http://kyms.ne.jp/blog/148.html
上記に新しいエントリーを立てました。当ページに書かれてある内容は14年前の情報であり、古くなっています。
MODxは、デザインや構造に縛られず直感的なサイト構築が可能なCMS。思想はとてもシンプル。さまざまなCMSを試用しつつ納得のいくものがなかなか見つからなかったのですが、これはちょっと気に入りました。前身であるEtomite時代からの資産蓄積(スニペットなど)も魅力です。Joomla!やXoopsのような機能型コンテンツの管理には向いてませんが、1ページずつ作っていく従来型・情報表示型のサイト作りにはMODxが使いやすいです。
どういうCMSなのか?
ダイレクトにコンテンツを扱います。Dreamweaverやホームページビルダーなど、CMSというよりオーサリングツールに近いです。
MODxの特長
- HTMLの読み書きができる人なら、誰でも自由にテンプレートデザインを作ることができます。逆に、HTMLの読み書きが苦手な人だと何もできません。
- MODXではデザインとロジックを分離することで、デザインの自由度の高さを実現しています。他の有名なCMSの場合は、ロジックがデザインもある程度は面倒を見てくれるるため、簡単にパーツを追加したりできるのですが、その代わり、デザインにちょっと手を加えたい時はシステムをさわる必要があったりします。MODxの場合、ロジックは基本的にデータしか出力しません。
- MODxのテンプレートデザインの考え方は、Dreamweaverのテンプレートの考え方に近いです。デザインの制約がないので、MODxで作られたサイトは美しいサイトが多いです。
MODxでサイトを作るとして、デザイナーさんにデザインをお願いする場合は、MODxで作ることを伝えずに普通にDreamweaverでテンプレートを作ってもらうだけで通用します。 - ナビゲーション表現が非常に豊富。CMSでサイトを作るとナビゲーションに苦労することが多く、全体像や今見ているページの階層が分かりにくいサイトになりがちですが、MODxはナビゲーション表現が得意。次々にページを開いてみたくなるような魅力的なサイト作りができます。
- テンプレートは1枚構成。ヘッダやフッタ、本文、サイドメニューというふうに個別に構成されるテンプレートタイプのCMSも多いですが、先ほども書いたようにDreamweaverと同じような一枚構成です。ただし、チャンクを利用してパーツに分けることも可能です。コーナーごとに専用のテンプレートを作る場合などはパーツ化すると便利でしょう。
- 日本語に対応しています。扱える文字コードだけでなく、設定を変更すればUI(管理画面)も日本語表記になります。説明書がなくてもなんとか理解できるでしょう。標準でUTF-8対応ファイルが同梱されていて管理画面で設定できますが、EUCやShiftJISでサイトを作りたい場合はフォーラムから日本語ファイルをダウンロードしてくる必要があります。
- 「テンプレート」と「ドキュメント」の組み合わせ。たいていのCMSはそうだけど。これに加えて、パーツとして利用できる「チャンク」「スニペット」がある。チャンクは普通のhtmlで、スニペットはphp文。チャンクやスニペットをまったく使わずにサイトを作ってもかまわない。
- チャンクはDreamweaverでいうところのライブラリみたいなもの。たとえば全ページ共通のナビゲーション、メニューとかに使えます。テンプレート中でもドキュメント中でも同じように使えるので分かりやすいです。
- スニペットは…パーツには違いないけど、機能拡張に近い高機能なものもあるので。実際に本家サイトのライブラリを見て雰囲気をつかんでいただくのがいいかと。たとえば任意の文字列をサイト上のttfファイルと組み合わせて画像として出力するようなスニペットなんてのもあります。MODx管理画面のドキュメント構造を反映できるナビゲーションメニュー生成スニペットは標準で同梱されています。チャンクと同様、テンプレート中でもドキュメント中でも使えます。
- validなXHTMLコードを吐いてくれる。たとえば
と書くと自動的に
に変換してくれる。(…と思ってたが、これはMODxの機能というより内蔵エディタの機能。MODxとしては、基本的には書いたまんまを出力するみたい。) - たいていのCMSに実装されている機能かもしれないが、ドキュメント(ページ)の公開日時を事前に予約しておける。これを手軽に実現したいためにDreamweaverやGoLiveからCMSに移行したいというオーナーも多いんじゃないかと思う。たとえば正月になった瞬間に「新年のご挨拶」のページを公開とか。アンケートの締め切り期日が終わったら自動的に「ご協力ありがとうございました」のページを表示とか。 -同様に、公開を取り消す日時も事前に予約できる。 -公開予約や公開取り消し予定日などは管理画面の「サイトスケジュール」で一覧できる。これは便利!
- -スニペットなどを利用すれば、指定期日にページの一部分のデザインや文言を変更することも可能。
- 静的htmlサイトふうのURLを実現できる「フレンドリーURL」機能。面白いのは、ディレクトリ構成を表現できること。拡張子「html」も追加され、見た目にはCMSで作られていることが全く分からない。こんなCMSは珍しい。しかも簡単・自由にできるので感心した。ディレクトリ構成を表現するくらいならJoomlaでも簡単にできるが、MODxの場合は見た目にそれと分からないのがポイント。
親(フォルダ)・子(ドキュメント)それぞれに設定するエイリアス名がそのままURLになる。エイリアス名を設定してないドキュメントのURLは普通にCMS的にid=xxxで表現され、not found 404とかにはならないので安心。 - 「サイトのエクスポート」機能により、本当に静的htmlサイトを作ることができる。(当方の勘違いがあったため太字で強調。ただしどこまで実用かは未検証)
- 404エラーのページを作ることができる。ただし上記のフレンドリーURL機能をオンにしていることが条件。
- RSSフィードもドキュメントとして作ることができる。作るというか、そういう働きを持つスニペットを埋め込むのだけど。
- 「ウェブリンク」といって、既存のページをMODxのドキュメント構成に含めてしまうことができる。リダイレクトのようなもの。
- MODxの機能というよりは特定のスニペットの機能だが、通常必要とされるナビゲーションの表現もいろいろできる。パン屑リストとか、今見ているページ名をハイライト表示できるメニューナビゲーションとか。
- ドキュメント(ページ)ごとにテンプレート(デザイン)を自由に選択できる。
- ドキュメントに親子関係(親・子=フォルダ・ドキュメント)を持たせることができるけど、親になったからといって何か制限が生じるということがない。必要に応じて自由に親にしてみたり子にしてみたりできる。というより、「私は親である」「私は子である」という情報を持つ以外、何の違いもない。親ならではの機能を持たせるには、ドキュメントの属性ではなくNewsListingなどのスニペットを利用します。なので、必要であれば子に親の機能を持たせることもできます。何の必要があるかは想像つかないけど。
- ページごとにmetaタグ(keywords・descriptionなど)を自由に設定できる。 -自由に定義できるテンプレート変数の仕組みのため、metaタグに限らず自由に項目を設定できる。ブログでいえば「タイトル」「内容」「日付」の3つの項目が普通だが、これ以外にもたとえば「物件写真」「家賃」「説明文」などの項目を必要に応じて定義しテンプレートデザインベースで表現できるということ。これは面白い。扱える項目はテキストだけではなく、画像をアップロードして扱うインターフェイスも実装されている。ラジオボタンやドロップダウンメニューで定型文を選択、というような項目作りもできる(と思う。どうだったかな?)。
- 機能拡張が簡単。スニペットで実現できる機能でよければ、基本的にテキストのコピペで完了。普通のCMSだとプラグインをダウンロードして解凍してサーバにアップロードしてインストール作業をしてというステップが必要なものが多い。こういうの(コピペ)があまり好きでない人もいそうだけど。
- スニペット・プラグインなどの機能拡張資産が豊富。これはMODx自体のものと、その前身のEtomiteのものを含みます。パン屑リストのスニペットなどはMODx同梱のものよりEtomiteの公式サイトで配布されているもののほうが実用的でした(※…と思ってたけど、こんなのがあった)。Etomiteは現在も開発が続いています。事情があって分かれたものの、現在は体制も立て直され期待されているようです。
- チームワークに向いてる。運営ユーザを複数作って、それぞれに権限を割り当てて。またはドキュメントごとにユーザグループを割り当てて、というふうに。東京本社・大阪支社というふうに構成が分かれてるサイトとか、製品サポートスタッフとかプレスリリース担当とかでスタッフの役割が分かれてるサイトに使えるイメージ。それと今のところ申し訳程度だけど簡易なメッセージ機能もある。ただし承認機能とかはなく(実装予定あり)、ちゃんとしたワークフロー管理はまだまだ弱い。よく分かってないスタッフがヘタに作ったページでも勝手に公開してしまえるのは少しこわいなー。
- SEO効果が高い。検索エンジンと相性のいいサイトを作りやすい。MODxはそういうCMSだと他のサイトでもよく言われているし、実際そうだと思う。しかし、小手先のテクニックが通用しているわけでないことに注意。CMSでサイトを作る場合にありがちな画一的な構成になりにくいから、検索エンジンにページごとの個性を認めてもらいやすいというのが真実だと思う。
- 会員制ページをわりと簡単に作ることができる。入会申し込みページも作ることができる。
- ブログを実装できる。スパム対策とかはどこまで期待できるのかは分からないけど。
- サイト内検索もスニペットで実装できる。 -問い合わせフォームのスニペットがいくつかある。まだひとつも試したことはないけど。
- ドキュメント中で変数(チャンクとかスニペットとか)を自由に使えるのは便利だし分かりやすい。Nucleusでいえば、ExtraSkinJPで作ったパーツをアイテム(記事)の中で自由に使えるってこと。もちろんテンプレート中でも同じように使える。blogベースのCMSであるNucleusと比べるのはちょっと前提違う気もするけど。
- 全体に渡って、これはテンプレートだから、ドキュメントだから、親ドキュメントだから、子ドキュメントだからと区別して考えないといけないところが少ないので分かりやすい。
- 何よりも、開発チームの勢いが違います。打てば響く。ヘタな英語でもリクエストすればちゃんと受け取ってくれます。
日本語化について
http://modxcms.com/forums/index.php/topic,2573.0.html
上記トピを参考に。標準で日本語環境に対応しており、簡単な設定変更操作により管理画面のGUIも日本語化できます。標準でUTF-8による日本語対応ができますが、別途にEUC・ShiftJIS日本語ファイルをダウンロードして組み込むこともできます。ただしサーバによっては相性の悪い文字コードもあります。UTF-8またはEUCで不具合がある場合は見た目にすぐ分かりますが、ShiftJISの場合は「ソ」など一部の文字が地味に化けるだけなので要注意。ShiftJISで化ける場合は、MODxとサーバの両方で対応をとる必要があり難しいと思います。
実際にMODxで作られているサイト(国内)
- http://www.3ware.co.jp/
- http://www.web-110.com/
- http://chibinowa.net/ … 素晴らしいです。
- ecstudio … 本格的な作り。これは参考になります。MODxならこのようなサイトをスイスイ作ることができるでしょう。SEOでは名高い無料登録ドットコム・SEO対策ドットコムの運営母体であるEC studio社のサイト。MODxとしては、SEO屋さんに採用されたってところがミソですね。ブログはMTなんですが、SEO屋さんとしてはリンクはどうしてるのかと見てみたら…ウェブリンク機能は使わず普通に静的にブログ入り口へのリンクを張ってますね。なるほど、そりゃそうか。
- http://xiaopu.dw.land.to/
- ボーデンプラッテさん
- CMSWAVE仙台 - 現在はXoopsベースのサイト構築業務をされてますが、MODxも検証中とのことです。
- ※情報不足。他にもMODx事例あったら教えてくださいー。
実際にMODxで作られているサイト(海外)
- http://hunder.ca/
- http://toglobalperks.com/travel-benefits.html
- http://landplan.net/
- http://www.prescottrealtygroup.com/
- http://greymatterhosting.com/
- http://amadom.gerondicap.com/
- http://www.thesoundsinmyhead.com/
- http://www.swellguys.co.za/
- http://kuzkray.sovintel.ru/
- http://www.davidgold.co.uk/
- http://www.fcegglkofen.de/sommerfest/
- http://www.modxcms.de/
- http://www.escortsnz.com/
- http://creative.shearwater.nsw.edu.au/
- http://www.eclipsnederland.nl/
- http://www.aquavision.co.uk/
- http://www.gamerscollective.com/
- http://www.globword.fr/
- http://www.1-vision.nl/
- http://www.voyages-fuchslock.com/
- http://www.scbd-bengbu.de/
- http://www.modx.cn/modxcn/index.php
- http://www.bittersweetembrace.com/
- http://dhbblog.zendezentrale.com/
- http://www.quebecsolidaire.net/
- http://www.bryan.edu/
- http://www.vet.ohio-state.edu/
- http://www.ifagesundheit.de/index.html
- http://www.bwhw.de/
- herksen.com
- ziworks
- Aavepyora
- Lycees le mans sud
- Medial Design
- St. Paul's Web
- sottwell.com
- The Sounds in My Head
- Matrix
- mail2grow
- Horizon Innovations
- obleDesign
- MODx Playground - おおっ!面白い!
インストールについて
インストールは簡単です。MODxのアーカイブを解凍したら、そのままサーバ上にアップロードしinstall.phpにアクセスしてください。あとは、パーミッションの変更とかはインストールの過程で教えてくれます。一般的にフォルダを書き込み可能にしたい場合はパーミッションを707か777に、ファイルを書き込み可能にしたい場合は606か666にすると思いますが、だいたいそんな感じで大丈夫です。サーバによってはパーミッションの設定すら不要です。 初期状態では管理画面は英語表記になってますが、日本語に切り換えることができます。いくつか選ぶことができますが、一番無難なのはEUC、サーバによってはUTF-8も問題なしです。ShiftJISも選べますが、今のところは避けるが吉かも。 ロリポップには難なくインストールできました。さくらとxreaは少し準備が必要だけど、問題なく使える。要は、UTF-8ではなくEUCを選ぶといいです。標準ではEUCの日本語ファイルは同梱されていませんが、フォーラムからダウンロードできます。 ※さくらのサーバの一部でインストールに失敗するケースがあります。install/setup.sql内の「InnoDB」文字列を全て「MyISAM」に置換し再インストールしてみてください。
その他
Dreamweaverのテンプレートから生成したインスタンスを外部ファイルとして読み込むことでテンプレート(MODx)を管理する方法があります(少し工夫が必要)。テンプレートをいくつも作る必要がある場合・あるいは入れ子のテンプレートなど高度なテンプレート制御が必要な場合は、まだまだDreamweaverの出番があるのではないかと思います。
ドキュメント(ページ)の一覧。ツリー表示されており、この構成をそのままナビゲーションやサイドメニューに反映できます。その場合、特定のドキュメントごとにメニューに表示しないよう設定することもできます。また、MODxで管理できるページは通常表示されるページだけでなく、RSSフィードや404not foundの表示、サイト内検索結果一覧の表示なども同じように管理できます。
見た目にも分かりやすい操作ボタン。
右クリックメニューも使えます。最初はリッチ過ぎるGUIだなあと思ったけど、慣れてみるとけっこう重宝してます。WindowsやMacなどのOSをメタファとしているらしく、「ごみ箱」を思わせるような機能もあります。
編集画面はGUIエディタ(FCKEditor。他のエディタも選べます)が標準で同梱されてます。写真の貼り付けも簡単です。もちろんソースレベルでの編集もオーケーです。
MODxを理解するコツ
- いろんな機能があるからといって、全部覚えようと思わないこと。最低限覚えるべきノウハウは、MODxの場合かなり少ないと思います。慣れてきてから、チャンクやスニペット、テンプレート変数にも挑戦してみるといいでしょう。DreamweaverやGoliveなんかでも、すべての機能を理解してから使ってる人は少ないんじゃないでしょうか。
- 標準で同梱されているテンプレートはデモも兼ねているため、機能てんこ盛りです。これに惑わされないこと。早くコツをつかみたいなら、ゼロからテンプレートを書いてみましょう。普通にhtmlを書くだけです。普通のサイトをCMSで作りたいというような人にも向いているMODxなので、少なくとも最初のうちはあまりロジカルな作りにこだわる必要はないと思います。
- テンプレートを作るうえでとりあえず絶対に必要なのはコンテンツ本文を展開する「[*content*]」だけです。これをテンプレート中のどこかに書いてください。それだけで、オリジナルのテンプレートが完成。「#」を付けて「[*#content*]」と書くとQuickEditバーとの連動が便利になります。
どうしても難しく考えてしまう場合は、デザイン要素をまったく含まない最低限のhtml文だけで書かれたテンプレートを作って試してみてください。
[*content*]
…コレだけでもいいんじゃないでしょうか。 - [*content*]これだけでもよいと思います。この場合、ドキュメントでからまで全部書くわけですが。これくらい極端な使い方を試してみれば、MODxの考え方の根っこのところが分かりやすいと思います。
- さらに深く理解したい場合は、標準で同梱されているデフォルトのテンプレートを印刷し、変数と思われる文字列をかたっぱしからマーカーで塗ってみてください。カンのいい人なら、これでおおかた理解できると思います。基本的に普通のhtmlで、「ココにページタイトルやドキュメント本文を展開したい」という個所にテンプレート変数を書くだけです。
- Dreamweaverに慣れてる人なら、「編集可能領域」をそのまま「テンプレート変数」に読み替えて理解するといいでしょう。ちなみに「ライブラリ」に相当するのが「チャンク」です。ライブラリでナビゲーションを作ると便利ですが、MODxでも同様に、チャンクでナビゲーションを作ると分かりやすいです。
- 慣れたらナビゲーションは専用のスニペットを試してみましょう。スニペット「DropMenu」でドキュメント構成を反映したメニューを自動生成できます。つまりドキュメント構成がそのままサイト構成になる感じです。
- 変数文字列の部分に展開されるのは、テンプレート変数、チャンク、スニペットなどです。チャンクは普通のhtml文で書かれた「パーツ」なので簡単。スニペットはほとんどphp文そのままです。サンプルとして同梱されてる「DateTime」や「PoweredBy」などの短いコードで構成されてるスニペットを見てみるといいと思います。宣言部を含めても数行なのですぐ雰囲気がつかめるでしょう。本家のライブラリを見てみると一行スニペットみたいなのもありました(宣言部は除く)。
- MODx・Etomiteともに、システムを構成する主なリソースはテンプレート・ドキュメント・チャンク・スニペットの4つ。さらにMODxではテンプレート変数とプラグイン・モジュールと呼ばれる仕組みが加わっています。テンプレート変数については先に述べましたが、プラグイン・モジュールとは?これはいわゆる拡張機能です。むしろチャンクやスニペットのほうこそMODx・Etomite独特のものであって、拡張機能と呼ばれる仕組みはたいていのCMSに備わっていると思いますが、まさにそれです。つまり今までなかったんです(汗)。ちなみにプラグインとモジュールの違いは…まずプラグインはMODxの機能を拡張するもので、さまざまなシステムイベントに関連付けることが可能なものです。そしてモジュールは、これらのリソースをまとめて管理できる仕組み。テンプレート・ドキュメント・スニペット・チャンク・テンプレート変数・プラグインの6つのリソースをまとめ、ひとつの拡張機能を実現するものです。概念的には特殊なものではありませんが、今のMODxの「いじりやすさ」を体感している人には画期的なことに思えるのではないでしょうか。MODxがフレームワーク志向のCMSと呼ばれる由縁のひとつでもあります。さまざまなレベルのスキルの持ち主がそれぞれのレベルで開発に参加できる構造がMODxにはあります。
注意点または要望
- Joomla!やXoopsのようなCMSと違って、MODxは普通的(?)なサイトを作るのに向いてます。ここんとこ、表現はしにくいですが…逆に考えると、普通のサイトをXoopsで作るのは意外と難しいですよね?不要な機能が多かったりして。TynyDなどを駆使して独立ページをたくさん作って、結局、なんのためにXoopsを採用したのか分からないってことにもなりがち。デザインのカスタマイズもやりにくい。じゃあXoopsだと何が有利かというと、コミュニティ機能やギャラリー機能、FAQ、掲示板、ブログ、リンク集、通販機能(ZenCart On Xoopsとか)などの「機能」をモジュール感覚でサッと組み込めて、管理画面もそれ専用になっているから使いやすい、ってことだと思います。そういうのは今のMODxには向いてません。MODxが「中小企業サイトに向いてる」と言われることが多いのは、そういった特質があるからだと思います(実際はブログや掲示板、新着情報などはなんとかなりますけどね)。だけど実際のところ、Dreamweaverで作るような普通のサイトを普通に作れるCMSって意外と貴重な存在ではないですか?パズルみたいに機能を組み合わせて作るサイトって分かりにくいと感じることもありますよね?
- コンテンツタイプとして「text/css」を選べるようなのでcssファイルもMODxドキュメントとして作ってリンクしてみたが…少なくともIEではしょっちゅう読み飛ばされてしまう。しかしこれが使えると、CSSファイルの内容を動的に制御することができるので、ちょっと面白そう!というわけで、本家フォーラムの猛者達が取り組み中。いずれ問題が解決されるでしょう。
- ナビゲーションなどのメニュー表示は、ドキュメントごとに設定するメニュー表示の属性を見て制御される。しかし個人的には、Joomla!のようにメニュービルダーで管理する形式のほうが分かりやすいような気がする。複数のメニューをマウス操作で自由に作るのが分かりやすい。MODxのメニュー制御はロジカルです。DropMenuのパラメータ渡しで想定どおりにメニューが表示されるように作るのは、慣れないと分かりにくい。こういうところであまり頭を使いたくない。
- ログインを3回間違えるとログインできなくなるらしい。しかし慌てない。1時間待てばまたアクセスできるようになります。
- 管理画面がフレーム構成になってるのは使いにくい。3ペイン構成であるうえに、インラインフレームもある。スクロールマウスを使いにくい。インラインフレームなんかはある程度は仕方ないだろうけど、改良を希望。
- ドキュメントが増えてくるとテンプレートの管理がめんどくさくないか?何十ページかをまとめて別コーナーに移動してテンプレートも専用のものに変更したいという場合は、1ページずつテンプレート設定を変更していくのか?(※もしかするとコレが使えるのかな?)
- まだ実用には厳しいファイル管理機能。FTPを使わずにサッとファイルをアップロードしたり削除したりできるのは便利だけど、もう少し機能を充実させてほしい。Dreamweaverのリンク管理機能って便利だけど、ああいうのをCMSで実現できると面白そう。ファイル名を変更すると、サイト内の全ドキュメント中のファイル名記述も連動して変更したり、どこからもリンクされていないファイルをリストアップしたりとか、そういう機能があるといいな。何人ものスタッフが寄って運用することを想定しているCMSなんだから、そういうことを今から考えておかないといずれ収拾がつかなくなってくると思う。
- Dreamweaverみたいに、テンプレートに親子構造(ネスト構造)を持たせることができると便利なんだけど。どういうUIにすりゃいいのか見当がつかない。そろそろCMSの世界もFlexとかCurlなどのリッチクライアントベースを意識しないと限界低いんじゃないだろうか? -ドキュメントの履歴管理(世代管理)が欲しい。うっかり間違えて公開しちゃっても元に戻せる。こういうのはコントリビュートとかでは実装されてる。編集スキルの弱いスタッフが複数集まってサイト運用に関わる状況を想定するなら、こういうのがないと不安。操作ミスとかエンコード関係でページまるごと飛んでしまうような事故が起きることもあるし。
- マニアな個人ユーザが自分のサイトのために導入するぶんには十分に楽しめると思います。マニアな利用者が増えてノウハウが蓄積されればモノになりそう。解決策はあるみたいだけど英語で書いてあるからよく分からない。という程度のことも多いし。ドキュメント自体がまだまだ整備されてないですが。
- 「Web2.0」を謳っているわりには、MODxで作るサイトがWeb2.0的かどうかというと…正直弱い。ajax使ってりゃWeb2.0ってわけじゃないし。しかし化ける気配は十分に感じられる。
- 日本人のユーザがもっと増えるといいなあと思う。
- Joomla!やXoopsで作られるサイトの大半を占めるような機能型コンテンツ・動的コンテンツは現状では苦手。たとえばカレンダーとかギャラリーとか(いちおうスニペットはあるけど)。そもそも、そういうインターフェイスではないし。今のMODxはツリー構成ベースのドキュメント指向CMSです。普通にDreamweaverなどで作るサイトがそうであるように。モジュールの実装がこれからどう進むかによって、Joomla!などと同じ土俵に立てるかどうかが占えるようになります。だけど基本はシンプルであってほしいです。
- メール送信フォームを実装するスニペット「eForm」をしばらく試してみたけど、記述するパラメータが多くてワケが分からなくなる。UIを何か考えないと、ここんとこがMODxの最大の弱点になりそう。せめて、複数行に分けてパラメータを書けるようになるだけでだいぶ違うのではないかと思う。このへん切実に改良希望。
※開発中の新パーサではそのように改良されるらしい。それどころか、かなり柔軟なパラメータ指定ができるようになる。ちょっと面白いことになりそう。 -スニペットは気軽にコードを修正しやすいのでバージョンアップが盛んなんですが、日本語対応を考えると頭が痛い。言語リソースを別管理できる仕組みも必要じゃないかなあ。assetsディレクトリにsnippetsディレクトリってのがあって、この中に言語ファイルを放り込むタイプってのもあるけど…いまいちスマートじゃないなあ。たとえば「言語」というタブを加えてみる、ってのはどうでしょ?そうすれば、スニペット本体のみをアップデートするのも簡単だと思う。 - ドキュメント・フォルダ・エイリアスそれぞれの編集画面の項目がどれも同じ。それぞれのタイプに応じた内容になってほしい。 -ドキュメント・フォルダ・エイリアスに並ぶ第4の要素として「モジュール」を加えてほしい。これをツリーにぶら下げることができたら、このテのCMSとしてはとてもスマートで分かりやすいと思う。たとえば掲示板とかフォトギャラリーとか通販コンテンツとか。動的生成のため全体で何ページという数え方をしないコンテンツを、あえてツリーにぶら下げる。
これから検証したいノウハウ
- メール送信フォームの設置。いくつかスニペットがあるみたいだけど、どれがどういいのか。日本語は化けないかとか。
- ナビゲーションの動的生成。テンプレート直書きではなく、できれば動的生成で分かりやすく見せたい。パン屑リストをページごとに手書きで書くのはスマートじゃないし。とりあえずBreadcrumbsと、標準ではDropMenuが使える。
- 掲示板(フォーラム)の設置は?とりあえずSMF?ユーザ情報を共有するためのブリッジは提供されているが、MODxのモジュールとして機能するほどのものではない様子。 -サイト内検索。日本語検索は検証中だが、おかげさまでだいたい問題なし。
- セキュアゾーンとの連動は?問い合わせフォームのページだけhttps(SSL)で。とか。
- アクセス解析は?標準の解析機能だとキーワードすら拾えず、もの足りない。というわけで、夏ごろにリリース予定のVer0.95ではSlimStatが採用されるらしい。
- ブログの作り方。スパム対策はどう? -新着情報をトップページにヘッドライン表示する方法
- データベースのバックアップは?モジュール「Backing up/Moving MODx Sites」が使えるみたいだけど、バックアップ先が少し不安。サーバ側のパスで指定できれば、ブラウザでアクセスできない領域に設定できるのだけど。
- ドキュメントごとの自動バックアップは?間違えて更新ボタンをクリックした場合に、ワンタッチで直前の内容に戻せると安心。