伝説のスピーチ

Cullis-Suzuki

いまや伝説となったすばらしいプレゼンテーションを「Presentation Zen」が紹介している。

12才の少女 Severn Suzuki のスピーチだ。

Presentation Zen: “You can learn a lot from ‘a child’” by Garr Reynolds: 17 November 2007

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ECO:子供たちの環境会議

もう20代後半となった Severn Cullis-Suzuki が、「子供たちの環境会議」(ECO)をスタートさせたのはたった9才の時だった。ECO は子供たちの小さなグループで、環境問題について学び、他の子供たちに教えることを目的としていた。

Severn Cullis-Suzuki, now in her late 20s, started the Environmental Children’s Organization (ECO) when she was only 9-years-old. ECO was a small group of children committed to learning and teaching other kids about environmental issues.

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リオ地球サミットで一番すばらしいスピーチ

1992 年に子供たちは、自分たちで募金をして集めたおカネで、リオデジャネイロの国連地球サミットに参加した。当時12才だった Severn は、本会議の最後をこの驚くべきスピーチで締めくくった。スピーチはスタンディングオベーションで迎えられ、多くの賛辞を得たが、Al Gore が「リオの一番すばらしいスピーチ」といったほどだ。

In 1992 they raised their own money and attended the UN’s Earth Summit in Rio de Janeiro. A then 12-year-old Severn closed a Plenary Session with this amazing speech that received a standing ovation. She received a lot of praise for her talk thenムeven Al Gore called it “the best speech at Rio.”

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真のスピーチとは何か

東京インターナショナルスクールの創設者で、Vision Navigator でもある私の友人 Patrick Newell が、このリンクを教えてくれた。画像の質はベストとはいい難いが、込められたメッセージと話し方はすばらしい。どうか彼女が、まだ「ほんの子供だった」ことに思いを致してほしい。つぎのビデオ(日本語字幕付)をご覧下さい。

My friend Patrick Newell, the Vision Navigator and founder of the Tokyo International School sent me the link. The video quality is not great but her message and delivery are—remember she was “just a kid.” Watch the video below (includes Japanese subtitles).

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ビデオには日本語字幕付とそうでないものとがある。

YouTube Video: “伝説のスピーチ 環境サミット@リオ” [日本語字幕付き]

YouTube Video: “ECO_92

十数年前の画像なので、あまり鮮明でないのが残念だが、それでも Severn のスピーチはぐいぐい胸に迫ってくる。

各国の代表もスピーチに引き込まれている様子がうかがえて興味深い。

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Cullis-Suzuki02

大学時代の  Severn Cullis-Suzuki

使われているのはやさしいことばだ。そのことばが繰り返され、積み重ねられて、大きく膨らむ。

次のような下りがある。

You don’t know how to fix the holes in our ozone layer.

You don’t know how to bring salmon back up a dead stream.

You don’t know how to bring back an animal now extinct.

And you can’t bring back forests that once grew where there is now desert.

If you don’t know how to fix it, please stop breaking it!

オゾン層に あいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう

死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。

絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。

そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのかあなたは知らないでしょう。

どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。

(翻訳:ナマケモノ倶楽部)

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とても12才の子供のことばとは思えないほど力強い。

ここには本物のスピーチがある。

伝えるべき内容がある。そして、それを伝えるすばらしい話し手がいる。

込められたメッセージを伝えるのがプレゼンテーションだとすると、ここには根源的なものがあるのではないか。

12才の子供が、すばらしいお手本を示してくれる。

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英語のスピーチコンテストでよく取り上げられる教材になっているというのも納得できる。

スピーチの全文はこちら:

The Sloth Club: “Address to the Plenary Session, Earth Summit, Rio Centro, Brazil 1992 by Severn Cullis-Suzuki“: n.d.

日本語訳はこちら:

ナマケモノ倶楽部: “リオの伝説のスピーチ“: n.d.

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Cullis-Suzuki03

成人した  Severn Cullis-Suzuki

また、Severn Cullis-Suzuki 自身が、リオ地球サミットの思い出を書いている。

こちらも併せてご覧ください。

TIME Magazine: “The Young Can’t Wait” by Severn Cullis-Suzuki: 18 August 2002

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★初出はこちら[maclalala:annex

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4件のフィードバック to “伝説のスピーチ”

  1. うに Says:

    こんにちは いいものを紹介して頂きありがとうございます。
    ポジティブに問題の原因を解決するスピーチ姿勢に共感です。

  2. パブロ Says:

    はじめまして。Apple-Styleさん経由で拝見しております。
    彼女の真摯な姿勢に心打たれました。
    こんな素晴らしいものをご紹介ありがとうございました。
    ブログを持っておりませんので、せめてマイミク達に紹介させて頂きたいと思います。

  3. Reny Says:

    プレゼンテーションと英語の勉強に、と思い、なんとかiPod に入れて帰りの電車で観ました。 とてもいいスピーチだと思います。 でも、今もおなじ問題を大人は抱えているのがつらいところです。

  4. あひる Says:

    英語の授業でこのスピーチの勉強をしました。
    とってもすごいと思いました。
    私は今高1でセバンさんがスピーチをした時
    よりも年上ですがこんなにすごいスピーチは
    できないと思いました。

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