元のL/R信号に変換します。
やり方はいたって簡単。
マスター・チャンネルに『S1 MS Matrix』を挿すだけです。
この時の注意点は、MidをPAN=L(左一杯)・SideをPAN=R(右一杯)に振っておく事。

(↑の画像では、既にその様に設定してあります)

『S1 MS Matrix』の仕様上、音量レベルが下がりますので(-3db)、最後に少しトータル・コンプ&マキシマイズしてみました。
MSマスタリング(Masterのみ)

↑の画像の状態の音源。
Side成分上げすぎ&マキシマイザー突っ込みすぎで、ちょっと下品な感じ…(苦笑)
僕が最初に公開したテイクも、比較用として貼っておきますw(45秒辺り~)

・MS処理で、積極的に音圧を稼いだ音源


・最初公開したテイク


Oh...大分音圧が上がりましたね(笑)
その分、奥行きが犠牲になっていますが…w

以上、MS処理を行ったマスタリングの解説でした。
…いかがでしたでしょう?w
今回、僕は音圧を稼ぐ手段として用いてみましたが、普段は音像操作で使っています。
この様に、通常のLRマスタリングでは出来ない事が(比較的)簡単に行えます。
『S1 MS Matrix』等のMSエンコード・デコード用プラグインや、MS処理対応のコンプ・EQを使うのが手っ取り早いですが…一応、それらが無くても出来るみたいです。
位相反転を使う方法みたいですが、僕はやった事ないので、詳しく知りたい方は探してみましょうw




●MS処理の注意点
ここまでの解説を読んでいると「MS処理最高!(笑)」みたいな感じですが、デメリットもあります。…多分w
一つ一つ解説するのも面倒なので(苦笑)、箇条書き+αで簡単に書いておきますw

・音圧を稼ぎ過ぎない!
Midはアレとして、Sideにはリバーブ成分が多く含まれています。
つまり、2mixの奥行きはSideの処理が大きく関係してきます。
Sideの音圧を上げすぎると、せっかく苦労して作った奥行きがノッペリとしてしまう可能性大。
…ので、ほどほどにしておきましょう(笑)


・重心の偏りに注意!
これもMS処理で音圧を稼ぎ時に起こりうる弊害です。
元の状態では左右・中央バランス良く鳴っていても、MS処理で音圧を稼いだ際、例えば…Lchでずーっとカッティングしてるギターが意外と低音を含んでいたりすると、音圧・音量によっては「音の重心」が左に寄ってしまう事があります。
まぁ、この辺りはミキシングの工程で左右・中央の帯域バランスをしっかり調整しておけば問題無いのですが…w


…まぁ、要約すると「便利だけど、ヤりすぎ注意!」ですw






以上、MS処理の解説でした。
分かりにくかったり、見難かったりする箇所があるかと思われますが…とりあえず、これで〆で(苦笑)
今更こんな事をいうのもなんですが…ここで書いている内容は、SLEEP FREAKS様が公開されている動画とほぼ同じですので、こちらを見て頂いた方が分かり易い&時間の短縮になると思いますw



それでは、最後まで読んで頂き、ありがとうございましたm(__)m
関連記事
ジャンル: 音楽
テーマ: DTM、宅録、ミックス、レコーディング、機材
マサシ
マサシ

作詞・作曲・編曲をしています。
ポップスを軸に、様々なジャンルのエッセンスを取り入れていきたいと思っていますw
収集癖持ち(笑)

コメント

コメントがありません。

  • ゆーだー
  • URL

ものすごく丁寧に書いていただいて嬉しいです!!!

いろいろ試して実験しております!!!!

あ、ゆーだーです。

分かりやすく参考になりました!

また音楽作戦会議、、開きましょうヽ(*'ω')ノ♪わくわくわくわくわくわくわく

  • マサシ
  • URL
Re: タイトルなし

>そ…ゆーだーさん

コメント、ありがとうございますw

結局、前にツイッターで言ってた事と同じ内容でしたが、少しは伝わり易かったでしょうか?w
今回はマスタリングでのMS処理についての話題でしたが、ミキシングにも使えるテクニックです!(`・ω・´)
例えば、「ストリングスを後ろで鳴らしたい…けど、フェーダー下げたりしても上手くいかない(;ω;)」なんて時に、MS処理を施す…というか「S1 MS Matrix」をただ”通す”だけでも、上手く奥に引っ込んでくれたりします。
ついでにSide成分の音圧も稼ぎながらMIX出来たりするので、オススメですよ~!

  • 通りすがり
  • URL

すごい!!!!こういう記事とってもありがたいです><
感謝感謝です!!

  • マサシ
  • URL
Re: タイトルなし

>通りすがりさん

はじめまして!
コメント、ありがとうございます!

いえいえw
改めて見てみると拙い説明ですが(笑)、そう仰って頂けて光栄でございます(^ω^)
お役に立てたのでしたら、幸いです!(笑)

コメントの投稿








管理者にだけ表示を許可する

トラックバック