ベルリンにオフィスを出した理由

グッドパッチは先月初の海外拠点としてドイツ・ベルリンにオフィスを開設することをリリースしました。おそらく多くの人がなぜベルリン?と思ったと思いますので、ブログで少しだけ詳しく経緯を書いておこうと思います。ちなみに結論から言うと論理的な判断ではなく直感の選択です。
ドイツに興味を持つキッカケ
実はグッドパッチの立ち上げ当初よりドイツに興味を持っていました。1番最初は3年ほど前にWunderlistを作ってる6wunderkinderという会社を見つけたのがドイツの会社に興味を持つキッカケでした。Wunderlistは当時からUIにこだわっていて、会社のWebサイトからもデザインへのこだわりがすごく感じられて、何だこの会社は?めっちゃCoolだ。と思い、調べたらベルリンの会社でした。そこからSoundCloudもドイツの会社だとわかり、ドイツ意外に面白い会社あるなーと思ったのが3年ほど前でした。実はMEMOPATCHにもかなり最初からドイツのサービスまとめなどの記事は書いてました。
【世界のWebサイトを巡る旅】ドイツ編
http://memo.goodpatch.co/2012/11/webtravel_de/
スタートアップは米国発だけじゃない!ドイツ生まれのWebサービスまとめ
http://memo.goodpatch.co/2013/07/german-startups/

Borisとの出会い
そんな感じでドイツで興味を持ち始めていたら、何とドイツ人がWantedlyでグッドパッチに応募してきたのです。それが当時まだ慶應大学院メディアデザイン(KMD)の学生だったBorisでした。約2年前の事です。僕からするとドイツに興味を持ち始めたらドイツ人が応募してきたので、これは面白いと思い、最初は面白半分で採用しました。 Borisはとにかくアグレッシブな性格で、入ってから彼はどんどん同じ外国人留学生をグッドパッチに巻き込み、グッドパッチメンバー向けにDesign Thinkingの勉強会をやったり、基本日本語はしゃべらないのでガンガン英語でメンバーに絡み、言語の壁を壊していきました。彼はグッドパッチを最初からグローバルな会社にするために社内でわざと日本語は使わずに英語でしゃべり、メンバーの英語へのアレルギーをなくそうと考えてやっていたのです。そして、僕にも多くのグローバルな視点をもたらしてくれました。このブログにも書いてますが、デジタルガレージから1億円を出資を受けたのもBorisの言葉がキッカケでした。そして、去年BorisはKMD卒業後にグッドパッチに正式にJoinしました。 もちろん、今回のベルリン進出も彼がいるからこそできる事です。

↑ 一番右が入社当時のBoris。めっちゃ痩せてるしw
ベルリンの盛り上がり
グッドパッチを起業してから、いつか海外にオフィスを出したいと考えていて、もちろん僕は人生でも大きな影響を受けたサンフランシスコに最初に出したいと思っていました。しかし、サンフランシスコはこの数年で地価の上昇がハンパではなく、僕が住んでいた4年前よりも2倍から3倍くらいの家賃になってしまっており、それに伴い人件費もアホみたいに高くなっており、僕らみたいな会社だとサンフランシスコにオフィスを出すのは現実的ではないなと感じていました。 反対にベルリンはこの数年でスタートアップシーンが非常に盛り上がって来ており、スタートアップが数多く生まれ、GoogleがFactoryというインキュベーションオフィスを作ったり、シリコンバレーのVCがベルリンのスタートアップに投資をしたりとベルリンのアツさを感じていました。 そして、僕は去年夏のグッドパッチ4期のキックオフで2015年は必ず海外にオフィスを出す!と宣言し、その時にサンフランシスコかドイツにオフィスを出す!とメンバーに説明しました。サンフランシスコは想像していたけど、ドイツは誰も想像していなかったのでみんなビックリし、一番Borisが驚いていました。 そこから、最初ミュンヘンが良いと言ってたBorisがProttのワークショップでヨーロッパを周った時にベルリンの熱を感じベルリンのオフィスを決めて来ちゃったと言うのがもろもろの経緯です。 サンフランシスコよりベルリンを先に選んだのは、まだベルリンにオフィスを出している所がほとんどないからです。特に僕らみたいな規模の会社では初めてではないでしょうか?その方が面白いと思ってベルリンにしました。
ドイツ人と日本人の気質の近さ
グッドパッチにはすでにドイツ人が3人いますが、本当に全員がまじめです。言ったことはちゃんとやるし、細かいし、礼儀も分かってます(ドイツ語には敬語があるらしい)。一緒に働いていて本当に働きやすいです。初めて海外にオフィスを出すので国民性の近さは僕にとっては重要な要素でした。 ドイツって産業も結構日本に似ていて、自動車産業が結構大きかったり、モノづくりの国としても有名です。 GDPも日本に次いで大きいドイツですが、日本と大きく違う所は、日本人は本当に夜遅くまでめちゃめちゃ働き今のGDPですがドイツ人は絶対に時間外は働かない事です。年間の有給も日本の倍の20日あります。ドイツ人は本当に時間外に働く事は悪という感覚なので、もし会社で部下が残業をしているのが見つかったら、その部下の上司が減給を食らうらしいです。恐ろしいw そんな働き方でも今のGDPを維持しているのでドイツ人は本当に効率的かつ合理的でとても生産性の高い仕事をしているという事です。経済も順調で毎年借金が膨れ上がる日本に対してドイツは昨年国の借金がなくなったようです。 以上の事を考えても、僕らはドイツに学ぶべき事が沢山あるなと思いました。 これらがグッドパッチがベルリンにオフィスを出した理由です。もちろん、しっかりしたマーケティング調査なんかやってないし、ちゃんと準備をしたかと言うとしてないので本当に直感ですし、勝算があるかというと正直わかりません。でもマーケットとしての可能性があるのは明らかですし、最初からグローバルでやるつもりだった僕としては海外進出は避けて通れないです。
これから、日本のグッドパッチメンバーはローテーションでベルリンに短期で行かせて、現地で実際に働き、グローバルな環境で働くという感覚を学んでもらおうと思っています。僕も4年前に少しの間サンフランシスコで働き、かなり衝撃を受け、モノゴトを見る視点が変わりました。グッドパッチメンバーは全員が日本だけで考えないという視点を持つべきだと思っています。今回のベルリン進出はよりダイバーシティな文化を作る為の投資でもあるのです。 と少し長くなりましたが、もしこのブログを見てグッドパッチに興味が沸いたらぜひ応募してみてください。デザイナー、エンジニア、プロジェクトマネージャー、広報など、特にオープンポジションに関わらずグッドパッチの可能性を広げてくれる人材は常に募集しています。
今回はベルリンに出す理由でしたが、次回のブログでは先日ベルリンに行ってきたので、実際にベルリンに行って感じた事を予定なのでお楽しみに。

参考リンク