おサイフケータイは日本に限っていえば大変成功しているサービスじゃないかと思う。電子決済の便利さもあるが、何より「SUICA」から始まった交通機関への対応はともかく便利さを押し上げた。
チャージさえしておけば小銭いらずで切符も買わなくていい。乗り換えも自由(会社・路線によりますが)。首都圏や大都市ではもはや当たり前のインフラになりつつあります。
けれどその影で消えゆくサービスも...
シーモをご存じだろうか?
コカコーラが展開していたサービスで...まぁケータイでジュースが買えるサービスの走りでもありまして。シーモはその対応自販機の名前。
ハードとしてはおサイフケータイに対応しているものもあるんですが...ともかく使いづらかった。詳しくはWikiを見てもらえばわかるかと思ったが...それでもわかりずらいかもしれない(笑)
QRコードと電子決済サービスを組み合わせたサービスなわけで、電子マネーのチャージが自動販売機で出来たりとわりと面白い機能もあったんですが...残念ながらあまり利用している人を見なかったりしました。
秋葉原のソフマップとUDXの間の道沿いやヨドバシカメラの近くに自販機がありました(まだあるかも)ので見たことある人も多いはず。古い世代の自販機だとQRコードを使うしかなかったんですが、新しい自販機だとiDは使えるわEdyは使えるわで結構進化していたりも。
けれど普及したとはいいがたく。
残念ながら2011年3月末日をもってサービスを終了ということになりました。結構楽しげなサービスだったんですが...ちょっと早すぎたかも。まだFelica普及前であったためQRコードを使用したのはいいんですが...ここでちょっとイメージが悪く「面倒」というレッテルが。
でFelicaに対応したらしたで「SUICAとかで買えればいいんじゃない?」というあっさりとした理由(本当のところはどうかわかりませんが、各鉄道会社の設置自販機がSUICAやPASMO対応に切り替わっているとどうしてもそれらと比較されますし)もありまして。なかなか苦戦していました。
最終的には残念なことになりましたが、その技術はたぶん無駄ではなく。NTTドコモや伊藤忠にもノウハウとして蓄積されたんじゃないかと思います。
まぁ今となってはおサイフケータイの決済サービスで電子マネー系はある程度まかなえてしまうので、その中のどれかに対応してしまえばいいのかな...と思ったりしますが(首都圏だとEdyとSUICAが強い印象。主婦にはWAONも強いけどそれは余談なんで(笑)
地味に「タダでジュースが飲める」キャンペーンをやっていたので知ってる人は利用していたかと。QRコードでジュースをゲットという案配で、そういう面からもちょっと惜しいサービスが終了するな...なんて思ってます。
とはいえFelicaの日本での普及には目を見張るものがあり。スマートフォンが普及し始めると当然のように「おサイフケータイはないの?」ということに。
AUやDOCOMOはやや苦労しつつもなんとか搭載端末を発表。発売しました。これは結構大変なことで、ワンセグと並んでオリジナルハードを搭載してしまったことで「OSのバージョンアップの素早さを犠牲にせざるを得ない」という状況も生んでいましたし。検証に時間かかりますからね...独自ハードやっちゃうと...
Androidのバージョンが低いうちからやらざるを得ない状況にあったので、これは仕方ないことかな...と思ってます。
さてそのAndroidの最新バージョンや噂されるiphone5にはしきりと「NFC」対応という言葉がちらつくようになっています。Androidは正式に2.3から対応を表明しましたが(iphoneは噂だけなんで実際のところは発売されるまでわかりません(笑)いつものことです)、このNFC。ニュースでは「おサイフケータイと上位互換」と報道されてます。
実際のところハードとしてはまぁ嘘ではなく上位互換。Felicaとの互換も保持されています。(最初のごたごたでは排除されてたような気がしますがNFCという規格では保持されてるとみていいでしょう)
ただややこしいのがこのNFCという規格...まだ発展途上。初期のものには思わぬ非互換があったりするかもです。現在のバージョンは10だったかなぁ...ちょっとうろ覚えですが9に対応しただけのハードだと今後互換に不安があったりとか...策定された規格のせいでFelica完全互換とは言いがたく...(たぶん読み込みはいけるような気がしますが...どうなるやら。ソフト次第なのかなぁ。書く方は大変だな...コード...(汗))
ケータイやスマートフォンは...まぁ国内メーカーの製品ではあまり問題にはならないと思いますが(きっちりそこの辺りを検証してくれているはずです)、海外端末を持ち込みたい人やあるいは最低限のローカライズでこれから発売されていくスマートフォン達。それらに搭載されるNFCはいったいどこまでの範囲の...なにに対応しているのか。まだ誰にもわかっていなかったりします。
宣伝通りならいいんですが...私が聞いている限りではそう素直なものでもなさそう。安価な中国端末あたりはNFCではなく海外で普及してる規格にのみ対応したチップを積んでいるかもしれない(まぁそもそもナニも積んでいない可能性の方が高いですが(笑))。
まして今国内に普及しているハードでそれらの変わった端末が使えるかというと...まだまだ未知数。スペック的にはいけそうですけれど、検証はこれから。
それにハードはなんとかなってもソフトの方は...というとまだこれも開発中のものが多く。実際のところサービスとして成り立つのは...ぶっちゃけ「2012年の半分過ぎた辺り」からだと私は考えています。今年いっぱいはいろいろと検証したりしてるんじゃないでしょうか。
国内メーカーのスマートフォンは普通に国内向けのチップとソフトを載せてくるでしょうから心配はいらないと思いますが...その分「最新ハード」とは言いがたい。かと言って海外と同等の早さで製品を欲すると...おサイフケータイ等はやや不便を強いられるかもしれない。
今業界全体が取り組んでいる問題なのでいずれ決着を見ると思いますが、日本は下手に普及している分やっかいかもしれません。特に便利になった鉄道やバス等の公共インフラ部分が。
(まぁ天下りの会社がぽんっと出来て何年かかけててきとーな目標掲げて実行されちゃうような気もしますが気のせいでしょう)
Googleが「ちょっと本気出せば」いろいろな問題はすぐ片付きそうな気も「ちょっとだけ」するんですけどね(^^;
NFCに使用されるチップとソフトはこれから様々なものが出ると思いますので、そのうち決定版といえるものが出るかもしれません。そうすると心配はあっという間に杞憂に終わるかもしれない。
けれどまだまだソフトも環境も整っていない。
そんな中でおサイフケータイに重要性を感じる人が買うのなら...日本メーカーのスマートフォンかハイスペックケータイを購入して2年ほど待つのが正解なんじゃないか...なんて思ってます。
まぁ、今年出てる日本メーカーの製品ですね(笑)
Cmodeの様には消えないだろう?なんて声も聞こえそうですが。
たとえばNFCと日本の市場のハードとはいまいち相性が悪いから国際規格に合わせて行きましょう!政府がいらん声を出して業界全体が舵をその方向に切ったら。
そんなことになれば...駅や自販機の受け口が今のハードとは「非互換」となることにもなりかねません。その時はまさに「今もっているものが」使えなくなる時なわけで。買い換え需要も見込んでしまうと案外商売としては悪い話ではないかもしれない。そう簡単でもないですが。
まぁ日本はその辺りサービス過剰でコスト過剰のお国柄ですから...既存のハードとの互換は当面維持しようとするんじゃないかと思ってはいるんですが、まだまだ先のことはわからない。
NFCに関してはOSは対応した。ハードも出始めた。まだそんな段階。
なので周りには「とりあえずおサイフケータイ対応をうたってるのにしとけ」と答えるようにしています。
そういう意味ではAUやDOCOMOにはがんばってほしい。
ソフトバンクは...まぁiphone以外売る気ない気がするんで、対応iphoneが出たら頑張ってくれるのを期待して。
NFC元年となった今年から世界の電子決済と非接触型サービスがどうなっていくのか。
少しずつでも情報を集めようと思っています。
私のところに今ある情報なんて...実際にアプリを作らされてるやつらの愚痴と怨嗟の声...それとWEBの情報。後は...消えゆくサービスに携わり別部門に異動になる人の悲しいつぶやきぐらいでしょうか。守秘義務に触れない範囲の言葉でも推察したり情報同士を補完させると...案外見えなくていいものが見えてしまうこともありますが...もう少し情報集めないと(笑)
なんにしろNFCについてよく知りたい人はNFCのサイトを見てください。
※あくまでも私個人の意見であり偏ったものであることをご了承ください。詳しく調べればわかりますが、いろいろと簡単ではないのが現実だと思うので。まさか3番目の方式になっちゃうとはなぁ...トホホ...