台湾に来る時、いつも台北ばかり行っていませんか?
こんにちは。2015年12月に台湾の南部、台南に引っ越してきたまえちゃん@Maechan0502です。
さてぼくも台湾に最初に遊びにいった大学時代は台北にしか行ってないのに、「台湾旅行した!」と満足しきっていた一人です。
しかしその後たくさんの台湾人の友達ができて、彼らの出身地方都市に遊びにいくと、台北って台湾の一都市にしか過ぎないことがわかってきました。そして他の都市のほうが魅力名ことにも気付き始めたのです。
だけど何の前情報もないと他の都市に遊びにいってもらえないことも事実。
そこで今回は台湾にもっと興味をもってもらうため、めっちゃ強引ですが無理矢理日本の都市に例えてみました。
これを読んで台湾旅行だけでなく、できれば長期滞在なんかにも興味持ってもらえると嬉しいです。
では行ってみましょう!
台北市=東京
さてぼくが先日まで約半年間台湾で住んでいたのが、台湾の首都・台北市です。ほぼ9割の日本人の台湾旅行は台北市内観光になるので、日本人の台湾のイメージは「台湾=台北」になるんじゃないでしょうか?
台北には世界で2番目に高いビルの台北101があったり、家の家賃や不動産の値段がバカにみたに高かったり(ぼくの台北の家賃は4万円でした……)、「台北に住んでいる人は台湾で一番冷たい」と言われるところも東京と似てる気がします。
一方で気候は京都同じく山に囲まれている盆地のため、やけに蒸し暑いです。また雨が多くて、冬の12月、1月は中国大陸から寒気が押し寄せるため、沖縄の人が「冬の沖縄のほうがまだ暖かいですよ」とこぼすほど寒くなります。
しかし一番面白い台北人の特徴は、他の地域の人から「台北人は天龍人!!」と呼ばれてバカにされてることでしょう。
台北の人は他の都市に行くと「ここちょっと汚いね」と感想を漏らすので、「アナタはワンピースに出てくる天龍人みたいに、上から目線過ぎるのよ!!」とよく地方の人から罵られています。
マンガの『ワンピース』に出てくる世界貴族の天竜人 (台湾表記で天龍人)も「下界に住む下々と同じ空気を吸いたくない」と漏らすので、日本のマンガを良く知っている台湾人にとって、上から目線の台北の人を指す日常用語になっています。
東京の人は地方をバカにするのに、台湾の人は地方の人が台北人をバカにしててオモシロいです。
ぼくの台北市への印象
ぼくは半年間台北市内に住んでいましたが、たしかに東京に似ています。地下鉄などが通っていて、いろんなものが買えて便利。台北でモノが揃わなかったら、あとは海外で買うしかありません。
一方で家賃が高いし、忙しいし、とてもせわしなかったです。
住む前は「台北は東京に似てる」と言われて、「それでも台北は台湾だろ。東京に似てるはずがない」と思ってましたが、半年間住んでみると、たしかに台湾の中では台北は一番忙しいです。
オーストラリアに住んでいた時も、「第一の都市のシドニーは家賃が高い!あとシドニーに住んでいる人は洗練されているけど、冷たいと思う」とメルボルン出身のオーストラリア人が言っていたので、その国の一番発展している都市はどこも似かよるのかもしれません。
桃園縣=千葉県
台湾の千葉である桃園。中でも中壢 (ジョンリー)市は千葉市か柏市とかなり似ている
ぼくが勝手に台湾の千葉県と呼んでいるのが、桃園国際空港のある桃園縣です。
台北市内を訪れるためには、台北市内の松山空港と隣の県の桃園国際空港を利用する必要があるのですが、これが東京でいう羽田空港と千葉県の成田空港の位置関係になります。
だから空港に行くにはとても便利なところだと思います。また工業で発展しているところも似てるところ。
そして2つの中心都市が桃園縣にも千葉県にもあるのもなんだか似てます。
千葉県の渋谷と呼ばれる柏市と県庁所在地の千葉市があるんですが、桃園縣にも県庁所在地の桃園市ともう1つ栄えている中壢 (ジョンリー)市があります。
1年半仕事で千葉県に住んでいたぼくは、桃園縣を訪れるたびに千葉県のデジャヴを感じるので、姉妹都市条約を結べばいいのにと感じました。
ぼくの桃園縣への印象
さてぼくは千葉県出身のマツコデラックスから「横浜の人間はお高くとまっているのが気に入らないのよ!」と叩かれる横浜出身なのですが、やっぱり千葉県に行くと「あか抜けないダサさ」と「発展しきらない寂しさ」を感じてしまいます。
JR海浜幕張駅周辺では平成チックなオシャレさを感じても、京成幕張駅を歩けば昭和感を覚えずにいられません。あと房総半島の袖ヶ浦市に行った時は、工場はあったけど駅前のビルにお店が全然入っておらず、街が寂れていてとても寂しい印象を受けました……。
同じく桃園縣も工業地帯なので、東南アジアから労働者も住んでいて、けっこう街の雰囲気がカオスです。そしてどうしても桃園でも感じるあの「あか抜けないダサさ」と「発展しきらない寂しさ」……。
千葉県と桃園縣は物価と家賃は安いし、東京と台北にも電車で30分~1時間あれば行けるのもそっくりです。
またぼくのまわりの桃園縣出身の台湾人は、台北市に近いわりには桃園縣出身のことに誇り持ってて、そんなところが千葉LOVEな千葉県民と印象が被ります。
桃園縣の台湾人には頑張って、台北ディズニーランドを桃園縣に誘致してもらいたいものです(笑)
台中=観光地のない広島市内 (その他日本の地方都市)
先日訪れたのが、台湾第3の都市・台中市です。
台中市自体には観光名所はほとんどなくて、ガイドブックでも飛ばされてしまう場所なのですが、台中市は台湾の中でも住むのに一番いいところだと言われています。
台湾の真ん中にあるので、台北に行くにもバスで2時間で行けるし、南の高雄に行くにも3時間でいけます。また天気も台北ほど雨が降らず、台南、高雄ほど暑くないし、暑い台湾の中で一番蒸し暑くない!
7月に行ってみて感じましたが、日本の夏に一番近い気がしました。そして台風も台中が一番被害が少ないそうです。
他の日本人に台中の印象を聞くと、「大阪に似てる!」と言われるんですが、ぼくは行ってみてむしろ観光地のない広島市内に似てる気がしました。
街の中をBRT (2連結のバス)がつないでいて、広島市内を走る路面電車を思い起こさせます。あと市内に河が流れているのですが、そこにかかっている石畳の橋も広島と似ていました。
また台中には観光地がないからマナーの悪い中国人も来ないし、逆に台中の人は台湾の中で高雄や台南の人と並ぶくらいトップクラスで優しいそうです。
ぼくの台中市の印象
左が台中出身のニッキーで右が彰化出身のハンソン。台中には台湾のウユニ塩湖と呼ばれる高美湿地がある
台中出身の友達が「台中はめっちゃいいところ!」と口を揃えて言っていたのを聞き、「えー、それはただの地元愛でしょ!」と最初は疑っていたのですが、実際に行ってみるとめちゃめちゃいいところでした。
中でも個人的に良いと思うのは、台中の天気と無料のバスと自転車です。
台北の暑さはすぐ服が肌に張り付く湿度の高さを含んでいるんですが、台中はそこまでではなかったです。台湾は全体的に暑すぎるので、台中で夏を過ごすのは一番いいかもしれません。
また台中に住むならスクーターが必須だと思うんですが、台中市はレンタル自転車のU-Bikeもあるし、バスもあります。しかも自転車は最初の30分無料だし、バスも8キロ以内ならタダ!
外国人にも優しい交通網になっています。
あとデパートのトイレにコーラやハイネケン模様になってたり、90歳近いじいちゃんがひたすら村に絵を描いてたり、台中は変な場所が多めです。
[関連記事]
台湾人が紹介してほしくない台中の観光地。奇界遺産である彩虹眷村に遊びにいってきました!
台中の観光名所は百貨店のトイレ!?日本ではあり得ない凝ったデパートトイレを見てきました
台南=京都……?
さて4番目は台南です。ぼくが2015年12月から住み始めたのが、この台南市。400年ほどの歴史を持つ台湾で、昔はここ台南が台湾の首都でした。
だから「台湾の京都」と呼ばれ、ここには台湾の歴史が詰まっていると言われます。
400年前に最初に台湾を支配したオランダ人が建てたゼーランディア城。清時代に建てられた孔子廟に、数々の寺社。
そして日本統治時代に建てられた台湾っぽくない西洋式建築の土地銀行。林百貨店という同じく西洋式の建築物もあります。
この3つの支配されてきた時代の建物が1つの街に同居するのが、台南には台湾の歴史が詰まっていると言われるゆえんでしょう。
また台湾の第一言語は中国語で、日本でいう標準語が台湾全土で話されているのですが、台南になると昔から使われている台湾語が話されています。そこらへんも京都弁を誇りもって使っている京都人と似ているのかもしれません。
ぼくの台南への印象
さて台湾人は台南を「台湾の京都」と例える台湾人は多いんですが、前述したように台南市はどー考えてもゴミゴミしてて汚いので、京都の静寂さとは別物の気がします。
だから「台湾の歴史は台北じゃなくて台南にある」という主張はわかるのですが、ぼくは街の雰囲気は似通ってない気がします。あと京都の食事は美味しくないけど、台南の食事は台湾で一番美味しいと言われるほど。だから本当似ていない気がしますが……、
でも京都人が誇り高いように、台南人も誇り高いです。
戦後に中国からやってきた蒋介石が、中国本土で話されている中国語を台湾の第一言語にしましたが、南部の台南では今でも台湾語を話す人が多いのが特徴。
彼らを見ると、「オレたちこそ400年間台湾に住んでいる本物の台湾人だ」と無言のうちに語っている気がぼくはします。そんな誇り高いところはやっぱり京都人と似ているのかもしれません。
高雄=横浜 or 神戸
最後になりましたが、5つ目は高雄です。高雄は台湾第2の都市なので、都市の規模的に考えると台北が東京に似ているから、高雄は大阪だろう!そう考えると思いますが、高雄は台湾で第1の港町!
だから訪れてみると、高雄は日本の港町に似ているという印象を受けると思います。
何よりぼくは港町の神奈川県横浜市出身なので、高雄は横浜にそっくりです。
横浜はみなとみらい地区を中心に、赤レンガ倉庫や山下公園、港沿いに遊歩道やサイクリングロードがあるのですが、高雄も港沿いに遊歩道やサイクリングロードがあり、緑の芝の公園があって、ストリートアートが飾られています。
また横浜のみなとみらいは関東圏のデートスポットですが、高雄もやたらとデートスポットが多い印象。そういえば高雄の別名は「Love City (愛市)」でした。
いろいろと情熱あふれる街かも知れません。
ぼくの高雄市への感想
高雄は港町なので、初めてぼくが訪れた時は自分の育った横浜と雰囲気が似てて、非常に懐かしくなりました。
横浜は大さん橋や中華街、みなとみらいなどがあって、ぼくは日本一のデートスポットだと思っているのですが、高雄もロマンチックな雰囲気があります。
高雄を流れている河の名前は「愛河 (アイフー)」だし、夜の公園は光り輝くブロックライトがあるし、山の上には「LOVE」のブロックが。
……いや、「愛」を持ち出し過ぎてやりすぎでしょ?
とシャイな日本人のぼくは思うんですが、でも雰囲気のいいデートスポットなことは確か。
港町で街がアーティスティックで、適度に都会でオシャレなので、高雄は関西の神戸とも似ているんでしょう。
熱帯気候で5月から9月まで地獄の熱さなことを除けば、高雄は家賃と物価も安いし、空港も地下鉄で行けるし、意外とロングステイには適した街だと思います。
個人的には台湾で行った中で、一番好きな街かもしれません。いつか住んでみたいです!
まとめ 台湾=台北ではない!
さていかがでしたでしょうか?大半の日本人にとって台湾旅行=台北であり、台北旅行をしたら台湾に行ったと思い込んでしまうんですが、他の都市もちゃんと特色があって面白いです。
特に南部の台南市や高雄市は首都だった歴史もあることから、こちらのほうが台湾の歴史と人情が詰まっているので、本当の台湾はこっちなのかなぁという気がします。
日本の観光でも日本の歴史は大阪、京都のほうが古いように、台湾の歴史も台南、高雄にあったりします。
また台中市は別になんもないんですが、住むには気候もいいし、交通網もそこそこ発達して物価も安いので、長期滞在にはいいと思います。
現在日本は台湾ブームらしいですが、台北だけじゃなくて他の都市にもぜひ足を運んでもらいたい!
ぼくはそう思っています。そして観光だけじゃなくて、住むのにもかなりいいと思うんで、この記事が少しでも台湾の都市イメージに貢献できれば嬉しいです。
……あ、台湾の千葉県である桃園だけディスってるんで、桃園出身の台湾人に闇討ちされないことを祈ります。
ではまた。
[関連記事]
初心者必見!3泊4日で台北を思う存分エンジョイする旅!台湾人の監修付き
実践済み!訪日台湾人が喜ぶ横浜ガイドを地元出身のぼくが作ってみた
これを逃したら台湾旅行したとは言えない!絶対に押さえておきたい8つの台湾観光スポットまとめ
コメント