狐の王国

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ダウンロード違法化の未来は警察国家ニッポン

アホらしい話だと思うのだが、2年前にダウンロード違法化されたあとは、刑事罰化が始まったようである。

2年前に成立した違法化では、罰則は無しという抑止効果だけ狙いましたんで通してくださいという言いわけをしていたのだが、あっさりとくつがえしやがったようである。

実際のところ2年前の時点で、法学の知識のある友人が「罰則無しで通しておいてあとからつけるのはよくある」というようなことを言ってたので、もしかしてという思いはあったのだが、やはり信用ならない連中のようである。

さて信用ならない連中の作ってる法律であることが明らかになったことで、次の動きが予測できるようになった。それは受信者情報開示請求である。

「罰則の無い違法化」が実質的に効果が無いことは誰でもわかるだろうが、実は今回の刑罰化もさほど意味が無い。なぜなら我々には「通信の秘密」というものがあり、これは法律で守られているので、自分がどのコンテンツにアクセスしたかはプライバシーとして保護されるのである。誤解を恐れず簡単に言ってしまえば、違法なコンテンツをダウンロードしたところで簡単にはバレないということである。だから現状の刑罰化は実質的な効果はあまり期待できない。

しかし受信者情報開示請求が通れば、これも情報開示することになる。

現在、発信者情報開示請求というのは可能になっていて、これは警察や裁判所を経由でちゃんと請求されれば、プロバイダなどはそれに従わなければならない。違法なコンテンツを配信してる人はこれで特定し、逮捕することができる。

ここに受信者の情報も開示請求できるようになったら、違法コンテンツの取得者も特定できるだろうが、代わりに「通信の秘密」がほとんど形骸化してしまう。我々のプライバシーは警察にだだ漏れになる。それがどんな恐ろしいことか理解できるだろうか?

日本に限ったことではないが、警察というのは言うほど信用できる組織ではない。誤認逮捕もあれば冤罪事件も山程ある。メディアが逮捕時点で犯罪者扱いしてるせいか勘違いしてる人も多いが、そもそも逮捕時点では犯人であることが確定してるわけでもない。裁判を経て確定するものである。
そうでなくても日本の警察の取り調べや職務質問は非常に評判が悪い。実際に犯罪を犯したかは別として、やったというまで何時間でも取り調べ室に軟禁するくらいのことは平気でやる。そうした警察被害報告はネット上にごまんとある。

これらの他にも数年前秋葉原で職務質問が流行った頃の被害者レポートがいろいろとあったのだが、不思議なことにことごとく記事が消えたりサイトごと消失したりしている。

警察というのは権力組織であるがゆえに、きちんと法律によって行動を制限しておかなければ、存外簡単に暴走してしまうのは想像に難くない。軍隊と同じようにシビリアンコントロールされてなければならない。

そして実際のところ、軍事国家ならぬ警察国家というのも存在していたことがある。

ダウンロードの違法化、刑罰化、そして未来に起きるであろう受信者情報開示請求。これらがセットになり、警察はいつでも市民のプライバシーをのぞき見可能な状態を作ることができる。そうした情報を警察の利権に反してる人物を排除するための別件逮捕に使われることも無いと誰が言えるのだろうか。

そして日本が警察国家になり、過去の共産主義国家のような警察中心の独裁体制に移行する危険すらはらんでいるのである。

この記事もいずれ消すはめになるのかもしれない。その時は日本は警察国家への歩みを止められなくなっているだろう。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <[email protected]>