GitHub製の開発者向けエディタである「Atom」を利用している人も増えてきました。自分もこれまで使っていたSublime TextからついにAtomに乗り換えました。乗り換えを決意してから、いろいろ調べたり、試したりしながら少しずつ自分仕様にカスタマイズし、やっと使える状態になってきたところです。そうした中で大事だと思ったAtomを使うための初期知識を共有できればと思って今回記事にしてみました。
Atomに乗り換えた理由
私がAtomに乗り換えたのは、ずばり以下の3つの理由からとなります。
- 無料
- パッケージが豊富
- GitHub製という安心感
これまでSublime Textを使っていましたが、Sublime Textは有料で70ドルします。この支払いを保留しながら使い続けることもできますが、何とも言えないモヤモヤ感があります。Atomにすることで、このモヤモヤ感から完全に解放されます。それだけでもAtomに移行する価値はあったかなと思います。
それから、Atomはパッケージというプラグインのようなものをインストールして機能を拡張して使いますが、その種類が豊富であり、すでに現時点で1,800を超えるパッケージが公開されています。また、AtomはGitHubが開発しているということもあり、github.comとの親和性が高いのはもちろんのこと、開発者の気持ちを理解して開発されているということが随所に見られるエディタとなっています。
Atomを導入する
Atom導入の際に参考にしたもの
Atom導入に当たり、以下を参考にしました。特に『WEB+DB PRESS』のATOM特集の記事はとても内容が濃くて、すごくタメになりました。
AtomをMacにインストール
Atomのインストールは簡単です。Atomの公式サイトから「atom-mac.zip」ファイルをダウンロードします。zipファイルを解凍したら、「Applications」フォルダにドラッグします。これでAtomのインストールは完了です。
Atomを起動して、「command + shift + p」でコマンドパレットを開き、「Window: Install Shell Commands」と入力して実行します。そうすることにより、Macのターミナルから[atom]コマンドと[apm]コマンドが使えるようになります。
Sublime Textをアンインストール
これからAtomを使うと決めたので、これまで使っていたSublime Textは思い切ってMacから完全に削除しました。Sublime Textに紐付いているファイルが多いので、ファイルを開くとSublime Textが起動して、結局Sublime Textで作業するということを防ぎたかったので。
Proxyを設定
会社の環境はProxy認証の必要なWindows 7で、Atomのテーマやパッケージをインストールして使うにはProxyの設定が必要でした。proxyを設定するには、.atomディレクトリ直下に.apmrcファイルを作成し、以下を記述します。
またはコマンドから直接登録してもよいです。
ここで注意すべきは、proxyのプロトコルをsslでも「http」と記述することです。「https」と記述した場合、パッケージをインストールしようとすると、以下のようなエラーが出てしまいました。
Firewallのせいでsslのエラーが出る場合は、さらに以下を.apmrcファイルに追記します。
[参考]
- プロキシ認証のある Windows で Atom を使う — a wandering wolf
- atomのpackageをproxyの背後からインストールするには(Windows 7) | Nobwak's Lair
- 1.2 Getting Started : Installing Atom
それでもエラーが出る場合は、以下の環境変数の設定をお試しください。
- プロキシ環境下でapm installできない – Qiita
- Unable to install packages behind corporate proxy · Issue #322 · atom/apm
メニューの日本語化
自分は英語のまま使っていますが、念のため紹介しておきます。Atomのメニューを日本語化するには、以下のパッケージを使うとよいようです。メニューバーとコンテキストメニューを日本語化してくれるとのことです。(パッケージのインストール方法は後半部分で紹介します。)
Atomの基本操作を覚える
Atomの起動
Atomはターミナルからコマンドを叩いて起動することができます。プロジェクトのディレクトリに移動して、以下のようにカレントディレクトリのパスを指定して[atom .]コマンドを実行すると、プロジェクトのフォルダとファイルの全てをツリービューに表示した状態で起動し、とても作業がしやすくなります。
atomコマンドの詳細については、以下のコマンドでご確認ください。
基本設定(Settings)
Atomの設定ファイルは、.atomディレクトリ直下の「config.cson」ファイルとなります。直接このファイルをいじってもよいですが、基本的な設定はAtom内でも行えます。Atomメニューの「Preference…」(WindowsならFileメニューの「Settings」)または「Command(Ctr) + ,」でAtomの環境設定画面(Settings)が開きます。
今回自分が行った設定内容を紹介します(といってもほとんどデフォルトのままですけど…)。
- Show Indent Guideに「チェック」: チェックを入れるとインデントガイドが可視化されます。
- Show Invisibleに「チェック」: チェックを入れると半角スペースなどが可視化されます。
- Font sizeを「13」: 文字サイズ。デフォルトは「16」。若干小さくしました。
- Line Heightを「1.4」: 行間。デフォルトは「1.3」。若干広げました。
キーバインド(ショートカットキー)を覚える
Atomはさまざまなキーバインドを駆使して操作します。登録されているキーバインドは、設定画面(Settings)の「Keybindings」、またはコマンドパレットから「Settings View: Show Keybindings」コマンドで確認することができます。
キーバインドはかなりの数あるので、最初から一気に覚えるのは大変です。よく使いそうなキーバインド(Mac用)として以下を紹介しておきます。
- command + shift + p: 「コマンドパレット」を開きます。おそらく一番使うであろうキーバインドです。
- command + ,: 「設定画面」を開きます。これもパッケージのインストール時などよく使います。
- command + k 矢印キー: 画面を矢印キーの方向に分割します。
- command + w: 分割した画面を閉じます。
ちなみにキーバインドは自分で好きなように設定することもできます。キーバインドの設定は.atomディレクトリ直下の「keymap.cson」ファイルで行います。詳細は以下を見てください。
文字コードと使用言語を指定する
Sublime Textの文字コードはUTF-8のみの対応でしたが、AtomはUTF-8以外の文字コードも扱うことができます。新規でファイルを作成したら、画面右下で「文字コード」と扱う「プログラミング言語」を指定します。
.atomディレクトリを開く
Atomの初回起動時に「.atom」ディレクトリがホームディレクトリ直下に作られます。「.atom」ディレクトリにはAtomの設定やカスタマイズに必要なファイルが入っています。このディレクトリはSettingsのページの左メニューの下にある「Open Config Folder」ボタン(Windowsだと「Open ~/.atom」ボタン)を押して開くことができます。各種設定ファイルを直接いじる時などに使うと思うので、覚えておくとよいと思います。
テーマを設定する
Atomでは「UI Theme」と「Syntax Theme」の2つのテーマを自由に設定することができます。
- UI Theme: メニューや設定画面など編集画面以外に適用されるテーマ
- Syntax Theme: 編集画面に適用されるテーマ
自分はSublime Textで使っていた「Monokai」というテーマが好きなので、Syntax Themeには「Monokai」をインストールして適用させました。UI Themeはデフォルトの「Atom Light」のままにしています。自分の場合は好みのテーマにするだけで、やる気が全く異なってくるので、テーマの設定は重要だと思っています。
テーマを探す
Atomのテーマは以下に公開されています。2015年5月8日現在597ものテーマが登録されているので、目当てのテーマをまずは探します。UI Themeであれば「-ui」、Syntax Themeであれば「-syntax」がテーマ名の末尾についている場合が多いです。
テーマをインストールする
テーマのインストールは、設定画面から行います。目当てのテーマが見つかったら、「Command + ,」で設定画面を開き、左メニューの「+install」をクリックしてインストール画面を開きます。インストール手順は以下の通りです。
テーマを設定する
テーマをインストールしたら、Atomにテーマを適用させます。再び設定画面にて、左メニューの「Themes」をクリックしてテーマの設定画面を開きます。テーマの設定手順は以下の通りです。UI Theme、Syntax Themeそれぞれを選択して適用させることができます。
Syntax Themeを適用させたいプログラミング言語を指定する場合(シンタックスハイライトを変更する場合)は、画面右下の「言語選択リンク」をクリックするか「Control + Shift + l(エル)」キーを押します。
パッケージをインストールする
Atomの強力な仕組みがこのパッケージです。パッケージを追加することで、Atomの機能を強化していくことができます。パッケージはテーマと同じく以下に公開されています。2015年5月8日現在1,869ものパッケージが登録されています。かなり豊富です。
パッケージをインストールする
パッケージのインストールはテーマと同様Atomの設定画面から行います。目当てのパッケージが見つかったら、「Command + ,」で設定画面を開き、左メニューの「+install」をクリックしてインストール画面を開きます。インストール手順は以下の通りです。
コマンドでパッケージをインストールする
パッケージは、[apm]コマンドを使ってインストールすることもできます。[apm]コマンドは、上でも述べた通り「command + shift + p」でコマンドパレットを開き、「Window: Install Shell Commands」と入力して実行することで使えるようになります。
以下のように[apm install パッケージ名]でインストールします。
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