またまた、すっかりご無沙汰してしまいましたこの日記。
そもそも、この「キシモト食堂」は、
ただの個人的な日記のタイトルだったのですが、
私の働いている、MUSIC BAR道で、
同名の食イベントをやらせてもらったり、
個人の活動の屋号になりつつあったり、
ちょっと複雑というか、
自分でもよくわからなくなってきたので、
近々整理しようと思います。
ちゃんと整理して、
個人の活動などをまとめたウェブサイトに昇格させたいな。
なんか、いろいろとアップしたい仕事のご報告もあるのですが、
しっかり報告しようとするとなかなか時間がかかって、、
また今年もアップせずに年を越しそうなので。
まずは、日記的な内容からコツコツと。
最近の出来事として、やっぱり心にずしんときたのは、
柳宗理さんが亡くなったこと。
言わずとしれた著名なプロダクトデザイナー。
96歳というお歳を考えたら大往生なので、
正直、悲しいとかそういった単純な感情的な気持ちではなく、
なんというか、心にずしんときたり、
ぽっかり穴があいたような。。
元々デザイナーから食の道に進んだ私としては、
特に思いいれの深いプロダクトデザイナーでした。
初めて買った包丁は、柳宗理のものでした。
18cmと10cmのもの。
包丁ってどこで買ったらいいかもわからなくて、
渋谷のハンズで購入しました(笑)。
元々は見た目の美しさと
オールステンレスに惹かれて目をつけていたのですが、
もってみたらとても軽く、手にフィットする!
二十歳そこそこの私にとっては、
決して安い買い物ではなかったのですが、
当時から、食へ対する愛情だけは強かったので、
ちゃんと研いでぼろぼろになるまで、一生使う!
と心に決めて、ほぼ即決で買いました。
そうして、今日も包丁を研いでいます。
柳宗理のプロダクツは他にもたくさん持っているのですが、
もうひとつ、思い出深い品々が。
前職を辞める少し前、
会社の先輩二人とごはんを食べにいきました。
一人の先輩は、その頃体調を崩されていて、
休職中だったので、久しぶりの再会でした。
やはり、体調はあまり優れない様子だったのですが、
楽しくごはんを食べ、飲んで、帰る間際に、
「これ、最後の日に行けないかもしれないから」
とややぶっきらぼうに渡して、
先輩はすぐに帰ってしまいました。
帰ってそのプレゼントを開けてみると、
手紙と共に、柳宗理のキッチンツールがたくさん。
体調が優れないのに、
わざわざプレゼントを選んで、
手紙を書いて持ってきてくれたなんて…。
想像しただけで、涙がでました。
いっぱい失敗をし、何度も怒鳴られ、
だめだめな部下だったのに。。
以来、このプロダクツは大切に、ほぼ毎日使っています。
子どもの代まで引き継げられたらいいな。
柳宗理氏が人生をかけて、
丁寧にデザインされたプロダクツは、
このようにたくさんの人の思いを受け、
いろんな人々の人生の生活の中に、
ささやかな幸せや、
潤いを与え続けているのかもしれませんね。
そんなことを考えた、2011の年末でした。
さてさて、今日は何をつくろうかな。